83
リンコは逃げずに前へ出てカメメの甲羅より出る尻尾を掴んだ。
「魔族かなんか知らんけど…ヤルっていうなら相手になるよ!!」
「ああああ!!」
巨人達目掛け、リンコは声を挙げながら力一杯、右へ左へカメメを振り回した。
ドゴォオン!ッゴオオン!!
大きな衝突音が何度も響き渡り土埃で周囲は埋め尽くされた。
暫くして土埃が晴れると巨人達の半数以上が白目を剥いて倒れていた。
「まだまだぁ!おおおお!!!」
リンコはカメメを引きずりながら巨人達の元へ走り出した。
その様子を見た巨人達は顔を見合わせると慌て倒れた仲間を担ぎ急いで門の向こうへと戻り出した。
最後の巨人はお辞儀をすると丁寧に門を閉めて帰って行った。
大きな門が閉まると音を立てて地面へと沈んで行った。
テレテッ…テレテッ…テレテッ♬
その音を耳にしたリンコはカメメの尾から手を離しその場にへたり込んだ。
するとリンコに向けて民衆達が走り寄った。
一難去って安心していたリンコは走り寄る民衆に恐怖した。
え…もう嫌だよ…許してよ、私あんた達に何もして無いじゃん…。
「さっきはすいませんでした!」
「ありがとう!ありがとう!」
「ありがとう糞の悪…いや糞の勇者様!」
民衆はリンコの前で立ち止まると口々に謝罪や礼を言った。
次第に声が重なりコールとなった。
「糞勇者!糞勇者!」
オイ何なんだよ糞勇者って!それ悪口だからな!
と、リンコは内心思ったがコールは更に盛り上がりをみせた。
「クーソッ!クーソッ!クーソッ!」
何で大事な『勇者』の方が略されてんだよ!
ハァ…もう何でもいいや…
ってそーいえばダーメオ!…ダーメオは!?
リンコがミスリルトイレの前を見返すとダーメオは民衆に踏まれて泥だらけになっていた。
「ダーメオ!」
リンコは民衆を掻き分けてダーメオの元に走り寄った。
ダーメオは倒れたまま動かなかった。
「ダーメオ!!」
リンコは泣きながらダーメオを抱き起こした。
その時…
グゴォ…グゴォ…
ダーメオはイビキをかいていた。
「…」
リンコはすぐに手を離しダーメオを地面に落とした。
そういえばクッサイは背中に大きな傷を受けてた…大丈夫かな…。
リンコは負傷したクッサイが気になりミスリルトイレの壁の中に入り姿を探すと壁にもたれかかるクッサイにギャルルがもたれ掛かっていた。




