62勤目
アータ・マワールイの目からは涙がこぼれ落ちそうであった。
モーモはリンコの容赦無い攻めを目にしてアータ・マワールイが気の毒になり庇った。
「リンコ、もう泣いてるって!やめてやってくれ!」
リンコはモーモの言葉で追い込みをやめ、アータ・マワールイに最後に圧をかけ帰した。
「モーモさんがそう言うなら…アンタ!?次来たらもうこんなもんじゃ済まないからね!?」
アータ・マワールイはお辞儀をすると下を向き小さな声で謝罪しながら下着姿のまま剣を持ち去って行った。
「すいません…もう2度と来ません…」
それから暫くしてトバッチーリが設置した風呂が湯で満たされた頃、風呂を布で囲うとリンコは念願の入浴を果たした。
「はぁ〜…」
湯に浸かったリンコはリラックスしながら考えた。
何だろ…お風呂も有ってご飯も食べれて…仕事押し付けられる事も無く生きられる…
天国だなぁ〜…もうこれ以上何も要らないかも…
普段何の役にも立た無いって思ってたダーメオにも良いところはあるんだなぁ。
…そろそろ上がろ…ダーメオにもお礼言わなきゃだな…
湯を浴びて髪を洗い流したリンコは服を着ると建物へと戻り改めて皆に礼を言った。
「今日は皆んなありがとう!」
皆がリンコの感謝に照れている中、ダーメオはリンコにビールを手渡した。
「リンコ、湯上がりにはコレだろ?」
「ありがとう…って、すっごく冷えてる!」
リンコの疑問にダーメオでは無くトバッチーリが答えた。
「ダーメオはね飲食物を冷やすスキル『ボンクーラー』を持ってるんだ」
ダーメオは得意げな顔を見せた。
「へへっスゲーだろ?」
リンコは感心しながらも異世界へ来て初めてのお酒を口にした。
「ぷっは〜…凄いね!でも、こんなスキルあるなら行商じゃ無くて飲食店でもした方が儲かったんじゃ無い?」
その場に居た全員何も言わなかったが内心同じ言葉を頭に浮かべた。
…確かに…




