6-1話
「復、、、活!」
バタン!とレペールのドアが勢いよく放たれる。
「今日は臨時休業だぜ~」
「エトワーだっているじゃん!」
座ってコーヒーを口にしながら、店員気取りで茶々を入れる。ノウンはカウンターの奥で突っ伏しながらよう、と言わんばかりに手を上げていた。
「それにしても臨時休業なんて、なにかあったの?」
「なんかお爺がすんごい二日酔いに襲われててさ。店どころじゃないんだって」
「珍しいこともあるもんだぜ〜」
「実際珍しいよ。あんま酒飲む人じゃないし」
ノウンは顔だけ横に向けたまま眠そうに答えた。そんな彼を叩き起こすかのようにエトワーは大きな声を出す。
「それはそれとして。大変なんだよ!二人とも!」
「はいはい。試験が近いんだろ〜。」
納得しているエトワーと対照的に、ノウンは頭に疑問符を浮かべている。
「何かあるのかい?」
「もうすぐ、、、ランクアップ試験が始まるの!」
「、、、何それ?」
「そうか。ノウンは知らないよな〜」
しまったとばかりに彼を見て、彼女は少し思案する。
「若馬の厩舎には実力に応じてA〜Eのランクが付けられるのは知ってるだろ〜」
「それぐらいはね」
「若馬は入学するだけならそこまで難しくないんだ。魔法ってのは才能の世界だろ〜?ある程度鍛えないとダイヤの原石を見落とすかもしれないってな〜」
ここからが重要、と言わんばかりに彼女は人差し指を立てる。
「だから若馬の厩舎においてEランクってのは品定めの期間ってことなんだぜ〜。早いとこDランクに上がらないと足切りされちまう。Dランクが実質入学って言われてるくらいなんだぜ〜」
「なるほどね。で、現状は?」
「相当まずいな〜。退学待ったなしってとこだぜ〜」
「そうなの!だから今すぐにでもなんとかしないと!」
ラトリックはカウンターをダン!と叩き、
「退学の期限まであと1ヶ月!それまでになんとしてでも私はDランクに上がらなきゃならないの!」
そう宣言する。
「へぇ。試験内容は?」
「えーっと。Dランク生徒との決闘!そこで審判に認められればDランクにランクアップできるわ!」
巻物を勢いよく広げ、ノウンに見せつける。
「正直なとこ、合格できる見込みはあるのかい?」
「かなり微妙だな〜。魔法は使えるようになってし、成長しているとは思われてるだろうけど、、、。そんなのスタートラインに立つ以前の問題というか。褒められるようなことではないよな〜」
「ぐっ!」
「まぁそりゃそうだよな。言葉が話せて褒められる赤ちゃんでもあるまいし」
「そこまで言わなくてもいいじゃん!」
二人からの辛辣な評価に、頬を膨らませながら抗議する。
「とにかく!私は試験を突破しなきゃいけないの!二人とも力を貸して!」
「それは構わないけど、、、。俺たちは何をすればいいんだい?」
ラトリックは得意げに胸に手を当て、
「まずは私に足りないものを知りたいわ!二人とも遠慮なく言ってちょうだい!」
そう答えた。しかし、それを聞いた二人は顔をしかめてしまう。
「足りないものを挙げる、、、?何ヶ月かかるかわからないよ?」
「うっ!、、、じゃ、じゃあ私の良いところは!?」
「まぁこれはよく見てきた私が言ってやるか〜。まず、魔法の威力は高いよな。あとは、、、えっと
、、、あっ。物怖じしないところ。えーと、、、他には、、、」
わずか数秒。うんうんと唸る状態に入ってしまった。ノウンも考える素振りを見せたが、結局答えは出ない。
「、、、、、」
「なんか、、、ごめん」
気まずい沈黙が、場を支配してしまった。
6-1話です。ラグメラです。
ちまちま書いてたらキリが良いところまで来たんで一旦投稿します。
面白かったら感想や評価の程よろしくお願いします。




