68勤目
アータは必死に声を挙げ続けたが続ければ続ける程人々は離れて行った。
「クソ…どうすればいいんだ…」
途方に暮れるアータを他所に倉庫前にて突如として中年男性率いる白と黒の馬の獣人が現れた。
というか…先日アイドル活動を始めたリピッツ達であった。
「こんにちはゼブラです!」
「それでは聞いてください新曲…『蟹腹一杯食べてみたい』」
………
…
リピッツ達がライブを終えて去った後に主婦達は日常生活の話を口にした。
「あーあ…リピッツ様もう行っちゃった…家に帰って炊事と掃除しなきゃ」
「ハァ、ウチの人すぐにテーブル汚すのよ〜、何か使い捨ての布巾とか有ったら良いのにね〜」
その言葉を耳にしたアータは次に使い捨て布巾とキッチンペーパーを開発…その後リピッツ達のオーナーと商談してパッケージに貼り出すと、主婦層からの多大な支持を得てアータの商品は飛ぶ様に売れた。
アータは苦節を乗り越えて商売が軌道に乗った事を心より喜んでいた。
いやぁ商売繁盛!人の役にも立てて愉快だ!
でも何か…何か忘れている気がするな…
ま、いーか!
アータ・マワールイは既に何の為にオムツを作ったのかを完全に忘れていた。
一方でリンコ達は荷馬車に乗り神獣の森へ向けて荷馬車に乗り出発していた。
荒野を走り抜け、草原を抜けた頃に50メートルはあろう大きな岩を囲む様に木々が生い茂る森が見えてきた。
モーモは頭を屈め目線を上げて呟いた。
「見えて来たな…」




