表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

トライアンドエラー

作者: まめめめ

 トライアンドエラーが和製英語ということを知っているだろうか。

 外国人からするとtrial and error.は自然だがtry and error.には違和感がある、らしい。

 そして、日本人の私も、その点はなんとなく納得できる。


 別に、間違った使い方をしているからといって、馬鹿にするつもりもないし、直せとも言わない。

 少なくとも日本国内では当たり前の言葉として使われている以上、マジレスするのはナンセンスだから。


 なぜ違和感があるかを、少し考えてみた。

 辞書で「try」を調べると、意味は「努力する」とか「やってみる」とか、そういう意味合いが強い。

 もちろん「試す」という意味もあるが、どちらかというと「ためしにやってみる」みたいな感じで、行き当たりばったり感がある。


 それに対して「trial」を調べてみると「試験」とか「試み」とか。

 ちゃんと準備をして、結果を測定する目的で「試す」というイメージが近いと思う。


 trial and error.が「試行錯誤」だとしたら、try and error.は「実行錯誤」というところだろうか。

 手探りでいろいろ試すのが、trial and error.

 ダメ元で試すのが、try and error.

 っていうのが、私の考え。


 だから誰かが「トライアンドエラーを繰り返して……」って言ってるのを聞くと、捻くれた私は「この人は、ここから先も同じ失敗を繰り返すんだろうな」なんて、そんなことを考えてしまう。

 過ちて改めざる是を過ちと謂う。昔の偉い人も言っていたのに、人間は学習しないな……なんて。

 言葉を知ってるとかそれ以前の段階で、見下してしまう。もちろん口には出さないけれど。

 みんなも言葉の使い方には気をつけよう。


 ところで。

 そりゃ、過ちて改めざるは過ちとして、つまりそれは「最初の失敗は、失敗じゃない」ってことにもなる。

 最近の偉い人も言っている。「何もしないことが、一番のリスクだ」と。

 失敗することを恐れるあまり、気づいたら茹でガエルになっている。

 綿密な計画を立てることばかりに気を取られ、何一つとして実行に移せない人がいる。


 実際のところ、やってみなくてはわからないことはたくさんある。

 上手くいくかは、案外時の運だったりもする。

 だから、何も考えずに挑戦するだけで、上手くいったり、上手くいかなかったりもする。

 それでも、つまり「トライアンドエラー」するだけでも、なんとなくの雰囲気というのを掴むことができる。


 改めて結論を書く。

 トライアンドエラーっていうのは、泥臭い言葉なのだと思う。

 トライアルアンドエラーと比べて、効率が悪い。というか、端から見ると、頭が悪いようにも見える。

 バタバタともがき続けているような、無様な姿に映るかもしれない。

 だけどさ、それが楽しいんじゃん。

 すでに他の人が最適解を出してるとか、そういうのはどうでも良い。

 あれこれ試して、上手くいったりいかなかったりで一喜一憂する。

 安全に敷かれたレールを進むだけ。そんなのって、つまらないじゃないですか。

 だから、エラーを恐れて何もしないのは、なんていうかもったいないと思う。


 個人的には結局のところ、いつまでもトライアンドエラーを繰り返す人間でありたいんだと。


 他の人が「どうするべき」とかまで、どうこう言うつもりはないけれど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ