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22勤目
ここの住人達…獣人達は何でこんな荒廃した土地にわざわざ居るんだろ?
リンコが周囲をもう一度見渡すと先程は気が付かなかったがどの獣人も活力が無く背中が丸く…どの獣人も見るからに老齢だった。
リンコは自身の記憶とその光景を結び合わせる。
私はこの光景を知っている…
そこは老齢の者が集まり残りの余生を過ごす場
ただリンコの立つここはリンコの知る『そこ』とは違った。
此処は原始の介護施設…いや意味合いはむしろその逆、おそらくここはいわば獣人達の姥捨山だ…
あれだけ繁栄してる国もあるのに…
何で…?
リンコはその建物が何かを理解した頃に1人の兎耳をした老齢の女性が紙袋を手にそこへ現れた。
「お嬢さん…すまなかったね、コレは勿論お返しします。あの子の罪は…役に立たぬこの老耄の命で…どうか…」
リンコは怒っていたとはいえ命に関わる様な話では無かった為戸惑った。
「え?いやいやそんな…」
兎耳の老婆は1人続けた。
「ただあの子は何も知らんと育ったもので…どうかあの子は許して貰えないでしょうか?」
リンコは焦って怒りを忘れた。
「別に…私は返して貰えたらそれで」
そこへ先程リンコの鳥串を盗んだ兎耳の少年が走って来た。
「婆ちゃん!何で返してんの!?」
兎耳の少年は白髪の髪に赤い目に雪の様な白い肌をしていた。




