6-2話
「視点を変えよう」
パンッ!と手を鳴らす。ノウンが流れを再び戻す。
「Dランクになるには試験に合格すること。そのためには決闘で自分の価値を証明しなければならない。そうだね?」
「そうだな〜。それがどうかしたのか〜?」
不思議そうな声色で疑問符をあげるエトワー。その意図を汲み取れないようで、怪訝な視線を彼に向けている。
「それなら一番手っ取り早い方法がある。その決闘で勝てばいい。その言い方だと勝敗だけで決まるわけじゃないんだろうけど、楽に評価を上げる方法ではあるんじゃないかな?」
「そりゃそうだが〜、、、」
気まずそうに言い淀むエトワー。それを遮るようにラトリックが声を上げた。
「いやいやノウン!」
まてまてまて、と言わんばかりに腕を振り回す彼女。
「それが!出来たら!苦労しない!」
力強く悲しい主張をする彼女。エトワーもそれに同意するように続けた。
「まぁそうだよな〜。実際決闘で勝利した奴はもれなくDランクになってるから勝っちまえばいいって言うのはそうなんだろうが、、、。ラトリックじゃなくても難易度は高いぜ〜?」
しかし、そんな彼女達とは反対に、そんなことはわかっているよと軽くため息を吐いた。
「全く。普通にやれば不可能ってことは理解しているよ。なら、普通じゃない方法でやればいい」
「じゃあどうやって、、、はっ!まさかノウンがすっごい強くなれる特訓を、、、!」
「いいかいラトリック。俺のモットーは「努力は避けるべき道」だよ。そんな面倒なことするわけないだろう」
得意げな顔でノウンはそう述べる。彼には珍しく、そしてなぜか自慢するかのようにそう答えていた。
「ろくでもないモットーだな〜」
「じゃあどうするの、、、」
不満そうな顔でカウンター席に勢いよく座り込むラトリック。ジトっとした目で彼を見つめている。
「いいかい。ラトリックの一番の強みはなんだと思う?」
「う〜ん、、、。やっぱり魔法の威力じゃないか〜?」
「まぁ、、、。私もそう思うかな?」
「違うんだよね。そこじゃないんだ」
彼は真面目に話し始める。その雰囲気に彼女達も生唾を飲んだ。
「いいかい。ラトリックの一番の武器は、、、」
「な、なんだ〜、、、?」
「一体なによ、、、?」
一呼吸おき、彼は言い放つ。
「めちゃくちゃに舐められてることだよ」
「は?」
彼はあくまで真面目な顔で話し続ける。
「ラトリックのことは若馬の厩舎の中で有名になる程の弱さ。対戦相手もDランクなら、多分そのことを知っているだろう?」
「は??」
「はっ!そ、そうか〜!確かにそれなら相手は絶対に油断するぞ〜!なんてったってつい最近まで魔法も使えないクソ雑魚だったんだからな〜!」
「は???」
「そう。そうして油断しきった相手を開幕一発で倒し切る。都合のいいことにラトリックの魔法の威力は超一流。これを実行するには十分な能力だろう?めでたしめでたしじゃないかい?」
「か、、、完璧な作戦だぜ〜!これならラトリックを退学から救えるぜ〜!」
全てを理解し、盛り上がる二人。手を合わせ、目を輝かせ合う。その空間に、蚊帳の外の声が響いた。彼女の握り拳はフルフルと震えている。
「何、、、盛り上がってんのよ!」
その拳が、二人めがけて飛んでいった。
6-2話です。ラグメラです。
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