74勤目
リンコは意識をトイレで囲われた外へと向けた。
「ゲリラゴン!」
ゲリラゴンを受けた兵達はトイレから転落して皆腹を抑えていた。
更にはこれ以上無い便意から壁代わりとなったトイレの取り合い、パニックとなった。
「うおっ…腹が…どけ!俺が先だ!」
「お前がどけ!こう言う時は上官が先だろ!」
「トイレに上官もクソもあるか!」
次第に争いに勝った兵がトイレに入り用を足す。
「はぁ〜…助かった…ん?」
兵士の男はトイレの中に取り付けられたホルダーに手を伸ばした。
そこで自身の身に起きている恐ろしい事態にやっと気がついた。
か…か…紙が無い!
そこへクッサイの猛々しい声が響く
「貴様ら!紙が欲しくば武器を捨てて投降せよ!」
トイレに入った兵達は皆、ドアを少しだけ開き隙間から剣や槍を出すと、それらをモーモや獣人達がバリケードに上りトイレの上から釣り糸を垂らして引き上げて回収すると代わりにトイレットペーパーを下ろした。
更に兎の獣人ウィルの追撃の声かけが兵達を慌てさせた。
「紙には限りがあるからね!遅い人は紙ヤスリだから!」
「オ、オイ!武器を渡す!俺には紙をくれ!」
「俺もだ!」「俺の方が早くから武器を出してるぞ!」
たちまちグランニッカの兵達は武器を失い無力化していった。
暫くして半数以上が武器を失った頃兵達は戦意を失い帰って行った。
一日中動き回ったリンコ達は疲弊して座り込んでいた。
リンコは座り込んだまま皆への謝罪と礼を口にした。
「皆んな、アタシのワガママに付き合わせてゴメン…それから信じてくれてありがとう!」
クッサイは表情を変えずにさも当然の様に応えた。
「何言ってんだリンコ?俺らはお前を信用して皆んなここに居る、それに俺はお袋の事もあるから当然だ、むしろコレからも頼むぜ?」
更にモーモとウィルも笑顔で続けた。
「俺達も宜しくな!」
「僕も!」
その後、ダーメオか木箱いっぱいのビールと共にリンコの前へと現れた。
「皆んな!こんな時は!…」
そこまで言ってダーメオはリンコの顔を見た。
リンコは胸を撫で下ろし、微笑むと口を開いた。
確かにこんな時は『ソレ』かも…
「ダーメオの言う通り!祝杯をあげよ!」
「オッケ!乾杯!」
皆でダーメオの持ち出したビールで祝杯をあげた。




