11勤目
槍を構える兵士達、術者、王までもが腹を押さえてかがみ込んだ。
その光景はまるで驕れる王とその兵がリンコという女神に平伏すかの様な美しい…。
…物ではなかった。
ただただ、男達が冷や汗を流し下痢を漏らさぬ様に耐える絵面、それはそれは見るに耐えない光景だった。
効き目スッゴ…
てか、なんかネーミングも攻撃魔法意識してない!?
いや、そんな事より、これ治ったら真っ先に私を殺しに来るよね…
あーもう!どうしたら良いの!
生命の危機に頭を抱えるリンコの頭上より麗しい女性の声が聞こえた。
「あら、良い様です事…神であるこの妾を侮蔑したクソど…者共よ、この者に金銭を与え、ここから解放すると約束なさい」
リンコが目を移すとそこには黒く美しい髪を靡かせ白き衣を帯びた見目麗しい女神が微笑み、霞む様に存在した。
「分かりました!…女神様…ふぉお!ですからどうかこの下痢を…」
王は身震いをして下痢の衝動に耐えて話した。
女神はリンコへ目を移すと微笑み呟いた。
「貴女…確か名をリンコと言いましたね、ベンピズンを唱えてあげなさい…」
「はい!えっと…ベンピズン!」
リンコは女神に従い唱えた。
ブゥウン!
「な、治った!」
「もう…ダメかと思ったぜ」
「お、恐ろしい…」
兵達は槍を手に思いを口々にして立ち上がり後退った。