67勤目
そこへダーメオが自身の口元を手で押さえて近寄って来た。
リンコは背を向けたまま手を上げ挨拶をした。
「あ、おはようダーメオ」
ダーメオはリンコ達の会話を聞いていた様だった。
「今チラッと聞こえたけど森に行くって?神獣の森までは距離もある、荷馬車で行った方がいいぞ?」
リンコはダーメオの進言をすぐに受け入れた。
「うん、お願いする!」
ダーメオは念を押す。
「プッ、フフ…無理強いはしないぜ?」
リンコは不思議そうに再度意思を伝えた。
「え?だからお願いするって?」
ニヤけるダーメオは含みを持たせて話した。
「プフッ…アレ?もしかしてわかってない?」
ダーメオは神獣の森に『無理』という言葉をかけてしょうもない事を考えた様だった。
リンコは首を傾げて拳を握りダーメオに真顔で話した。
「言っとくけど…くだらない上に不謹慎な事言ったらグーでいくよ?」
モーモは溜め息混じりに目的を先行させた。
「リンコ…相手にするだけ無駄だ早く行こう…」
結果、木材を載せる荷馬車の事も考えてトバッチーリにも協力を要請して荷馬車2台で向かう事となった。
同じ頃、打倒リンコに燃えるアータ・マワールイは不動産屋より空き倉庫を借り、下着を加工する機材を買い集めた。
倉庫内で下着の形を作り縫い合わせるも上手くいかず何度も買い直す内に納得のいく品になる前に金がつきた。
クソッ!あとちょっとでリンコを倒せるというのに!
何か、何か金になる物は…
アータの目は大剣に止まった。
ダメだ…この剣だけは…いや!下着にはかえられん!
アータ・マワールイは自身の命の次に大事な大剣をも売却したのだった。
しかし、大金を叩いた甲斐も有り、アータの思い描いた下着が完成した。
フッ…ハーッハッハッ!!完成したぞ!
その名もOver movement wear略して『オーム』の改良作『オーム2』だ!
キュルルル…
その時アータの腹の虫が鳴いた。
腹が減ったな…そういえばもう丸一日以上何も口にしていない…
アータ・マワールイは達成感と共に空腹な事に気がつき街で食事をしようと思い貨幣の袋に手を回すと金が無いことに気がついた。
どうする…戦って稼ごうにも剣は無い…
有るのはこの『オーム2』だけだ…
ん?…そうか!
アータは日銭を稼ぐ為に倉庫前にてオーム2の販売を始めた。
「いらっしゃい!糞尿が漏れても問題無い下着だよ〜」
アータの方を怪訝な表情で見る者はいたが近寄ろうとする者は誰1人居なかった。




