第64話 ワルイド・ゲスゲス子爵の討伐?究極技?『鬼圧』
「なるほどきゅあ。その話はホントきゅあね?」
俺の後ろで気配を消していたキュアートさん大人体型が姿を現す。
「こいつは誰だ?」
おいおい、自分が働いている街の領主の顔を知らないっていうのは不味いのではないか?
「りょっ、領主様」
レイアートさんやワルイドを除く残りの騎士は土下座する勢いで膝まづく。
「サクヤ、すぐにその2名を助けるきゅあ」
冤罪の2名を助ける。
鎖を外し、猿轡を取る。
「ふわっ、ありがとうございます。ありがとうございます」
「うぇぇぇぇん」
お礼をいう女性と泣きじゃくる少し幼さの残る顔の女性。
顔が似ているが姉妹かな?
「辛かったですよね?もう大丈夫ですからね」
2人にハンカチと保温タンブラーに入れてある卵スープを渡す。
「その者を取り押さえるきゅあ」
レイアートさん等騎士にワルイドを取り押さえるように言うキュアートさん。
「俺が誰かわかっているのか?子爵家の次男。ワルイド・ゲスゲスだぞ」
「お前こそ、キュアの爵位を知らないきゅあね。キュアは公爵家きゅあ」
そう。キュアートさんは公爵家ということになっている。
王家の家系図を夜中にこっそり書き換えたらしい笑
キュアートさんの言葉を聞いて、顔を青くするワルイド。
この異世界にはさまざまな国があるが、全て魔王国の魔族がところどころに領主(貴族)として配置されているらしい。キュアートさん情報笑
各国の魔王国への反乱はすぐにばれてしまう。
筒抜けなのだ。
「くっ、こっ、これならどうだ」
解放された女の子1人に近寄り、人質として捕まえた。
油断していた。完全に油断していた。
「ほーう。人質とはまたクズのすることきゅあ。死にたいきゅあ?」
「少しでも、動いてみろ。こいつの命はないぞ?公爵家は平民であっても、簡単に見捨てたりはしねぇよな??」
「そうきゅあ。人間は大事な栄養源ゴホンゴホン」
「あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
キュアートさんが栄養源と言った個所は、俺がうまく誤魔化した。
うん、多分大丈夫。
「どうしたんですか?サク君。急に大声出して」
「女の子を助けたいと思ったら、発狂してしまいました」
咄嗟に良い言い訳が思いつかなかった。
これじゃ、俺アホな子じゃん笑笑
「サクヤ、よく見ておくきゅあ。これが、我ら(鬼族)のみ使える能力『鬼圧きゅあ』」
キュアートさんの魔力が急速に黒色と赤色から、赤色の単色に変化した。
全身を赤色の魔力が覆いオーラのように纏っていく。
オーラの大きさや迫力、キュアートさんが特別な存在なんだということを改めて実感させられた。
「うぇっ」
ラクトが、なぜか吐いた。
他の汚い魔力の者らは、身体に異常が起きているようで、変である。
キュアートさんの魔力は、どんどんきれいな赤色に染まっていく。
闇夜に生きる者の独特なオーラに感じる。
キュアートさんの顔は、怒っているようにも笑っているようにも感じられる顔で、今から笑いかけてくれるのか、牙を向けて襲ってくるのか分からない圧倒的な凄みがある。
キュアートさんの髪は逆立ち、上を向いている。
デコ丸出しである。
『デコ出しも可愛いですキュアートさん』と、今言ったらこの空気をぶち壊してしまいそうだ。
言いたい。言いたい。こういう時我慢ができない俺。
「キュアートさん、デコ出しも可愛いですね」
「そうきゅあ?明日からデコだそうかな?きゅあ」
キュアートさんはいつも通りに対応してくれた。
首をかしげる姿が愛らしくかわいかった。
ぎゅっと抱きしめたくなる可愛さ。
日本で、キュアートさんに出会っていたら、いくらでもおごってしまいそうだ。
キュアートさんの周囲には、神秘的な赤色のオーラが漂っている。
人知では、測ることなどできないような、また、どのような言葉で言い表せればよいか悩んでも答えは出そうにないほどの美しさを持ったオーラ。
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