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2話 初恋と再会

ジン、シェリー、ウォッカ、甘い種類のものであればアマレット。多様な酒精を欲望のままに煽り酩酊に浸っていると、明るく賑やかな昼間の町はずれから騒々しい人の声が届いてきた。俺はアルコールで浮腫んだ瞼を懸命に開けると、野次馬の精神のままそっと窓の外を覗いた。

「なんだ騒がしいな」

「何かあったんでしょうか」

 俺様の至福の時間を邪魔するとは何たることだ。状況を観察したところ、斜向はすむかいの八百屋の主人が何やら憤然と声をあげていた。怒りの対象は、店の手伝いをしていたのであろう小さな獣人の女の子。

―奴隷か。

考えるまでもなく、俺には眼前の光景がすんなりと理解できた。

 生まれた時から当たり前のように取り入れられていた奴隷制度。

 幼いころは反発する心もあったが今ではもう日常の一部として浸透しているし、それどころかこの大国の経済は奴隷がいなければ回らない。倫理的に不味いだろうという声も勿論あったが、時代が経つにつれその声もだんだんと薄れていった。奴隷に対して振るわれる理不尽な暴力や奴隷を利用しての悪質な犯罪行為は国の問題として随分前から取り上げられているが、有効な改善策は一向に実施されぬまま。

が、女性に対して暴力はいけない。

「ちょっと行ってくる。シスター」

「マスターです」

 酒臭い息を吐きながら店の扉を開け、むんと胸を張る。

「おい、そこの―」

「その少女から今すぐ離れていただけませんか」

一秒でも早く獣人の娘を救い出そうと口を開くと、俺が最初の一文字を言うか言わないかのタイミングで背後から澄んだ別の女性の声が聞こえてきた。

「……えっ」

状況を正しく把握しようと努めている俺を他所に、その女性の指摘に反応した髯の中年男性がおどろおどろしく振り返る。充血した白目部分から、彼の精神の興奮状態を察せられた。薬物に依存してる人間特有の黄ばんだ皮膚が見るに苦しい。

「なんだてめえ。外野が口出すんじゃねえ!」

「ならば外野の目に触れる場所での醜行をやめていただけませんか。奴隷への過度な暴力は法律違反です。警察が到着するまでぜひ私とお話をしましょう」

遠回しに伝えられた「通報済み」の事実を、商人がどのように受け取ったのかは分からない。粛々とした声の正体が気になった俺は、野次馬の隙間を抜きその全貌を捉えた。

同時、世にも鮮やかな鮮血が鼻から口を伝いポタポタと地面へしたたり落ちる。「恋は雷だ」と。数十年前の昼下がり国王から教えられた箴言が走馬灯のよう脳裏を駆けた。

これを運命と言わずして。

 俺の意識を一瞬で虜にしたのは、王国では見かけたことのない長い白髪と紅い瞳が印象的な美しい少女だった。

 ーび、美人だ!

 いつの間にか多量に出ていた鼻血を慌てて袖で拭う。そうこの日、俺は人生で初めて感情を大きく揺さぶられるような恋をした。

「うるせえ!このガキが奴隷のくせして鈍間のろまなのがいけねえんだ!折角雇ってやってるっていうのによお」

「この国では奴隷への暴力も法律で禁じられている筈ですが」

「暴力じゃねえよ。躾だ」

「それを判断するのはあなたではありません」

「なんだてめぇ、消えろよ。善人面が一番嫌いなんだ、殺してや―」

 白髪美少女に手を上げようとした瞬間、店主の口角が醜く吊り上がった。

「・・・ハハッ。その刻印。お前も奴隷なんじゃねえか。おい、さっさと主人を出せ。躾の不行き届きだ。俺が一から叩き直して―」

「そこまでだ」

良くない空気が流れ始めたことに気づき、慌てて気を取り直し声を出した。瞬間、周囲がざわつく。

意味深に靴音を立て騒ぎの中心へ近づけば、先ほどまで迷惑そうに傍観していた町人たちが「勇者様」と目を輝かせながら道を開けてくれた。

「勇者だあ!?ここは王国でも町はずれの場所だぞ!こんな場所に居る訳がないだろうが!」

 居るんだなそれが。週6で来てるんだな。

 件の男の前に仁王立ち、意味深に周囲を見渡す。伝説の英雄の威厳を大いに意識した佇まいはもはやお手の物だ。怜悧な眼差しで状況把握を試みる俺の様子を見てようやく本人だと気づいたのか、店主は全身の血の気をサッと引かせた。

「本、物……ッ」

「途中からではあるが会話は聞いていた。情状酌量の余地はない」

「ゆ、勇者様、違うのです!この奴隷が先にちょっかいを出してきたのであって―」

「先のやり取りを俺は聞いていたと言った。主人、あなたの言動の是非は俺でもなくそこの女性でもなく然るべき法律が判断してくれる。事実に基づいて」

 ごみを見るような目で素行の悪い人間を見下すこともまた俺の得意分野である。本来対魔物用に練習した強面を披露したので、俺の渾身の威嚇を真正面から受けた商人は情けない悲鳴と共にその場に尻餅をついた。

「ひぃ!」

 だっせ。ぷくくッ。それにしてもビビり過ぎだこの店主。失禁しかけている店主を不審に思い改めて自分の姿を確認してみると、驚いたことに全身血まみれだった。これはもしかしなくても初恋の衝撃と共に垂れた鼻血が俺の恐ろしさに拍車をかけている。

ーしまった。

これは怖い。血塗れの男にこんな恐喝紛いの言葉を吐かれたら誰でも震え上がるだろう。ましてや俺は勇者だ。そしてそれ以上に、鼻血で血まみれとか俺様の中の勇者の理想像には微塵も当てはまらん。普通に恥ずかいし鼻血だと悟られるわけにはいかない。

「お、俺は今魔物を狩ってきたばかりで気が立っているんだ。素直に従ってくれ。そうでなければ何をするか分からない」

「えぇ、えぇ!!従いますとも。い、命だけはお助けを!」

からくり人形のように滑稽に平伏す男の後頭部を一睨みしたあと、俺は踵を返し白髪の女性を探した。

この奇跡の出会いを無下にするわけにはいかない。まず第一印象では合格点を出せただろう。引き続き獣人の少女の介抱をこなすことで点数を引き上げるんだ。全てが解決したあと、俺はこの女性にプロポーズをする……!!

「大丈夫か」

「うぁ、うん」

地面に膝をつき負傷の少女へ声を掛けると、獣人の子は掠れそうな声とともに頷いた。バラバラに切り刻まれた不規則な茶髪が、砂埃に汚れ軋んでいる。八百屋の男が普段からこの少女を酷い虐待の下扱っていることはこの事実だけで明らかだった。

俺は無詠唱の回復魔法を少女へ使いながら、古痣の多さに眉を顰めた。回復魔法により幾分か痛みの和らいだ獣人の少女が申し訳なさげに開口した。

「ぁ、わ、わたしが……、ぅ、わるいの。ご主人さまを連れて行かないで、お、おねがい。わ、ぁ、たし、変な喋りかただから、き―、きつおん、だから、ぜ、全部、わたしがわるい」

「吃音なのか。俺は変だとは思わないが……。変だって言われたのか?」

「う、ん」

「俺の知り合いにも一人吃音がいるが、慣れれば全然気にならないぞ。変だって言う奴は慣れてないか、変だって言いたいだけのやつだ」

「……ほ、ほんと?」

「本当だ」

少女の乾いた唇がきゅっと結ばれた。俺の回復魔法は傷も治るし疲労も取れるしもやは医者いらずな側面がある。俺に治せない負傷があれば町医者を呼ぼうかと思ったが、外傷のみで良かった。警察さえ到着すればあとは勝手に解決するだろう。

―そんなことより。

少女との会話を重ねながらも、俺はずっと背後の美人へ気を取られていた。傷も治った。警察にも通報済み。こんなのもうほとんど解決したようなものである。俺はもう今すぐにでも彼女を食事に誘ってしまいたかった。

「そこの白髪の―、君。ありがとう。君が迅速に警察を呼んでくれたので、拗れず解決できた」

「!!いえ、私は何も―」

「名前を聞かせてくれないか。お礼がしたい」

 洗練された所作と落ち着いた声。極めつけの完璧な容姿。

 本当は今すぐにでも求婚したいところなのだが、モテる俺は女性のツボを心得ているのだ。

自分がどれだけイケメン完璧超人だとしても、欲を前面に出してはいけない。

 ーー完璧だ。

 今の流れでこの女性は完全に俺に惚れただろう。つまりは両思い。次に彼女が言葉を発するとしたらそれは間違いなく愛の告白だ。奴隷と勇者、身分違いの恋だとしてもそんなものは俺達の未来において何のしがらみにもならない。むしろ興奮する。

ただ、女性から告白をさせるのもいかがなものだろうか。俺は今までに告白された経験はあっても告白をしたことがない。世間一般のプロポーズは基本的に男性からした方が喜ばれるといつかの冒険中忌々しい魔導士から教わった。それなら、今この場で愛の告白を待つよりも、ふさわしいムードをつくってから―……

「おいルシア!宿を出るときは一声かけろって言っただろ」

 身だしなみを整えていると同時、聞き覚えのある声が耳に届き栗肌立つ。

「……ん?」

 ーーいやいや、勘違いだ。流石にこのタイミングは有り得ないだろ。少し声が似ているくらいでなんだ。情けない。どうせ声帯だけあいつに酷似したそこらへんの民間人だろう。

ただ悲しいかな。勇者として長年強力な魔物と命のやり取りを重ねてきた俺は、常人に比べてはるかに感覚が研ぎ澄まされ、いわば第6感がよく働くようになっていた。

何が言いたいのかというと、俺の直感は9割5分で的中するのだ。

〝そんな筈はない〟〝信じられない〟〝無理〟と思いながらも、俺の無意識は顕在意識よりも遥かに迅速に、正確に、現実を理解してしまっていた。

「なにかトラブルがあったのか?」

「いえ。あのお方が仲裁に入ってくださったのです」

「―ああ、そうみたいだな」

 冗談じゃない。俺は声の主に背中を向け、物理的な現実逃避を試みた。自分の視界に入っていなければ相手の視界にも入らないだろうと思っての試みだったが、そんな馬鹿なことがある筈もない。

俺よりも早くに俺の存在に気づいていたらしい件の人物―かつての勇者パーティーの仲間トオル・ヤブキは、頑なに目を合わせない俺の反抗に気づいてか、ため息交じりに声を掛けてきた。

「元気だったか」

最悪だ。本当の本当に最悪だ。100歩譲って6年ぶりの再会は許す。俺も大人なので、どれだけ会いたくなかったとしても偽りの笑顔で祝杯を挙げることくらい造作ない。

何が許せないかって、まずはこのタイミングだ。俺が将来のお嫁さんと距離を縮め本日中に婚約へ持ち込もうと思っていた矢先のタイミング。こちらは男に時間を割いている暇などないのにだ。

そしてそれ以上に、トオルが件の美人と顔見知りであるという事実が受け入れられなかった。もう嫌いである。さっきまではそこまで嫌いではなかったのに、この世の誰よりも嫌いである。

「おう、そっちこそ……あんまり変わってないな」

トオルの名前をどうしても呼びたくなかった俺は視線すら合わせず言葉を返した。

当の本人はというと、俺の怒り恨みを知ってか知らずか懐かしそうな口吻で腰に差された聖剣をみた。

「お前、まだ魔物と戦ってるのか?」

「勇者だからな。お前こそ何年ぶりの帰国だ」

「6年ぶり?」

「……国王、泣いて喜ぶだろうな」

「そうだといいけど」

俺は今すぐにでも叫び出したかった。こんな会話をしている場合じゃない。

俺は今日運命の出会いを果たしたんだよ。将来のお嫁さんと出会ったというのに、こんな何の悩みも苦しみも抱えてなさそうな幸せデコピン魔導士なんかに時間を割いていられない。そうは思いつつも、元勇者パーティーの再会を感動しながら見守っている民衆の視線を無視できず、俺は続けたくもない会話をなんとか広げた。

「どこに行っていたんだ。ずっと探していたんだぞ」

 目に涙をため、絞り出すように声を出す。この涙は再開の感動というより白髪美人に話しかけるタイミングを完全に失ったことへの涙だったのだが、勿論のこと周囲には誰一人としてそれに気づく者はいなかった。

「ああ、ちょっとな」

 トオルは所在なさげに目を伏せた。

「魔神王討伐、おめでとう。・・・ちゃんと言ってなかった」

「何を言っている、お前も一緒に倒したようなものじゃないか」

 前向きに考えよう。これはあの白髪美少女に“格好良い勇者”を魅せるチャンスだ。何たって俺には実績と容姿がある。その可能性は限りなくゼロに近いが、もしこの目の前の魔導士が俺より強かったとしてそれが何だというのだ。そんなことは今の平和な世の中に於いて何の関係も無い。

「―6年前の約束、覚えてるか。トオル」

 内心全力で拒絶しながらも我先われさきにと話題をけしかけた。

 〝世界に平和が訪れたら、今度こそ一緒にお前が元の世界に戻る方法を探すんだ〟

そう、俺は一度した約束は絶対に忘れない完璧な勇者なのだ。こんな幸せな日々を送っているというのに野郎のために異世界に戻る方法を探しに行くなんて本来まっぴら御免だ。正直あんな約束反故にしたいのだが、あいつがそれを覚えていた時の可能性を無下には出来ない。どんな時間と労力を費やすことになろうとも己の体裁だけは守り抜く。それこそ完璧勇者が完璧たり得る所以なのだ。

「ああ。勿論」

トオルはさも当たり前のように頷き口角を上げた。俺はそんな元仲間の反応を見て、自ら過去の発言を掘り返した先ほどの自分を褒めたたえた。

 ―先に言っといてよかった!!

トオルが言及した後に言ったら俺が合わせて頷いただけみたいな感じになるからな。本当は覚えてたのにこいつが先に言ったら約束忘れてたやつだと思われるかもしれない。

俺は莞爾として微笑むと、青春劇もびっくりな未来に思いを馳せトオルへ手を差し出した。

「また、一から冒険だな」

 今度は2週間くらいで終わらせて見せるけどな。

「少し待って欲しい」

「え?」

 宙に出された俺の右手は誰に取られることなく空気をつかんだ。

「やり残したことがあるんだ」

「はぁ?」

 トオルは困ったように頬を掻き、続いて彼の左後ろに目を向けた。

 視線の先に居たのは、俺の初恋の相手。まだ名前も知らない白髪美少女だった。

 俺はあまりの残酷さに一瞬夢を疑った。

「先ほどは助けていただきありがとうございました、勇者様。自己紹介が遅れてしまい申し訳ございません。私は、現在この方の旅へご同行させていただいているルシアと申します」

絹の糸のようあでやかに揺れる長い白髪が、深いお辞儀とともに目前へ晒される。白い髪に劣らぬ透明感のある肌と、形の良い上品な唇に眩暈がした。美しすぎる。美しすぎて輝いている。発光している。結婚して欲しい。

 ……ルシアさん。可憐だ。

「なんだよ、言い方堅苦しいな」

「勇者様の御前ですので」

喋るなデコピン野郎が。

ルシアさんの美貌に鼻の下を伸ばしている俺を他所に、トオルは言葉を続けた。

「彼女と一緒に奴隷解放運動を行おうと思っている」

トオルが台詞を放ったと同時、周囲の野次馬民衆たちが彼の衝撃発言へどよめく。どよめきは瞬く間に大きく広がり、一瞬にして俺達の周りは騒がしい町民の声で包まれた。

 俺の心は、別の意味でざわつきまくっていた。

は?ルシアさんとトオルが一緒に旅をしている?一つ屋根の下であんなことやこんなことをしている……!?同じ石鹸を使っている!!??

内心ではそんなことで思考を埋め尽くされながらも、そこは完璧勇者。努めて冷静な〝風〟を保ちながら適切な言葉を選択した。

「―そうか。厳しい道のりになるぞ。分かっているのか?」

「ああ」

 正直この一言はもう意地だった。

「その、二人は恋人同士、なのか?」

 次に発せられた一言は半分理性が飛んでいた。

 俺の言葉を聞くなり、ルシアさんは一瞬にして顔を紅く染め上げトオルから視線を逸らした。

「ち、違います!勇者様、一体何を!」

 動揺し慌てふためく彼女を他所に、トオルはまるでいきなり異国後で話された人のようきょとんとして目を瞬かせる。

「相変わらず色恋が好きだな。そんなわけないだろ」

「……そ、そうですよ」

 二人の反応を見る限り、どちらがどちらに思いを寄せているかは火を見るより明らかだった。同時に、俺の心は今まで聞いたとも無いような破壊音とともに崩れ去り塵と化す。俺は前後感覚を失い不明瞭になる視界をもて余しながら、端的に言うと泣いた。

「お、おいどうしたんだよ。いきなり」

「いや、さあ、お前がっ、幸せそうでっ、良かったなって」

 良く言った俺。正直もう涙で視界が霞んで二人の顔なんて見れたものじゃない。

 誰がお前なんかのためにいい大人が涙なんか流すかバァカ。

 この止めどなくあふれる涙は一滴残さずルシアさんのものだ。

トオルは俺の好みのタイプの傾向を俺より正確に理解しているので、きっと俺がルシアさんに一目ぼれしている事実にも気づいているし、涙の要因も把握しているのだろう。

「いやだから俺とルシアは本当に恋仲とかじゃないから」

「ほらっ、俺のことは気にせずもう行け。やり残したことがあるんだろ」

「あるけど……。大丈夫なのかお前」

 ーーうるせえ!優しい言葉なんか掛けるんじゃねえ!惨めな気持ちになるだろうが!

「また後で会おう。久しぶりに話したい」

「おう……、早く行け」

涙で顔がびしょびしょになった俺を度々振り返りながらトオルのクソ野郎とルシアさんは旅立っていった。そんな彼らの後ろ姿を見送りながら気づく。

ルシアさんの他に可愛らしい獣人の女の子が二人、トオルの後をついて行っているのだ。どうやら二人を迎えにきていたらしい。

 同時に、俺の体の中で熾烈な何かが音をあげて燃え始めた。

 ーーふざけんじゃねえぞ。

 彼らの背中を見送り終えると同時、背後から万雷の拍手が贈られた。

 6年ぶりの勇者と魔導士の再会。さぞかし素晴らしい青春の群青劇に見えたことだろう。しかし、そんな町人たちの称賛の声は俺には一切届かなかった。

ーールシアさんだけに飽き足らず、あんなに可愛らしい獣人を二人も仕えやがって。

 あの性悪たらし偽善野郎が!!!


……そう、トオルの奴はなんと、俺が酒と女に溺れ薄っぺらい5年間を過ごしていた間に美少女ハーレムパーティーを形成していやがったのだ。







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