第39話 ダンジョンボス
ダンジョン仕様だろうか黒色のローブのアリアさんが俺の前で、槍を持って戦っている。
お気づきだろうか?
回復魔法が使えると聞いて、てっきり、僧侶てきな感じかと思ったが、アリアさん戦えるのです。
シフアさんよりも強い。
前衛アリアさん、中衛シフアさん、後衛に俺と言った感じでダンジョンを進んでいる。
多分10階層までなら、アリアさんだけでもクリアできそうな感じだ。
人は見かけによらないね。
虫も殺さなさそうな見た目なのに。
シフアさんがアリアさんを誘った理由もわかったよ。
9階層まで、無難にクリアして10階層のボス前の安息地で小休憩してから、10階層のボス戦を挑んだ。
普通に倒す。
弱い10階層フロアボス。
そして、今回もスモールバットを前回と同じ作戦で討伐し、現在12階層。
スモールバットでやっと俺の出番だったよ。
ゴブリン5体も簡単にこの2人は対処するんだから。
シフアさんは、まだ10歳ということもあり、アリアさんにダンジョンに1人で行くことを許可されていなかったらしい。
シフアさんは、手先が器用で素早さも高く感じる。
防具に金属をほとんど使わない、皮でできた鎧を着用している。
すばしっこい攻撃で手数の多い戦闘がシフアさんの持ち味である。
「次の曲がり角、直ぐに毒の沼地があるので気を付けてください」
20階層までの攻略地図を騎士のレイアートさんに借りている。
冒険者ギルドでもお金を払えば買えるようだが、持っている人がいるならわざわざ買う必要もないと思い借りた。
冒険者ギルドでは、1階層ごとに、代金を支払う仕組みである。
「おっと、危なかったです。ありがとうございますです」
シフアさんは俺の言葉を聞いていたはずなのだが、毒の沼地に足を突っ込みそうになる。
シフアさんの腕を掴み、シフアさんが片足を毒の沼地に入れる前に後ろへと引っ張った。
「どういたしまして」
「シフア、気を付けるのよ?いくら、私が毒の治療をできると言っても、いざというときのために魔力は温存して置きたいのだから」
「分かったです」
注意されしょげるシフアさん。
「15階層からスパイダー系統のモンスターが出るみたいですので、気を付けてください」
14階層は、出現モンスターの8割がオークマジシャンであり、魔法を放たれる前の攻撃をしないといけないため、自然と討伐スペースが早かった。
15階層からは、スパイダー(クモ)のモンスターが出てくるようだ。
攻略地図に出現モンスターの詳細が書いてあり、そう書かれていた。
スパイダーの放つ糸は、身体を拘束するため注意が必要と書かれていた。
野生のスパイダー系統の放つ糸は、この異世界で洋服などに使われている。
そして、この階層は軽く迷路になっている。
この階層の地図を完成させた人は頑張ったなーと感じる。
「えっと、そこは、右です。次は2つ扉を直進してください。その後は扉の前で10秒待った後、入ってください」
こんな感じで、この階層は、『10秒待つ、手を挙げていないと入れない』など不可思議なルールの下、動かないといけない。
1つ、間違うと不思議な力でこの階層のSTART地点に、戻ってきてしまう。
☆☆☆☆☆
20階層に到着した。
19階層は20階層のボスと同系統のモンスターが出る。
19階層のモンスターはミニミノタウロス。
D寄りのEランクモンスター
因みに、ボスのミノタウロスは、C寄りのDランクモンスターだ。
俺らの目の前にはミノタウロスがいる。
剛腕。頭には赤色の2本の角。
顔が牛で、身体は筋骨隆々のマッチョ。
目は威嚇するような赤い目をしている猛牛だ。
二本足で立っており、大きな斧を片手に持ちぶんぶんと降りまわしている。
『ブォーーーーブブォォォォー』
ミノタウロスは振り回した斧を地面に投げ捨てると、俺らのほうに向かって突進してきた。
ぎりぎりまで引き付けて、避ける。
イノシシと違って、途中で方向転換してくるミノタウロス。
ぎりぎりまで避けない素振りをしないといけない。
『ブォーーーーブブォォォォーンンン』
両角がダンジョンの壁に突き刺さったようで、身動き取れずに、雄たけびを上げるミノタウロス。
蹴飛ばされないように慎重に近づき、瞬間接着剤を足元に付着させる。
瞬間接着剤はホントに取扱注意。
小学生のころ、夏休みの図工の宿題で、瞬間接着剤を使っていたのだが、ふくらはぎに付着させてしまった。
慌てて、取り除こうとして、指とふくらはぎが瞬間的にくっついてしまった。
すぐに、ふろ場まで行って洗い流した。
ホントにあの時は、びっくりした。
目などに入った場合は、すぐに、病院へと行ったほうが良い。
話はそれたが、瞬間接着剤で地面とミノタウロスの足を接着させた後、後ろに下がり距離を取る。
そして、「よいしょっと」火炎瓶を投げる。
『ブォーーーーブブォォォォーンンン』
「2本目行くよーー」
時間を空け再度投げる。
「まだまだ、行くよー」
ミノタウロスの周りには、ガラスが散らばっている。
「ほいっ、まだ頑張れるかな??」
火炎瓶使用後のガラスは、粉々であれば粉々であるほど、ダンジョンへ吸収されるのが早い。
「タフだねー」
まだまだ、行けるのかな?
「5回か。ミニミノタウロスが、3回で倒せたから、5回で倒せたのは拍子抜けかなー。もうちょっと、強いかと思ったけど」
ミニミノタウロス・ミノタウロスの弱点は火である。
そのため、このダンジョンボス討伐をするためには、2人の火魔法使いがいることが推奨されている。
「わぁー、ミノタウロスの斧です」
シフアさんが喜んで持ち上げようとするが5cm位しか持ち上がっていない。
アリアさんは、俺に『持ち上げてみてくださいっ』みたいな顔をして見せるが、無理だからね。
3mもある斧なんて持てないよ、ミノタウロスが振り回しているときもブンブン風が鳴ってたからね。
男の子だからね、との思いで試してみたが駄目だった。
念のために購入しておいた、マジックバッグDランクになんとか魔斧を入れた。
ボスのミノタウロスは、C寄りのDランクモンスターだ。
本来、野生で出てくるミノタウロスは討伐後、牛肉に近い肉として食せる為、100万円ほどで肉屋が買い取ってくれる。
もちろん、冒険者ギルドも買い取ってくれる。
本物の牛の肉(牛肉)よりも、硬いのが欠点であり、モンスターな為か、分からないが食べられない部位も存在するため、牛1頭よりも、値段は安くなる。
そして、野生のミノタウロスは、斧を武器として持たないため、ミノタウロスの斧はダンジョン産の魔斧ということになる。
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