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15勤目
…これからどうしよう?家も無い…お金も無い
辛うじて言葉は通じるみたいだけど…
町外れまで歩けば何処かに廃屋か何かあるかもしれない…
あー…お腹すいた。
先程の狼の獣人の言葉が頭に浮かぶ
『はい、温かい内に食べて下さいね!』
リンコは徐に歩きながら串を頬張った。
串焼きは焼き鳥というよりは鰻や穴子の様な食感に近かった、甘いタレが絡みとても美味しかった。
「美味しい…」
次はいつ食べ物にあり付けるんだろ…
そんな思いからリンコは残りを明日へ取っておく事とした。
半分は明日の為にとっておこ…
それからもリンコは歩き続け、辺りは人気が無くなり荒廃した景色に様変わりした。
あーもう…これ以上今日は足動かないよ…
そこで数軒の廃屋を目にした。
リンコはその廃屋の一軒で夜を明かす事を決めた。
今日はここで一晩過ごそうか…
床も無いし…壁も穴だらけだけど、贅沢は言ってられないしな…
壁にもたれ掛かり座り込んだリンコは土を掴み上げハッとした。
そうだ、荒れた土地だけどこの種…狼さんがカボチャの種って言ってたっけ?
ここに植えてみよう!