第60.5話 紬と心春 冒険者ギルドと焼き肉のたれ
ライラちゃんが冒険者ギルドに行くので私と心春も冒険者ギルドに向かった。
別に、商業ギルドでギルドカードを発行してもらってもいいのだけど、冒険者ギルドで発行してもらうことにした。
特に理由はない。
冒険者ギルドは200年前とあまり変わらず、剣や盾の絵が描かれた看板があり『ぼうけんしゃギルド』と文字が書かれていた。
夕方ということもあり、冒険者ギルドの中は、お酒を飲みワイワイとしている者が多い。
料理を運んでいる女の子のお尻を触り、ビンタされている男性冒険者。
セクハラ。セクシャルハラスメント
今も昔も変わらないようだ。
「ライラちゃん。お帰り~」
受付窓口に行くと優しそうな女性受付員(ギルド職員)がいた。
「ただいまです。アニス草の採取してきました。あと、これの換金もお願いします」
ライラちゃんは、アニス草と一緒にいれていたEランクモンスター、オークの魔石を5個受付員に渡す。
受付員の女性はモンスター部位鑑定書に乗せた。
200年前と変わっていない光景。
ちなみに、私も心春もバッグ関連を買っていなかったため、ライラちゃんにお願いした。
「ライラちゃん。これどうしたのかな?」
びっくりした顔でライラちゃんに聞いてきた。
「おねぇちゃんたちが討伐してくれました」
「こんばんはー」
受付員の女性に挨拶する
心春は寝ている。
小さな声で寝言を言っている。
『紬ちゃんのパンツ、今日は白色なんだね。心春はシマシマが個人的には好きかなぁ』
おい、心春、いつ見たんだ。
というか、どんな夢見てんの??
シマシマが個人的に好きって、自分のこと?それとも私のこと?
「あら、そうなの?見た目によらず強いんだね。魔法使いかな?」
「まぁ、そんなところです。わたしと背中で寝ているこの子の冒険者登録したいのですが大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫ですよ。先にライラちゃんのクエスト完了の受領と換金をさせてもらいますね」
「この紙に記入をお願いします」
昔と変わらない記入事項に目を通す。
「寝ているこの子の分、私が書いても大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫ですよ。字が書けない方の場合は、代筆もしていますので」
私と心春の分の、記載をして、受付員に紙を返した。
光魔法が使えることは記入していない。
心春のスキルは何も書いていない。
回復魔法と代わりに書いておいた。
数分後、冒険者ギルドカードを2人分もらった。
「ライラちゃん。じゃぁ、宿屋に行こうか」
「うんっ」
ライラちゃんは私たちと旅をすることを同意した。
乗りかかった船でもある。
ライラちゃんがいずれ、魔草の採取をしていて、モンスターに殺される可能性を危惧してだ。
「ふぅー。ほら、心春起きて」
「なぁに、紬ちゃん。心春はパンツ食べられないよ」
寝ぼけているようだ。
ほっぺたをひっぱり目を覚まさせる。
「いたいいたいよ。紬ちゃん。起きた、起きたから」
両方のほっぺたをすりすりとさする心春。
「宿屋についたから。この部屋と私たちを浄化して」
巫女スキルに浄化がある。
ニートスキルもランクが上がれば快適化という技が使えるようになる。
どちらも、部屋や周りにいる者をきれいにするスキル。
まさに、心春にぴったっりのニートのためのニートによるスキルだと思う。
「はぁいー。任せて。クリーン」
部屋がきれいになっていく。
こびりついていたであろう、汚れもきれいになっていく。
宿屋の人にお礼を言われそうなレベル。
「じゃぁ、ご飯食べに1階に降りるよ」
「えー。いやだ。疲れちゃう。紬ちゃん持ってきてー」
ご飯を食べに行くのを促すと、駄々っ子のようにベッドの上でじたばたする心春。
ライラちゃんの前で恥ずかしくないのだろうか?
「分かった。分かったから、だからバタバタしないで。下の部屋の人に怒られちゃうから」
結局、1階に降りて、料理を部屋までライラちゃんと一緒に運んだ。
「おいしいねー」
ライラちゃんは、おいしそうに食べている。
かわいい。
「焼き肉のたれ、さいきょーう」
心春は、焼き肉のたれをオークのステーキにかけて、食べている。
「ごちそうさまでした」
心春がニートスキルで出した、プリンを食後のデザートに食べた。
「心春、食べ終わった皿とかは1階まで、自分で持って行ってね?」
「うん。分かってるよぉ。明日、持っていくぅー」
「部屋に臭いがこもるでしょ?」
「分かったよ。クリーン」
皿や部屋の香りをきれいにした心春。
「これで、問題ないよね?」
得意げな顔の心春。
なんか、心春はにくめない。
巫女スキルのせいかもしれないと常々思う。
授業中に寝ていても、教師に怒られるところなんて見たことない。
結局、心春の分も1階に持っていきました。
甘やかしすぎかな?
「おやすみ。紬ちゃん」
ライラちゃんは私と同じベッドで寝ることになった。
心春は、ベッドの上で、毛布を頭までかぶり熟睡中。
寝る子は育つというけど、それにしても寝すぎだよ?
食後のデザートをたべてから、クリーンを使い、3分も経たないうちに寝る準備をして、寝た心春。
「うん、おやすみ、ライラちゃん」
ライラちゃんも疲れていたようで、おやすみの言葉の後、直ぐに寝息を立て眠った。
ライラちゃんは、泊まり込みの冒険者ギルドの受付員の女性といつも同じベッドで寝かせてもらっていたようだ。
自然と眠りにつくまで今日1日を振り返ることにした。
ソウルバッグのことはなんとなくわかった。
とりあえず、取り出さないと、次のクールタイムが作動しない。
収納魔法Fランクは20kgまで入る為、ソウルバッグから、軽い物は収納魔法に移した。
明日からは、冒険者としてしっかりと活動しよう。
心春は付いてこないだろう。
部屋でごろごろするはずだ。
前回の異世界での行動も、心春はあまり、観光に興味がない様子だった。
私も、あまり、興味がなかった。
早く日本に帰って弟に会いたかったから、強くなることしか考えていなかった。
ロキくんから、もっと、異世界を発展させてほしかった笑笑と異世界から日本に戻してもらう際の白い異空間で言われたのを記憶している。
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