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21勤目
リンコは泥に足を取られながらも何とか自身の足止めスキルから這い出た。
兎耳の少年は100M程離れた所にあった修復跡の目立つ大きな建物の前で立ち止まり周りを見渡した。
リンコは近くにあった崩れた廃屋の屋根に身を潜めた。
リンコは兎耳の少年がその建物へと入る事を確認してから歩きそこへ近寄った。
…絶対に許さないんだから!
リンコは兎耳の少年が入った建物に辿り着くと建物のドアを見つけゆっくりと開いた。
中には様々な獣人達が住んで居た。
獣人の内1人、狸の様な獣人がリンコに気がついた。
「だ、誰かね?」
リンコは鳥串を盗られた事よりも泥まみれになった自身のスキルへの怒りで語気が強まった。
「先程…『鳥串』を盗まれた者です!ここに兎耳の少年は居ませんか!?」
リンコはそこまで口にして違和感を感じた。
ここの住人達…獣人達は何でこんな荒廃した土地にわざわざ居るんだろ?
リンコが周囲をもう一度見渡すと先程は気が付かなかったがどの獣人も活力が無く背中が丸く…どの獣人も見るからに老齢だった。




