第70話 エリクサーは欠陥品??第1王女のシャルル
「それで、誰か手伝ってもらえる人いませんか?」
スイーツ研究部の7名に聞く。
「それなら、適任者がいるわ」
部長の言葉に、部員5名が1人のロリ体型女の子を見つめる。
「ひま、お家が和菓子屋だよ?」
「綾瀬さん、よろしくお願いします」
「任せて、お兄ちゃんっ、泥船に乗った気でいて大丈夫だよ?」
少し心配になった。
泥船じゃなくて、大船に乗った気持ちだよね?
「じゃぁ、今すぐに向かいましょう」
綾瀬さんの手を握り、転移の準備をする。
『パチンッ』
「えっえっ、お兄ちゃん。ひま、さっきまでお店にいたのに、今は森の中だよ?どういうこと」
あっ、やっちまった。
最近、吸血鬼化の所為かおかげか、物怖じしなくなった気がする。
危機管理能力が低下してしまっている。
藍川さんも今頃、俺の転移魔法について説明していることだろう。
あとで、過ちについて謝っておこう。
「柊さんこんにちは。また来ちゃいました」
「初めまして、綾瀬 陽葵です。15歳です。趣味はお菓子作りです。よろしくお願いします」
趣味って、合コンとかじゃあるまいし。
綾瀬さん、このこアホな子なのだろうか?
ロリ属性にあほ属性?
「柊 守里だよ。よろしくね。ひまりちゃん。それで、どうしたと?今日は来る回数多いね」
「綾瀬さんが、和菓子屋の娘さんみたいで、和菓子について2人に話し合ってもらおうかと思いまして」
「なるほどね」
「よろしくお願いします」
「じゃぁ、2人で話し合いお願いします。自分は、お店の準備してきますので」
転移する前に、『大豆はあるから、わらびもちできるね。ぜんざいもできるね』などと聞こえた。
楽しみだ。
正直、俺何もしていない。
人と、建物の準備だけだ。
こんなに楽して良いのだろうか?
絶対服従があるため、俺に歯向かってきた絶対服従ではない者も、瞬時に黙らせることができる。
人間関係に大切な信頼関係も築かなくても問題ない。
もちろん、良い人間関係は保つつもりだ。
『パチンッ』
サドンの街、領主のサキューナさんの自室の前に転移した。
『トントン』
「失礼します」
「わっ!!!!!」
サキューナさんしかいないと思って、返事を聞く前に部屋の中に入ったのだが先客がいたようだ。
アイサイトは使っていなかった。
キュアートさんもいる。
それに、高位貴族のような方たちがいる。
「サクヤ、どうしたきゅあ?」
「失礼します。サキューナさんに会いに来たのですが、お取込み中のようですね。失礼しました」
「ちょっと、待つきゅあ」
部屋を出ようと開けた扉を閉め終わる寸前に待ったの声が入った。
「はい。キュアートさんどうしましたか?」
「ちょっと、こっちに来て耳を貸すきゅあ」
キュアートさんに近づいて、キュアートさんの口元に耳を寄せる。
「エリクサーでも治らないケガの場合どうしたらいいきゅあ?」
どういうことだ?
「そんなことがあり得るんですか?」
小声で返事を返す。
「そこにいる、第1王女シャルルの足が治らないきゅあ」
第1王女?ってことは、周りにいる女性と男性はご両親?王様と王妃ってことじゃないか?
まぁ、ひとまず今は、ケガについて考えよう。
「エリクサー不良品とかじゃないですよね?」
「それは、ないきゅあ。試しに、他の者で試したけど、治ったきゅあ。シャルルの足に外傷はないきゅあ。なのに、歩けないきゅあ」
「うーん。分かんないですね。医者とかじゃないので」
「足が痛くてシャルルは不自由な生活を送っているきゅあ。杖をついて歩いているきゅあ、幼少期にケガをするまでは普通に歩けていたきゅあ。しかし、キュアと追いかけっこをしているときに転んでケガをしてから歩けなくなったきゅあ」
「ケガをさせてしまってから、直ぐにエリクサー使ったんですよね?」
「そうきゅあ。使ったきゅあ」
それで治っていないなら、無理なんじゃないかな?
エリクサーでも治らないケガや病気があるということになる。
『シャルルさんは、経験人数0人ですか?』などと聞けない。
もしもそうならば、俺とチョメチョメして、クォーターヴァンパイアになれば、キュアートさんの話では治るはずだ。
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