1プラン目
魔族を討伐し、平和が訪れたグランニッカ帝国
リンコは介護士としての仕事をしながらも農作物の作成を続けていた。
ドス…。
一日中仕事に明け暮れていたリンコは疲れて施設の椅子に座り込んだ。
あー…今日は良く働いた。
仕事終わりに…できれば鳥串でも食べながら良く冷えたビール飲みたいなぁ…
って、出来るじゃん!
狼の獣人さんとダーメオにお店やらないか聞いてみよ!
その頃、国王クズメターボは玉座に座り天井を見つめ平穏な王国に満足していた。
「あー…暇じゃな…」
「クズメターボ陛下!大変です!」
そこへ伝報が届いた。
「何事じゃ」
クズメターボは嬉しそうに要件を聞いた。
「ドンキフォー帝国より皇帝のオラオ・ラ・ワーイルドゥ陛下がクズメターボ陛下にお目通り願いたいとの事です!」
クズメターボの前に跪く男は大きな声で伝えた。
中立国ドンキフォー帝国から皇帝と側近を乗せた大きな黒い船がグランニッカへと進んでいた。
船上にはテーブルを前に椅子に腰掛ける黒髪の凛々しく猛々しい男と、白髪の美しい男の姿があった。
「ヤッサオ!ワインとあのクリームを挟んだ黒いクッキーを出せ」
黒髪の男は白髪の男へと声をかけた。
「オラオ様…そうおっしゃると思いテーブルへたった今お持ちしました」
白髪の男は皿とワインをトレンチに載せて運んで来た。
「気がきくな!ではさっそく…」
ガキッ…
オラオがクッキーを噛むと石でも噛んだ様な乾いた音がした。
「オラオ様申し訳ございません。どうやらクッキーと間違えて磁石を出してしまった様です」
ヤッサオは言動とは裏腹に満足そうに謝罪した。
「ハッハッハッ…間違えは誰にでもある!気にする事など無い!」
オラオは大胆な笑い声をあげながらワイングラスを手にするとヤッサオへ向けた。
「申し訳ございません…」
そう口にしながらヤッサオはワインをオラオの頭へと注いだ。
「ハッハッハッ…ヤッサオそれは俺の頭だ、グラスはここだ」
「申し訳ございません…こちらでお顔を…」
ヤッサオは船の端に落ちていた雑巾を拾い上げオラオに差し出した。
「ああ…気がきくな!」
オラオは気に留めずその雑巾を手に取ろうとしたが従者がその手を止めた。
「おやめ下さい!どうかこちらのハンカチをお使いください!オラオ・ラ・ワーイルドゥ皇帝陛下!」
従者は片膝を着き両手でハンカチを手渡した。
「…チッ」
ヤッサオは小さく舌打ちをすると従者を睨んだ。
「ヤッサオ様…何故いつもオラオ様にその様な事を」
従者はヤッサオの背に問いかけた。
「貴様にはわかるまい…オラオ様のどんな反応も私だけの物だ」
ヤッサオは遠い空を見つめながら白い髪を風に靡かせた。
「グランニッカ王国に我がドンキフォー帝国の力を見せてやろう、それから…」
オラオはワインを一気に飲み干した。
「待っていろ魔族を追い払った女戦士よ!ハッハッハッ!」
ワインでびしょ濡れとなった皇帝の笑い声が大海原にこだました。
その頃、リンコはダーメオを連れて狼の獣人が営む屋台へと足を運んでいた。
2人が狼の獣人の屋台の近くへ行くと今日も繁盛している様で何人も人や獣人達が並んでいた。




