51勤目
「その角から左目にかけた傷…クッサイ、お前なのかい!?」
寝たきりのサイの獣人、サイトーは動かぬ身体に鞭を打ち精一杯身体を起こした。
クッサイは震える声でサイトーへと返事をした。
「お、お袋!?…こんな…また、また会えるなんて…」
クッサイは幼き頃に父親を亡くし、母親と2人暮らしていたが、15年前家が戦火を浴びて避難する途中に母親と逸れ今まで生きてきた、母親の事はもう死んでいると思っていた。
サイトーは感激し、神に感謝した。
「ああっ…クッサイ良く生きて…あれからお前の事を思わぬ日は一度も無かった…神様、感謝いたします」
クッサイはリンコに感謝した。
「アンタ…俺のお袋の面倒をみてくれてたんだな…本当に…本当にありがとう…」
ハッキリと感謝されると何か照れるな…
「いや、ここ来てからそんな経たないし…」
サイトーがクッサイにリンコの事を説明した。
「クッサイ、この子はね他の獣人の年寄りの部屋も毎日掃除してくれるしね、それにここの野菜も皆んな彼女が作ってくれてるんだよ?」
「ありがとう…そうだ、俺にここの手伝いをさせてくれないか?…雑用でも何でもする」
クッサイはリンコに頭を下げて仕事を手伝いたいと願い出た。
断る理由も無いリンコは素直に喜んだ。
「え?いいの!?」
そこへまた新たな来訪者が金属の音と馬の足音と共に近寄って来た。




