第32話 ヘアカラーワックス
第32話 ヘアカラーワックス
「ただいま」
自宅に戻ると、ダイニングキッチンに藍川さん、クルミラさん、ファリアさんが座っていた。
フレンチトーストにはちみつをたっぷりトッピングしたものを食べていた。
これから、いつもならこの時間から外食だっていうのに、食後のデザートじゃなくて食前のデザートですか?
と、突っ込みたくなりそうだった。
それにしても、はちみつ、買ってなかったから藍川さんがいることで今後の料理の幅が広がりそうだ。
あとで、どんなものを購入したか聞くことにしよう。
それと、あんまり目立たないようにするように伝えておこう。
自分が言うなという感じだが。
因みに、レイアートさんには、俺には、黒髪黒目の知り合いがいると伝えてある。
嘘はついていない。友達はいないが、知っているのだから知り合いに該当するはずだ。
藍川さんは、黒髪黒目で目立つため、ヘアカラーとは別に購入しておいた、『ヘアカラーワックス』を使い色を変えているため、レイアートさん以外にはバレていないはずだ。
レイアートさんに、黒髪黒目を見つけたら捕まえたりするのか聞いてみたら、騎士にそのような命令はでていないと返事が返ってきた。
完全に信用はしていないが、この異世界の人でレイアートさんは、クルミラさんやファリアさんに次ぐくらいに信用に値すると思う。
ヘアカラーワックスとは、通常のワックスのようにヘアスタイルを整えながら、髪の表面に色をつけることができるワックスのこと。
ヘアカラーワックスによるヘアカラーは一般的に、髪の表面にカラー料を付着させることで髪の色を変化させている。
ヘアカラーワックスによる染色は、シャンプーなどで簡単に洗い落とすことができる。
何者かに追われたときに、髪の色を即座に変えれると便利だよなと思い、少量タイプを購入してある。
使い方はワックスを使うときとほとんど変わりない。
手に、まんべんなくワックスを伸ばし、色を付けたい部分に塗る。
ヘアカラーワックスは、濡れることで色落ちするという注意点がある。
雨の日など、濡れてしまうと、衣服に色移りする可能性がある。
黒髪だと、色が変わりにくい場合もあるみたいだが、藍川さんは真っ黒という感じの髪ではなかったので何とかなった。
「おかえり、さくくん」
「はい。藍川さんお風呂も入られたんですね」
この、家、お年寄りのおじいさんが住んでいたと聞いたがキレイ好きだったみたいで、お風呂があった。
お風呂と言っても石造りである。
火の魔石と水の魔石を消費し、お湯をだすマジックアイテム『おんすいシャワー』が設置されており、快適である。
基本的に、マジックアイテムは作成が難しいようで、その中でも、俺の家にある『おんすいシャワー』は暖かさや水量を3段階に変化させることができ、高ランクのマジックアイテムらしい。
不動産屋のお姉さんも一押しの物件であったようだ。
2つの魔石を使うのと消費量が大きいので俺以外は使っていない。
クルミラさんやファリアさんは井戸水で大丈夫ですと言ってくれている。
『ごめんね。俺の稼ぎが少なくて……』
『それは、言わない約束でしょ?』
と言った感じのコントを自分の頭の中でしたのも記憶に新しい。
「明日にでも、ヘアカラー使って本格的に染めましょうね?」
「うん。ありがとう。さくくん。早速、夜ご飯作るわね。何か食べたいものある?お姉ちゃん頑張るわよ??」
あっ、そっかー。料理のできる藍川さんがいれば今後外食に行かなくて済む。
どの調味料がこの異世界のモンスターの肉(魔肉)に合うのかも藍川さんなら俺よりも見極めてくれそうだ。
適材適所だね。
「ことみさん。ご主人様の部屋に入ってからは驚いてました。『ケドルがあるー』とか、『ミキサー』があるってはしゃがれていました」
砂糖をスプーンですくいホットティーに入れ、木の棒で混ぜながら教えてくれるクルミラさん。
ファリアさんは、藍川さんがショッピングモールで購入したのだろう料理本を読んでいる。
ミキサーは異世界の果実をすぐにドリンクにして飲みたいという気持ちがあったので、購入しておいた。
1台2500えんと安かったはずだ。
商品説明に、果物・野菜の繊維を細かくカットして新鮮なジュースをどうぞと書かれてあった。
その他、調理機器にはIHの機器を購入してある。
森の中などの野営で火を使うのが憚れるケースの際に役立つだろうと購入してある。
一応、急な来客の応対の時に目立たないようにほとんどのショッピングモールでの購入品は俺の部屋に保管してある。
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