66勤目
彼が店に入ると店主らしき強面なスキンヘッドの男が声をかけた。
「何が欲しい?」
「何が有る?」
アータは問いに問いを返した。
店主の男はニヤリと笑い口を開いた。
「ウチは何でも有るぜ?…言ってみな」
「では糞尿が漏れても問題無い下着をくれ」
アータも店主の自身ありげな顔に期待を膨らませ要望を口にした。
「何ソレ…なぞなぞ?」
店主の余裕の笑みは一瞬にして消え去った。
「あー…すまない、糞尿を吸収して外に出さない下着をくれとの意味だ」
アータは先程の下着屋での会話と同様に自身の言葉を言い換えた。
「アンタの欲しがる下着は無いが…この紙とこの紙を組み合わせりゃ出来るかもな」
店主は徐に屈むとカウンターの下から分厚い紙を円柱状に包めた物を2つ取り出した。
「そうか、ならばソレをくれ」
アータは店主に金を払う為腰に巻きつけた貨幣の入る巾着袋を出そうとマントを翻し、アータの半裸が露わになった。
「わかった、なぁアンタ…一つ、いや二つ聞いても良いか?」
店主はアータに返事してから続けた。
「ん?何だ?」
店主はアータに眉間に皺を寄せて質問した。
「何でマントの下…下着なんだ?それからアンタ…結局何がしたいんだ?」
アータは良くぞ聞いてくれたとばかりに口を開いた。
「フッ…ハーッハッハッ!コレを用いて…」
「いや、やっぱいいわ…」
店主はアータを遮り答えは不要だと言い店の奥へと去って行った。
アータ・マワールイはその2つを組み合わせて下痢対策の下着を製作する事としたのだった。
同じ頃、老獣人達が暮らすボロ屋は相変わらず平和な時間が流れていた。
「ふぁ〜…良く寝た!」
リンコは身体を起こし両腕を上げて1人目覚めた。
早朝から別段予定も無かったリンコはクッサイ、モーモと先日話していた神獣の森へと木材を得る為に入る事とした。




