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騎士は魔法で夢を見る  作者: ラグメラ


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5-3話

「ふぅ、、、」


 カルネアが荒い息を吐きながら俯く。


「だ、大丈夫ですか!?」


 ラトリックが慌てて駆け寄った。


「平気です、、、。あの人形達にあれを破る手段はないでしょう、、、。すぐにここから出る方法を探さなくては、、、」


 よろよろと立ちあがろうとする。しかしうまく力が入らないのか、足から崩れ落ちた。


「ハァッ、ハァッ、」


「大丈夫ですか!?」


 彼女に肩を貸そうとしたその瞬間、何かがひび割れるような音が響いた。


「っ!?」


 その音に反応し、魔法陣を展開しながら振り向く。

 折り重ねられた檻の中。それは傷一つなくそのまま。しかし、そこに閉じ込められていた筈の人形達がその姿を消していた。


「あ~~~~~~~」


 その奥から気だるそうな声が聞こえる。その声に緊張感は無く、この状況では逆に浮いている声色。


「だるいねぇ、、、。さっさと諦めて死んでくれたら楽だったんだけどなぁ」


 檻を避けながらその姿を表した。筋肉質な肉体と赤黒い長髪をたなびかせる半裸の男がそこに居た。


(なんだ、、、こいつっ、、、!)


 その男はあくびをしながら髪をかいている。一見すると隙だらけな動作。

 しかし、ラトリックは直感的に理解していた。こいつは凶悪な敵だと。


「それ以上近づくな!近づくなら、、、攻撃する!」


 叫ながら魔法陣を構える。その目は鋭く男を見つめ、些細な動作すらも見逃さんと監視を始める。


「なにそれ、、、威嚇のつもり?」


 だがその男はそんな殺意を意にも返さず、歩を進め始めた。


「っ、、、!『炎球(フレア)』!」


 警告を無視した敵に対し、容赦なく魔法を行使するラトリック。それは確かに命中し、煙を立ち上らせる。


「だから止まれと言ったのに、、、。私が打てないとでも思ったの?」


 それに手応えを感じたラトリックがそう呟く。だが、それは彼女がただそう思いたかっただけなのかもしれない。


「この程度でそう思うのは無理があるだろう?」


 その煙を切り裂くように何かがラトリック目掛けて飛んでくる。

 それは腕だ。強引に胸ぐらを掴むとそれは収縮するゴムのように引き戻っていく。


(やばっ、、、)


 腕の元には煙から顔を出した男がいた。引き寄せられていく彼女目掛けてその拳が振り下ろされる。


「まず一人」


 気味の悪い音と共に彼女が殴り飛ばされていく。その衝撃で地面がえぐれ、噴水に激突し、ようやくその飛行が止まった。


「ラトリック!」


 エトワーが焦ったように叫ぶ。震える足を無理にでも動かし、立ち上がろうとする。


「くっ、、!させない、、!」


 カルネアも限界など気にしないかのように応戦の体制に入る。


「諦めろよ、、、。時間の無駄だ」


 しかし、満身創痍の肉体で彼の相手は不可能というものだった。彼は無造作に腕を横に振るう。それに合わせ、高速でその腕が伸びていった。二人は為す術なく吹き飛ばされる。


(まずい、、、魔力がもう、、、、!)


(このままでは、、、!)


 死。その言葉が二人の脳内をよぎる。そしてそれを現実のものとするべく、男が近寄ろうとする。


「ん?」


 だが、何かに気づいたように1歩下がる。そしてその目の前を横切る炎。


「驚いたな。まだ生きてたのか」


 そこには血を流しながらも立ち上がっているラトリックの姿があった。


炎球(フレア)!』


 連続して炎の球を打ち出す。当たりこそしないものの、エトワー達との距離は離すことには成功した。


「やらせないわよ、、、。皆は!」


「、、まぁいい。アイツらに抵抗する力はもうない。お前を確実に殺してゲームセットだ」


 お互いを睨みつけ、二人は構え直す。先に動いたのは男の方だった。


「ふんっ!」


 あまりに遠い間合い。だがそれをものともせず腕が伸び、拳が飛んでくる。


「喰らうかっ!」


 それを最小限の動きで弾く。そのまま炎球(フレア)の準備に入った。


「遅い」


 その避けたはずの腕から、枝のようにまた別の腕が生えて来た。避け切ることができずに再び衝撃が走る。


(速い!打ち出す暇が無い!)


 伸びた腕を払いのけると枯葉のように飛び、消えていった。


「肉体を、、、作ってる、、、?」


 再び警戒を強めるラトリック。しかしその耳に届いたのは酷く楽観的な声だった。


「あぁ、やっと気づいた?その通りだよ。俺の魔法は物体の生成。腕を繋ぎ合わさればあんな風に伸ばすことも出来るし、、、こんなことも出来る」


 そう言うと彼は上体を下げた。腕をだらんとさせ、背部を天に向ける。


『ヘパトレイル』


 その背中から、巨大なあまりにも巨大な腕が生み出されていく。一本、二本、その重量を支えようと四足歩行になっても新たな腕が生み出されていく。


 「、、、!」


 「楽に死にたきゃ受け入れろ。そっちの方が俺も楽だ」


 そして彼の体躯の4倍はあろうかという巨腕がそびえ立った。


 「じゃあな」


 その腕が振り下ろされる。


(広すぎる、、、!避けられない!)


 全身に魔力を纏わせ、防御に専念するラトリック。それを押しつぶさんと無数の殴打が降り注ぐ。

 飛び散る鮮血。割れる地面。その轟音が鳴り止む時、その全ては土煙に覆われた。彼はただ、その結末が現れるのを待っている。

5-3話です。ラグメラです。

Switch2が届いたので楽しんでました。サボりまくってましたがちゃんと再開します。

面白かったら感想や評価の程よろしくお願いします。

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