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とおりゃんせ
とおりゃんせ とおりゃんせ
ぴちゃ
ここはどこのほそみちじゃ
ぴちゃ ぴちゃ
てんじんさまのほそみちじゃ
ぴちゃ ぴちゃ
ちっととおしてくだしゃんせ
ぴちゃ ぴちゃ
水音七回。
ああ、呼ばれた。いつもの事だ。
よくあることではない。けれど、この感覚。水音が七回響き、脳は覚醒しているのに体は寝ている。夢をみているのとも違う。川の流れのように流され、引きずり込まれる感覚をどう伝えたら良いのだろう。
私は目を閉じ、深く息を吸う。
今回は、どこに呼ばれたのだろう。
誰に呼ばれたのだろう。
出来れば、悲しいひとに呼ばれていないといいのだけれど。
私はそう願いながら目を開けた。ここからは目をつぶっていては危ない。防衛本能が告げる。恐らく還れなくなるのだ。