43勤目
「ユニークスキル?女神の加護以外でスキル有ったんだ?」
…使ってみよーかな?いや、ちょっと待って『ドチャクーソドロ』の経験もあるから、ここは一旦聞いてみよ。
「『命を運ぶ者』のスキルは何が出来るの?」
『『生きている者』を運ぶ際対象の荷重をゼロにします』
と、リンコの脳内に直接返答が届いた。
「マジ?向こうにいる時欲しかったよ…『命を運ぶ者』使います!」
リンコは過去の苦労を思い返しボヤいてからナレートへと返事をした。
しかし、当然ながらサイトーの目にはリンコが訳の分からない独り言を続ける様にしか映らなかった。
「何を1人でぶつぶつ言ってんだい!もう用が無いなら出てお行き!」
サイトーは眉間にシワを寄せて不快感を露わにした。
その時、再びリンコの脳内にナレートが聞こえた。
『ユニークスキル『命を運ぶ者』を起動します。』
ブゥウン
リンコはサイトーの下に手を差し込むとゆっくり立ち上がった。
「よいしょっ、と…」
「ちょ…ちょっと?嘘でしょ?」
サイトーはリンコに軽々と持ち上げられ驚いていた。
リンコはドアに引っ掛かりそうなサイトーを何とか外へ出す事に成功した。
「サイトーさん、日光浴しに行こ?」
リンコはサイトーをボロ屋の外まで運び出すとボロ屋の壁にもたれ掛けさせた。
「サイトーさん、外気持ち良いでしょ?」
「いつぶりかねぇ…陽の光を浴びるのは、ありがとう…」
サイトーは先程迄眉間にあったシワが解け、穏やかな表情で話した。
「んーん、良かった…じゃ私は中の掃除続けてるから、何かあったら呼んでね?」
リンコはサイトーから離れ掃除を再開する事にした。
暫くして掃除を終え、サイトーを部屋に戻し建物の外に出たリンコは背後に近寄る金属の音に気がつき振り向いた。




