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「クソブスオンナを魔族に差し出せ!」

「そうだ!放り出せ!」


リンコを指差して壁の外へと追いやろうとする民衆の前にビール片手にダーメオが立ち塞がった。


「アンタらさぁ…他人ん家上がりこんどいて…自分は何もしないくせに八つ当たりすんなよ?」


ダーメオに男が他に解決策が有るのかと問いた。

「だったらアンタ今出来る事言ってみろよ!?」


ダーメオはビールを煽りながらヘラヘラと酒を勧めた。

「…今か?どーせ死ぬならビールでも飲もうぜ?」


ゴッ…

ダーメオは殴られ壁の外へと倒れ出た。

リンコも民衆の圧で外へと追いやられた。


その間にも巨人達はみるみる近づいて来ていた。


「何で…何でこんな事に…」


なす手が無いリンコは民衆の心無い言葉と死への恐怖で絶望感に打ちひしがれ膝から崩れ落ちた。


「リンコ、とりあえず逃げろ逃げた先が危険ならまた逃げろ、ちょっとだけ…時間稼ぐから」

ダーメオはそんなリンコの肩に手を置くといつもの様にヘラヘラと笑った。


「え?」


ダーメオは珍しく照れながら話した。

「たぶん逃げると追ってくるだろ…俺残るわ、何つーか、弱者を助けるお前の心こそこの世界に必要なんじゃねーか?みたいな…」


ダーメオはビールを一口飲んで付け足した。

「何て言うんだその…死んで欲しくないから」


リンコは久しく聞くことの無かった思いやりのある言葉に涙が溢れた。


「ダーメオこそ逃げてよ!」

リンコはそう口にするとダーメオの腕を引っ張った。


ヒュッ…ビタン!!

ダーメオは車にでも撥ねられたかの様に吹っ飛びミスリルトイレに激突した。


あ、命を運ぶ者起動したままだった!


「ゴメン!このスキル生き物、全部重さゼロで動かせちゃうから…ってダーメオ生きてる?」


ダーメオは地面に倒れたまま手を上げてリンコに安否を知らせた。

「おー…生きてる〜、一瞬死んだと思ったけど〜」


良かった…いや良く無いかゴメン!


…でもおかげで目が覚めた!

このユニークスキル『命を運ぶ者』は生き物全てを重さに関係無く『動かせる』。

…だったら!


リンコは静かにポケットから先日コクマ達から受け取った木の皮を取り出した。


リンコは木の皮を丸めると振りながら口を開いた。

「えっとたしか…超必殺技みせてあげようか?見たい?」


そう口にした時、巨人はリンコに向け大きな手を伸ばして来た。


同時にリンコの前方の巨人達が巨大な影で覆われた。


その刹那…


ドォオン!!


土煙をあげて体長50メートルを超す巨大な亀が上空から降って来た。


当然、巨人は地面にめり込み動かなくなっていた。


残る巨人達は足を止め様子を伺っていた。


…巨大な亀、神獣ことカメメが欠伸をしてゆっくりと手足を甲羅に戻した。


直後、巨人達はリンコへと一斉に襲い掛かった。

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