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転生?いいえ。天声です!  作者: Ryoha
── 1章 アルト編 ──
13/76

012.信頼を取り戻せ!

『あなたの聖霊になりにきました』


 そう言った後、わたしは失敗したことを悟った。なぜならアルトの顔が猜疑の念で埋まっていたからだ。


「聖霊とはどういうことですか? それより早く顔を出してください。話はそれからです」


 アルトはそう言うと探るようにあたりを見回す。

 わたしは少し焦りつつも平静を装ってこう言った。


『わたしは見えないよ。実体がないから』


「そうですか。それは結構なことですね。ぼくは用があるのでこれで失礼します」


 また失敗した。最初の時はうまく言ってたのになぜか肝心な時にうまくいかない。


『それはフォレストリザードの件を報告するため?』

「そこから見てるんですね? ストーカー? いや盗賊ですか? 喋りかけながらも姿を現さない、相当な手練れですね」

『いや、違うんだけど。どうすれば信用してくれる?』

「なら、聖霊にしかできないことをやってみてください。無理だと思いますけど」


 なるほど。それはその通り。前回もそれで信頼を得たんじゃないか。やはり冷静さを欠いているようだ。

 だけどさっきまでの嫌悪感がだいぶ減った気がする。実体がないからか? 感情が欠落してきている? やっぱりわたしの人間性はどんどんなくなってきているのかもしれない。


『わかったよ。もしできたら信用してね』

「わかりました。できたらですけど」

「約束だよ?」


 アルトはつれなく歩き出すが、わたしはついていくしかない。


 わたしはアルトに〈天眼〉を使った。


────────────────────

 名前:アルト

 種族:人族(?)

 技能:全剣技

    天の声

 魔法:冥

    聖

 恩恵:自由神の勇者の種

────────────────────


 〈魔力操作〉がない。天の声の天声ポイントが101に戻っていたから多分そうだと思ったけど、やはりアルトの状態も最初に会った頃と同じになっているようだ。


 それなら〈天授〉を使えば〈魔力操作〉を再取得できて聖魔法を使わせられるか……。いやダメかもしれない。前回技能(スキル)を取得したときは〈天授〉を発動したらランダムに選ばれている感じだった。


 ……そういえば暗闇にいるとき副技がアップデートされたと言っていたはず?


 わたしは副技を確認してみることにする。


────────────────────

 技能:天の声(てんのこえ)(アマノセイ)

 副技:天啓

    天眼

    天授

    天与

    ??

 天声ポイント:101pt

 天命 ★★☆

────────────────────


 〈天与〉というものが追加されている。

 さっそく〈天与〉を〈天眼〉で確認する。


 天与:以前〈天授〉によって供与された技能、魔法、聖遺物を同等の天声ポイントで天の声保持者に供与することが可能。現在は以下のものが供与可能。

・魔力操作:50pt

・火付石:1pt

・アビスファイア:10pt


 〈天与〉さん。ご都合主義だ……。でも今はそれがありがたい.


 わたしは〈天与〉を発動した。


<供与する技能、魔法または聖遺物を選択してください>


 〈魔力操作〉を選択。


<天声ポイント50ptの消費を確認しました。〈天与〉を開始します……完了しました>


 これで〈魔力操作〉を獲得できたはず。


────────────────────

 名前:アルト

 種族:人族(?)

 技能:全剣技

    天の声

    魔力操作

 魔法:冥

    聖

 恩恵:自由神の勇者の種

────────────────────


 よし! 〈魔力操作〉が現れた!


 これであとはアルトに聖魔法を使って貰えばいいだけだ。


『アルト。魔法使ってみて』

「まだいたんですね? 気安く呼ばないでください」


 信頼されてないからといってこれは結構辛いものがある。


『聖魔法を使ってみてください。お願いします』

「はあ。わかりました。一回だけです」


 そう言うとアルトは精神集中を始めた。魔力が少しずつ高まっていく。


「ホーリーライト。ほらこれで満足ですk……、あれ光ってる?」


 光がアルトの周りを包んだ。生真面目なアルトらしくきちんと詠唱していたようだ。前回見たホーリーライトと同等の明るさをしてアルトを神々しく見せている。


「どんな方法で──」

「約束は約束だよ?」

「……わかりました。今は信用はします」


 律儀な子だから信用はしてくれるみたいだ。


 だけどアルトの顔を見るに、まだ信頼を取り戻すまでの道は長そうだね。


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