3.
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急なログアウトは、気に入らなかったが、システム不調ということもあるのだろう。
僕はVRゴーグルを外して、現在の時間を確認した。
あっ、すでに深夜12:00を過ぎているじゃん。
これはもう普通に睡眠しないとまた寝坊だな。
ということで、パソの電源を落として普通にベットへ直行した。
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さて、いつものように学校から直帰して、宿題無視でパソの電源を入れた。
そして、熟睡感を上げて世界観を楽しめるという半分麻薬性の強いドラック(推奨1日一回まで)
ー『白い恋人達』ーをいつものように一粒口に入れ、VRゴーグルを装着して、ベットに横になり
「リアルファンタジーⅢ」の世界にログインした。
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目の前に下に向かう矢印が現れ、ふわっとしたいつもの感覚に溺れた後、ログインできるはずだった。
でも瞼を開けて周囲を見ることができず、手足も口も動かすこともできない。
それなのに、なぜか耳から音は聞けるし、自然に呼吸ができ、なんとなく別の誰かに体が動かされ、
いろいろなところを歩き回り、いろいろなものを触っていたりしている皮膚の接触感覚はある。
あと、肩にぎりぎりかかるミィディアムの髪型にしていたのだが、さらに伸びた髪の毛の存在を感じる。
システムの不調だとしても、勝手に体が動くようなので、不安でしょうがない。
あれ?椅子に腰かけたような感じがする。そして、美味しそうなにおいと、なんだか口を動かしているようす。
だけど、味覚が無いのでよくわからない。
ん?食事が自然にでき、整合性のある動作をしている。ということは、これは誰かの感覚を共有している?
そんなシステム障害なのか?でもそう考えれば、辻褄が合う。
えーと、システムコールだっけ、これでゴーグル経由で画面操作が・・・って思ったけど、瞼を開くこと
すらできないから、アイコンタクト制御ができない。そして、緊急用の会話型の制御もあるけど、
口が動かせないから、それもできない。
このままログアウトすらできなかったらどうなる。
ふっ、不安が高まる。
それからしばらく時間が経過した。
あれっ今度はトイレ入った?
僅かだけど例のトイレ特有のアンモニアの匂いがする。
えっ、ゲームの世界で食事はしたけど、そういえば排泄はした覚えがない。。。???
こんなリアルな設定あったっけ?
そして洋式っぽい感じで座ってるし、排泄後には女の子の後処理っぽい所業の感覚・・・???
そして、水洗で流して・・・
ちょっちょっとまて、本当に今ゲームの中なのか?
でもログインして、真っ暗?いや違う瞼が開かないけど、照明の明るさの変化みたいなのをわずかに感じる。
そして、ヘルメットの様なゴーグルを再び?かぶるような操作感があった。
その時長い髪を手前にずらして、ゴーグルを被るので、いつもの操作と少し違う。
あれっ?
で、ベットに横たわるような感じになった。
また自分の意識も遠くなり、熟睡の眠りに入るような気がした。
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