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別世界のゴプニク(Быдло в другом мире)  作者: 1922in1922
英雄たちの冒険が始まる
18/26

そのような瞬間を見つけるのは、思ったよりも難しいです。

火がパチパチと音を立て、四人の友人たちの顔に影を落とした。ダレクはいつものようにワインを注ぎ、シオリには他の者よりも多めに注いだ。いつもの狡猾な笑みは、*「君が気づいているのは分かっている。気にしない」という意味だった。*


シオリは、今度は大げさな優雅さでワインを飲んだが、彼女の足はとっくにテーブルの下に隠れており、今は優しく(そして、それほど激しくもなく)ダレクのブーツを弄んでいる。


「つまり、明日が最後の追い込みか」とヴィタリアは肩を伸ばしながら言った。「遺跡、古代の遺物、そして死の可能性…いつもの通りだ」


「ああ、運が良ければ、僕たちも呪われるぞ!」とダレクはリネアとグラスを合わせながら付け加えた。


「運が悪ければ嫌だ」エルフは顔をしかめたが、それでも一口飲んだ。


シオリは突然(全く不自然に大きく)あくびをして、伸びをした。


— 「ちょっと疲れたわ~ ダレック、散歩に行こうか?」


— 「ああ、そうか、『散歩に行こう』ってことね」ヴィタリアは鼻で笑ったが、ダレクはもう起き上がって、聞こえないふりをしていた。


— 「早く待たないで!」シオリは肩越しにダレクの手を引いて暗闇の中へと引きずり出した。


二人きりになったヴィタリアとリネアは視線を交わした。


— 「あら、エルフさん、もう二人きりなの?」彼は彼女にワインを注ぎ足した。


— 「ひどい状況ね」彼女はグラスを受け取ったが、耳がぴくっと動いた。


馬車はいつものように狭かった。しかし、リネアはそれさえも気に入っていた。ヴィタリアは彼女の背中を温め、彼の腕は彼女の腰に抱きつき、唇は彼女の首筋に軽くキスをした。


— 「あのね、今日ダレクが何か言ってたんだけど…」彼は突然言った。


— 「ん?」彼女は忙しくて、話についていくことができなかった。


—「彼とシオリ。二人は…」


そして彼は、すべてを口走ってしまった。二人の出会いのこと、奴隷制度についての嘘のこと、ポケットに隠した指輪のこと。


リネアは目を皿のように大きくして振り返った。


—「何だって?!」


—「ええ。彼は彼女にプロポーズするつもりです。」


エルフは口を開け、閉じ、また開いた。


—「でも…でも…あの人たちは…くだらない駆け引きばかり…」


—「ええ。そして今になって、彼はそれを『公式』にしたいと言っている。」


リネアは黙っていた。そして突然、鼻で笑った。


—「なんてこった、二人ともバカだ。」


—「私もそう思う。」


—「それに、今更そんなことを言うなんて、あなたもバカね。」


—「…ええ?」


彼女は両手で顔を覆った。


――「今さら、知らないふりをしなきゃいけないの?! 栞の前で!?」


ヴィタリアは考えた。


――「ええと…いいの?」


――「殺してやる」


――「まずキスしてやる」


――「まず殺してやる。それからキスしてやる。それから蘇らせてまた殺してやる」


しかし、ヴィタリアの耳はすでにぴくぴくと動き、唇の端は震え、笑みをこらえようとしていた。


暗闇のどこかから、栞の笑い声が聞こえた。響き渡る、満足げな笑い声。


「まあ、少なくとも今日は誰かが相応の罰を受けるだろう」――リネアはヴィタリアのこめかみにキスをしながら思った。


そして、彼女は本当に彼を枕で軽く叩いた。


*あくまでも原則として。*


小道は古びた石畳の間を曲がりくねり、銀色の月光に包まれていた。ダレクはゆっくりとシオリの指先を弄りながら歩き、時折シオリの肩が彼の肩を軽くつつき、特に絵のように美しい遺跡へと彼を誘った。


「見て、フレスコ画があるわ!」 シオリは彼を半分崩れかけた壁へと引き寄せた。そこには古代の浅浮き彫りの輪郭が見分けられた。


「ただの傷だ」ダレクは呟いたが、その笑顔が彼の正体を暴いてしまった。


「知らないのね」 シオリは彼の脇腹をつねった。「あれは明らかに狩猟の場面ね!弓を持ったエルフが見えた?」


彼は身を乗り出し、絵をじっくりと観察するふりをしたが、実際には彼女を見ていた。月光が彼女のまつげを滑るように照らす様子、古代の象徴について熱心に語る彼女の唇の動き。


「しまった、リハーサルしておけばよかった…」


彼の空いている手は、思わず箱の入っている内ポケットに伸びた。


「何でそこに立ってるの?」シオリは彼の方を向いたが、彼は慌てて手を引っ込めた。


「ああ、ただ…ブーツに石が入ってしまったんだ」彼は靴を直すふりをして嘘をついた。


彼女は鼻で笑った。


「いつも石と一緒にいるじゃない。ブーツを脱いで裸足になった方がいいんじゃない?村のバカみたいにね」


「怪我しないように手を握ってくれる?」


「だめよ、ハリネズミを踏んだら笑っちゃうわ」彼女は牙をむき出しにして、彼をさらに引っ張った。


二人は谷の景色が見えるプラットフォームに出た。シオリはすぐに欄干に登り、両足を深淵にぶら下げた。


「降りろ」ダレクは唸り声をあげ、彼女の腰をつかんだ。


「落ちたら怖いのか?」 「意地悪しようと飛びかかるんじゃないかって心配だ」彼は彼女を抱き寄せた。彼女は笑い、彼の胸に両手を押し付けた。


その時、彼はそうできた。


指輪を手に入れろ。あの言葉を。


でも…


「あら、見て、コウモリ!」シオリは突然、暗闇のどこかを指差した。


「どこ?」


「ああ、そこにいるわ!目が見えていないの?」


彼女は彼の腕から体をひねり出し、腕を振り回し、見えない生き物の軌跡を示した。ダレクは彼女を見て、この世のどんなコウモリも、この瞬間を邪魔する価値はないと思った。


しかし、その瞬間は既に失われていた。


「よし、戻ろう」シオリは伸びをしてあくびをし、彼の手にしがみついた。「明日は早起きしなくちゃ」


「うーん」彼は頷き、親指で彼女の指の関節をなぞった。


彼女はそんなことにすら気づいていなかった。


特にロマンチックな場所を通り過ぎたとき、彼の指が震えているのを彼女は見ていなかった。


その晩、彼が何かを言おうと三度もしたのに、結局は天気や岩について些細なことを言ってしまったことにも彼女は気づかなかった。


闇が彼女を包み込んだ。


奥深く、曲がり角のあたりで、金属がぶつかり合う音がした。


詩織は足を速めた。爪は既に剥き出しで、目には真紅の炎が燃えていた。彼女は半壊した遺跡の広間に飛び込み、一瞬、凍りついた。


ダレクは戦っていた。


彼の前に何かが立っていた。鱗状の皮膚に覆われた巨大な怪物。刃のように長い爪と、黄色く光る目。ダレクはギターソードで反撃したが、怪物はすでに攻撃を仕掛けようと前足を振り上げていた。


「ダレク!」


彼女が突進した瞬間、彼の手の中の剣が震えた。


突然、刃が彼の指から弾け、まるで生きているかのように、彼女に引き寄せられた。彼女の手の中で刃はねじれ、金属は乾いた血のように赤く輝き、柄には骨から彫り出されたかのように、頭蓋骨がちりばめられていた。


大鎌。


血のように赤く、ゴシックで、死ぬほど美しい。


――「何だって――!」


しかし、怪物は彼女に正気を取り戻す暇を与えなかった。


詩織は考えもしなかった――体が勝手に動いた。


鎌は彼女の手の中で歌い、恐ろしい笛のような音を立てて空気を切り裂いた。まるでずっとこの武器を所有していたかのように、彼女は戦いのリズムに溶け込んでいた。


怪物は咆哮し、爪が石を引っ掻いたが、詩織の方が速かった。


――「絶対に…触るな…!」


彼女の一撃一撃が、怪物の鱗に血の筋を残した。


ダレクは片膝をついた。苦痛で顔面蒼白になり、目は燃えていた。


――「詩織、左脇腹!」


彼女が振り返ると、鎌は弧を描き――怪物の首に突き刺さった。


それは凍りつき、黄色い目は曇り…


そして崩れ落ち、黒い灰と化した。


鎌は彼女の手から落ち、地面に触れるとギターの形に戻った。


詩織は彼女を見なかった。


彼女はすでにダレクの隣にいて、震える手で彼の肩を掴んでいた。


-「この…この馬鹿!この間抜け!この野郎!」- 彼女の声は途切れ、目に涙が浮かんでいた。-「あれは何だったんだ?!どうして一人でいるんだ?!どうしてその馬鹿げたギターは…どうして…どうして…あれは何だったんだ?!」


ダレクはすぐには答えなかった。


彼は彼女を抱き寄せ、まるで彼女が蒸発してしまうのではないかと恐れるかのように、指で彼女のマントを掴んだ。


-「ごめん…」彼は声を詰まらせながら囁いた。


詩織は飛び上がり、赤い目が燃えるように輝いた。


—「ごめんなさい?! 死にそうになったのに…何もかも隠して!なのに『ごめんなさい』しか言えないなんて!?」


ダレクはため息をつき、震える手を伸ばした。


—「君の家に行った時…本を見つけたんだ。マナの雫、不死をもたらす石について書いてあったんだ。」


その言葉に、シオリの心は沈んだ。それが何なのか、彼女は知っていた。あまりにもよく知っていた。


—「それを見つけたかった…君と一緒にいたいから。永遠に。」


彼女は震えるのを抑えながら目を閉じた。


—「この馬鹿者…」彼女の声は静かで、ほとんど優しかった。「君がどれだけ長生きしようと関係ない。私は君を愛している…永遠に。」


ダレクはすすり泣き、ついに涙が溢れ出た。


—「私も…私も…」


そして、震える手でポケットから指輪を取り出した。


彼は片膝をついた。


彼はそれを彼女に差し出した。


――「ルナ、結婚してくれるか?」


詩織は凍りついた。


そして彼女は笑った――涙を流しながら、あらゆる痛みを、恐怖をこらえて。


――「ええ…ええ、ちくしょう、ええ!」


彼は彼女の指に指輪をはめ、二人の唇は永遠に続くキスへと溶け合った。


そして、廃墟の奥深くで、何かが割れた…


でも、今はそんなことは問題ではなかった。


なぜなら、危険と秘密に満ちたこの世界で、二人は永遠の「はい」を見つけたからだ。



ということで、作者から一言。この作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。本当に嬉しいです。海外の方が興味を持って読んでくださるとは想像しにくいのですが、皆さん、この作品についてどう思いますか?翻訳についてはどう思いますか?読みやすいでしょうか?専任の翻訳者を雇うお金がないので、翻訳については改めてお詫び申し上げます╰(*°▽°*)╯

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