第88話 WX(ダブリューエックス)と家宝の説明と魔鬼力と死界
夜中の2時くらいにセカドの街に到着した。
列車姿のレシャさんから、皆が恐る恐る降りる。
「お疲れ様きゅあ」
キュアートさんとサキュプゥさんが前庭で待っていた。
その後ろに、2つの人列を作っている配下(奴隷)の者たち。
「サキューナ。後で私の部屋に来なさい」
あちゃー。もうバレちゃってるよ。多分家宝の件だよ。
あとで、甘いものをサキュプゥさんに渡してご機嫌取りしよう、と恐い顔のサキュプゥさんを見て、心に刻んだ。
「お疲れ様です。みなさん、列車から降りてきた人たちをお風呂に入れてあげてください。洋服や部屋についてなどの準備はできていますよね?」
「はい、主、滞りなく済んでおります」
俺の前に片膝をついて、言葉を発する男、名前はWX、もちろん本名ではない。
俺の影武者である。通称『シャドウ』
かっこいいかな?と思って、希望制で俺の影武者が何人かいる。
キュアートさんの鬼圧のさいに集まった中で戦闘系の鬼族のリーダーに教えを乞うように伝えてあった。
WXは、早めに修業が終わったようだ。
確か、火鬼族のもとへと修行に行ったはず。
『鬼火(浮遊する火の玉)』を教えると言っていたな。
「他のシャドウはいますか?」
「申し訳ありません。間に合っておりません」
「分かりました」
☆☆☆☆☆
鉱山奴隷だった者をある程度、様子を見てサキュプゥさんの部屋へと向かった。
先に先客がいた
俺の接近に気づいたキュアートさんは、ちょいちょいと手招きをした。
「おもしろいきゅあ」
キュアートさん、ドア締まった状態なんだけど、アイサイトで透視しているな。
俺もしよう。
「アイサイト、ヒアリティ」
ヒアリティは、聴力強化の魔法
「ままぁーごめんなさい」
「あなたって子は、なんで良い事しているのに、悪いことも一緒にするの?」
今回も、お尻ぺんぺんだ。
サキューナさんのお尻が赤く腫れている。
『虐待だー』と言い、止めに入る勇気はない。
サキュプゥさんこわいよ??
いや、ほんとに怖いからね??
「だって、家宝『スリープスリーピー』使ったほうが手っ取り早いかなと思ったんだもん」
サキューナさん、語尾にさきゅって付いていない。
やっぱり、キャラ作りだったんだね笑笑
「せっかく、あなたに譲ろうと思っていたのに。これじゃ、あと数年は、お母さんが預かるからね。」
「ひどいよ。ままぁ、後で、そんなこと言うなんて。知ってたら、使わなかったのに」
「それと、家宝を使った使用料の支払いと、家宝に蓄積された魔鬼力分を1人で地獄界に行って、補充してくること。きちんと、先代や先祖に挨拶してくるのよ?」
「ほっ、ほんとに??ままぁ、サキュ、ほんとに1人で行くの?」
涙目のサキューナさん。
「キュアートさん。魔鬼力って聞こえたんですけど。なんですか?」
「魔鬼力の前に家宝の説明をするきゅあね。家宝とは、まさに家の宝きゅあ。自身で作った物は、マジックアイテム。家宝とは、いつの間にか出来た家の宝を言うきゅあ。これは、魔族だけの特殊な能力?きゅあ。例を挙げると、剣を使う魔族がいたとして、その者が無くなった時に、剣に魂が宿ると言われているきゅあ。魔族が無くなったからと言って必ず家宝が出来上がるわけではないきゅあ。それと家宝は、同じ種族の血族でないと使えないきゅあ。他種族の家宝を奪っても扱えないきゅあ。そもそも触れないきゅあ」
「なるほど、家宝については分かりました」
「次は、魔鬼力についてきゅあ。家宝を扱うには、特殊な力を要するきゅあ。それが、鬼族の家宝であれば魔鬼力。龍族であれば、魔龍力きゅあ。この特殊な力を補充するには、死者の魂が集まっている死界に行かないといけないきゅあ」
「死界は死なないと行けないのでは?」
「瀕死の状態になれば行けるきゅあ」
なるほど。瀕死になったらいけるのか。
「ドアの前で、この話を聞いている2人に手伝ってもらいなさい」
『パチンッ』
キュアートさんがバレてるといった顔をして、転移魔法を使って逃げた。
「あっ、ずるい。キュアートさん」
『パチンッ』
俺も、指パッチンして逃げた。
きちんと、籠に、お菓子の盛り合わせを残して。
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