13勤目
城の外へ出たリンコは中世のヨーロッパの様な街並みに獣人や初めて目にする荷馬車を引く※輓獣、露店で売られる見た事もない物を目にしたリンコはテンションが上がった。
※輓獣…荷物を引く馬や牛等の獣
朝食を口にしてから何にも口にしていなかったリンコは露店に並ぶ焼き鳥の様な物の匂いにつられてそこに足を運んだ。
露店の作りはくたびれた木で作られたお粗末な物だった。
そこへ先に並んでいた猪の獣人の親子が居た為、リンコはその後に並んだ。
焼き鳥屋の様な露店の主人は狼の獣人で怖い顔とは裏腹に明るく親切な接客だった。
「毎度!鳥串20本で銀貨2枚になります!」
猪の獣人の子供は嬉しそうに紙袋を手にし、親の方は金銭を支払っていた。
「可愛い坊やに2本サービス入れときましたんで!またごひいきに!」
獣人の親子は満足げに去った。
「お!また来るよ!」
狼の獣人はリンコを目にして同様に商いを続けた。
「毎度!お姉さん変わった服だね!で何に致しましょう!?」
リンコはよだれを垂らしそうになるのを堪えて口を開いた。
「私も前の人と同じ鳥串で!」
「毎度!銀貨2枚です!」
そこで巾着袋の中を見ると貨幣が入っていると思っていた渡された袋を開くと植物の種と石しかなかった。
袋の中を覗いた狼の獣人が呟いた。
「ソイツは…お金じゃ無くてカボチャの種だなぁ」