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異世界転移 『俺と配下ときゅあーきゅあ』  作者: りんご!みかん!
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第52話 わたわた綿とシェンカ・フワイシュちゃん5ちゃい



「えっと、ここら辺かな?『パチンッ』」




 いるであろう、場所に転移する。


 少し歩いた先に、探している配下(奴隷・絶対服従関係・雇用した者(従業員))たちがいた。


 俺が魔法の練習をした時に見ていた屋敷の裏庭の山。




『わたわた綿花』が良い収穫時期だ。



 綿わたとしてぬいぐるみに使うと、ボリューム感はないが硬く重量感のある品が作れる。



 キュアートさんの所有地の為、誰も採取できず結構残っている。



 3か月に1回、収穫できるため、今後のぬいぐるみづくりにも困らなさそうだ。




「あっ、ごしゅじんさまぁだ」




 とことことこと、わたわた綿花の白いわたを振り回しながら、フワイシュちゃんが歩いてきた。



 ふわふわの白色の髪に水色の目、胸元にうさぎさんがワンポイントに入ってある服を着ている5歳のフワイシュちゃん。


 フワイシュちゃんは、夫に捨てられ、娘とスラム生活を送っていたフワーリンさんの娘さん。

 



「ごしゅじんさまぁ。フワ、たくさんとったよ。みてみてー」



 子供は健気けなげだ。




「たくさんとれたね。良い子だよフワイシュちゃん」




 そういって、頭を撫でる。



「てへへ」



 嬉しそうな声を出してくれるフワイシュちゃん。




☆☆☆☆☆




 従業員の中で絶対服従関係でない者も、わたわた綿花の採取にいるため、帰りは、歩いて屋敷まで戻った。


 ちなみに、屋敷の前庭に俺が土魔法と岩魔法で木造のアパートを作った。



 そこに、絶対服従関係でない者は住んでいる。


 元、スラムの者たちだ。


 もちろん、態度の悪い者などは、従業員として雇わずに除外してある。





「フワちゃーん。あーそーぼっ」




 俺と、フワイシュちゃん、フワーリンさんは、今、フワーリンさんに分け与えた101号室にいる。



 3人で、3時のおやつタイムだ。



「リリィちゃん。うん、あそぼっ」



 フワイシュちゃんは、玄関まで行き、背伸びをしてドアノブを回してドアを開けた。



「サクヤおにいちゃん。こんにちはー」



 俺たちのいる部屋まで歩いてきたリリィちゃん。


 リリィちゃんは、フワイシュちゃんと同い年のお友達だ。


 この光景も見慣れたものだ。


 リリィちゃんは毎日のようにリリィちゃんの家に遊びに来る。



「リリィちゃん。こんにちは、チョコ食べる?」



 リリィちゃんの後に少し遅れて、リリィちゃんのおばあちゃんであるリヴァシーズさんが現れる。

 


 顔色が悪そうだ。体調でも悪いのだろうか?



「リヴァシーズさんも、こんにちは」



『バタッ』


 

 フラーっと動いたかと思ったら、リヴァシーズさんが前に倒れた。

 


 とっさのことで支えることができなかった。



「大丈夫ですか?大丈夫ですか?大丈夫ですか?リヴァシーズさん」



 あわわ。どうしようどうしよう。


 アリアさん呼んでくればいいのかな?


 リヴァシーズさん、返事がない。


 心臓は動いていることから死んではいない。


 でも、アリアさんがどこにいるかわからない。


 探している間に頭のうちどころが悪くて脳出血でも起こしていたら、間に合わない。


 俺は回復魔法が使えない。


 どうしよう、どうしたら……。


 薬・ポーション、くすり??


 なんか忘れているような?!?


 あっ、エリクサーがあるじゃないか




「リヴァシーズさんっ」




 収納魔法から、エリクサーを取り出す。



 エリクサーの瓶のふたを開け、口に流し込む。





「はっ!!!」



 ピクリとも動かなかったリヴァシーズさんが目を開けた。


 そして、




「身体が軽い。腰が痛くない。リリィの顔もよく見える」



 驚いているリヴァシーズさん、俺の持つエリクサーに気づいたみたいだ。



 多分、高価な薬を使ったと思われただろう。




☆☆☆☆☆




「それで、なんで倒れたんだろうね?」



 散々お礼を言われ、部屋にいたみんなが落ち着いた後、リリィちゃんに質問した。



 一応、リヴァシーズさんには栄養剤を飲ませ今は、ベッドに眠ってもらっている。

 


 リリィちゃんと、フワイシュちゃんは今、『シェンカ』をしている。



 『シェンカ』は、木でできた直方体のブロックを組み上げたタワーから片手で、1つずつブロックを抜き取って、最上段へ積み上げていくというもの。



 タワーが倒れたら、倒した人の負けというテーブルゲームだ。



『シェンカ』の発祥は、イギリスらしい。



「たぶん、栄養が足りてないの。おばあちゃん、いつも、食べ物私にくれるから。リリィの家、お金がなくて、1日の食事も1回だけなの。リリィが、いつもおなかすいたっていうから、おばあちゃんがくれるの。おばあちゃんごめんなさい」



 リリィちゃんは、シェンカのブロックを抜く手を止め寝ているおばあちゃんのほうを向いて謝った。



「リリィちゃんのお母さんとお父さん働いているはずですよね?」



 平民の月収の平均は、10万円~20万円くらいと、ファリアさんに教えてもらっている。



 10万円ずつと仮定すると20万円はあるはずだ。



 20万円もあれば、最低限一日に2食は食べれるはずだ。



 それに、リリィちゃん家族は、社員寮に泊まっていて、住むところにお金はかかっていないだろう。



「ママもパパもはたらいているけど、おきゅうりょう?が少ないの。いつも、リリィにまんぞくにたべさせてあげられなくてごめんねってあやまるの」



 給料が少ない?


 どれくらい少ないんだ



「ちなみにどれくらい少ないかわかる?」



「ひとつき、2人で、大銀貨3枚(3万円)って言っていたの」



「なんだって……」



 大銀貨は1枚で『10000円』。

 2人がひと月働いて3万円。

 ブラックにもほどがある。



「リリィちゃん。おなか一杯食べたいよね?パパやママと一緒に遊びたいよね?」



「うん」



 リリィちゃんの頭を撫で、行動に移そうと座っていた座布団から立ち上がる。



 リリィちゃんの両親にお金を渡すのは、今の俺にとっては簡単だ。



 だが、それでは一過性いっかせいのことになってしまうし、他にも被害者がいるだろう。


 それに、今後新たな被害者が出てくる可能性も考えられる。


お読みいただきありがとうございます

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