第34話 侵入者!
「それで、何しに来たんですか?」
藍川さんのフライパンにより、大きなタンコブを頭につけたラクトに聞く。
案の定、ラクト等パーティーだった。
プラス1人の女の子を除いてみたことあるメンツ。
実際、フライパンで叩かれたら、すごい痛そうだな。
「仕返しに。ゴホンゴホンじゃなくて。会いに来たのよ」
ラクトに聞いたのだが、答えたのはレリィさん。
「シフアは、この人たちに自宅のカギが開けれなくなったから開けてほしいって頼まれたんです。シフアは悪くないです」
腰に布袋をまき、額にハチマキ、短剣を所持していたシフアさん。
どちらかというとシフアちゃんと呼ぶのが良い位の年齢。
10歳くらいの女の子だ。
ロープで、侵入者5人を縛っているのだが、このシフアさんは、もぞもぞと動いている。
ロープをほどいているのだろう。
この子は手先が器用そうだ。
悪い子ではなさそうだし、クルミラさんの義手を作る手伝をしてくれると有り難い。
「ファリアさん。シフアさんという方に、いろいろと結び方試していいですよ?」
最近、00縛りに嵌っているファリアさんに告げる。
俺の、スマホのデータに入っている結び方の知識を得ていた。
誰か実験台はいないでしょうか?と呟いていたのを俺は知っている。
☆☆☆☆☆
シフアさんを除く4人はレイアートさんら騎士によって騎士所まで連行されていった。
とぶとぶ、にあらかじめレイアートさんの下に行き呼んでくるようにお願いしておいた。
とぶとぶ、の皿の上に、紙をのせていたので、レイアートさんはすぐに気づいてくれたのだろう。
シフアさんは、残ってもらった。
ファリアさんのおもちゃになっている。
「もう許してくださいです。こちょこちょしないでー」
グレーの髪がこちょこちょされるたびに身体をよじる為揺れている。
「ファリアさん。そろそろやめてあげてください」
涙目になっているシフアさん。少しかわいそうだ。
「ふぅー、ありがとうございます」
こちょこちょを止めさせ、ロープをほどいてあげる。
「シフアさん?帰ってもらって大丈夫ですよ??」
「はふぅー。ひどい目にあったです」
シフアさんは立ち上がると、履いていた短パンをポンポンッとはたき、帰る準備を始めた。
「さようならです」
シフアさんは、頭をさげて出て行った。
騎士に突き出さなかったため俺に感謝はしているのだろう。
「夜も遅いから、家まで送りましょうか?」
あまり関わりたくはないが、帰りに事件にでもあったりしたら後悔してしまう。
「大丈夫です。お気遣いありがとうです」
庭までお見送りをしようと、玄関を開けると、庭の中でシフアさんが倒れていた。
「シフアさん大丈夫ですか?」
「おなかが空いて、力が入らなくてです。何か、食べ物を」
☆☆☆☆☆
「これ、おい、ひいです。おかわり、くだ、しゃいです」
生姜焼きを次々に食べるシフアさん。
よっぽど、おなかが空いていたのだろう。
俺は、藍川さんにあたたかい紅茶を入れてもらいシフアさんの食べっぷりを見ている。
「食事とっていなかったんですか?」
1食ぬかしたくらいじゃ、倒れこむほどにはならないだろう。
「最近、魔短剣を買って、お金がなくてです。今回の鍵開けの仕事をこなして、お金をもらえれば食事がとれたのです」
魔剣ではなく、魔短剣か。
どんな能力だろうか?
あっ、俺ラクトの魔剣奪ったままだ。
あいつら、これを取りに来たんじゃないだろうか?
「この魔短剣は大きく伸びたりするんです」
そう言い、シフアさんは、自在に大きくしたり手のひらサイズに小さくしたりする。
形も太くしたり細くしたりできるみたいだ。
すごいな魔短剣。
シフアさんは、器用に魔短剣をくるくるとボールペンを回すかのように指で回す。
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