6-3話
頭におおきなたんこぶを作りながら、二人はラトリックに見下ろされていた。
「全く、、、。言いたい放題言い過ぎよ!」
「「ごめんなさい」」
頭部の痛みに悶えながら、二人は正座で座らされていた。
「けど真面目な話、ノウンの案は一番確実な方法だと思うぜ〜?基礎的な魔力操作を鍛えるだけでいいしな〜。退学になんてなったら元も子もないだろ〜」
「それはそうだけど、、、なんかヤダ!私は強くなりたいの!ただ合格するだけじゃなくて、誰からでも認められるような実力をつけて!不意打ちじゃなくて、真っ向勝負で勝ちたい!」
彼女のそのまっすぐな視線にやれやれと言った表情になる。
「まぁ、ラトリックがそうしたいならそれに従うべきだと思うよ。で、それをどうするかって話に戻るわけなんだけど、、、」
しかし、ノウンが再び思考に戻る前に、ラトリックが答える。
「いや、思いついたわ」
「そうなのかい?」
「お、なんだぜ〜?」
二人の視線が集まる中、彼女は拳を再び宙に掲げた。
「この拳、、、体術よ!」
そう、答えた。
「今二人をぶん殴って気づいたの、、、私の一番の武器!それはこの肉体!魔法の代わりに鍛えたこの筋肉で敵を薙ぎ倒す!どお!?いい案でしょ!」
キラキラした目線で正座中の二人を見下ろすラトリック。その視線をうけ、同時に口を開いた。
「やめとけ〜」
「いいんじゃない?」
正反対の答えを。
「まじか〜?ノウンも同じ意見だと思ったんだがな〜」
意外だ、という感情が強く表情に出ていたエトワー。それはノウンも同じだ。
「ダメなのかい?結構良いんじゃないかと思ったのだけど、、、」
不思議そうに首を傾げる。
「体術ってのは難しいんだよな」
「難しい?」
「あぁ。欠点が多いというか、気にしなきゃいけないことが多いんだよな」
「例えば?」
「よく言われてるのは肉体の強度だな」
そう言うと、彼女はどこからか棒を取り出した。
「よく見てろ」
その木の棒はなんの変哲もないものだ。しかし、エトワーがそれに魔力を込めていく。すると、その木はみるみるうちに膨張して行った。それは止まらず、最後にはボンッと音を立てて破裂していく。
「、、、こういうことが肉体で起こる。集中させた魔力に体が耐えきれなくなっちまうんだ〜。体術で戦うには、単純な魔力での肉体活性とは比べられないほどの負担になるぜ〜」
「なるほどね。確かに扱いずらい」
「でも、私は日頃から鍛えてるから結構耐えられるんじゃない?」
「誤差レベルだな。近距離で戦うことを想定するなら普通の魔道具の扱いを心得るのが賢明だと思うぜ〜」
「そっか、、、いい方法だと思ったんだけどな、、、。」
しゅんとしたように肩を落とすラトリック。そんな彼女の頭をエトワーはよしよしと撫で始める。
「それで?ノウンはどうするつもりなんだ〜?まさか本当に魔力を注ぎ込むとか言い出さないよな〜?」
彼女は目を細め、ノウンの方を見る。
「まぁね」
そう一言だけ呟くと、彼はいそいそと二階に上がっていき、何かを持って降りてきた。
「これ使えば?」
その手にはグローブのようなものがあった。しかしそれはあまりにも面積が少ない。拳に固定するメリケンサックといった方が近いのではないかという物だった。
「なにこれ?」
「お爺のおさがり。なんか物に魔力を流す練習にこれ使ってたらしいんだって」
「はえ〜、、、。また珍しいもん持ってんなぁ〜」
「知ってるのエトワー?」
「あぁ。旧タイプの魔力測定器だ。測定する側に結構高度な技術を求められるから今はもう作られてないぜ〜、、、え、お前さんまさか」
「そう。これで殴ればいいんじゃないかなって」
「はぁ〜〜〜〜!?」
エトワーの声が部屋中に響いた。
6-3話です。ラグメラです。
ちまちま投稿でごめんなさい。ここら辺は就活終わったら一つにまとめるかも
面白かったら感想や評価の程よろしくお願いします。




