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33勤目

…何か上手くいったみたいね。

「約束だよ、暫く手伝ってくれれば解放するから…」


リンコはせめて丁寧にお願いしようとしたが盗賊達は限界の様だった。

「わかったから…うぉお!…早く解いてくれ!」


「待て!お前らせめて条件を先に…ああっ!!」

その時サイの獣人が一線を超えてしまった。


獣人達はサイの獣人を案ずる言葉を口々に漏らした。

「そ、そんな…クッサイのアニキ、もしかして…」

「いや、アニキに限ってそんな…」


サイの獣人は静かに立ち上がると彼を慕う獣人達に背を向けた。

「皆まで言うな…俺はもう終わりだ…お前らは好きなところへ行け…」


サイの獣人は遠くを見る目で別れの言葉と便臭を残して立ち去った。


獣人達はその背を見て鼻を押えて静まり返っていた。

「クッサイのアニキ…」


リンコは小さく唱えた。

「ベンピズン…」


残る盗賊達は下痢との激しい戦いでの疲弊とボスを失った事で暫く立ち上がる事もしなかった。


リンコは盗賊達を他所に歩いて来た道のりに続く水路を川へと繋げた。


「よし出来た!これで…あれ?」


しかし、リンコの予想に反して水路に水はさほど流れて行かなかった。

リンコは不思議そうに川を覗き込んだ。


何かまちがってるのかな?


その時リンコの背後より獣人の声が聞こえた。


「アンタ…甘いな」


リンコが振り向くと盗賊の中の1人、牛の獣人が立っていた。


ヤバ!油断した…殺される!!


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