第31話 またまたラクト等パーティー
ズボンのポケットに手を突っ込み、ペンタイプのスタンガンをつかむ。
それを、ある程度の間合いを保ちながら、ラクトの剣の大振りを待つ。
『スカッ』
ラクトが大振りして、次の剣撃を放つ間に、ラクトの利き腕にスタンガンをあてる。
家の庭で馬の練習だけでなく、レイアートさんに木剣で立ち合いの練習をしてもらっていたのが役に立ったと思う。
今の俺の実力では、レイアートさんに本気を出されるとすぐ負けてしまうがラクト位なら大丈夫みたいだ。
痺れたのだろう、剣を地面に落とすラクト。
とりあえず、拾ってマジックバッグに収納した。
そして、再度距離を取り、ここまで使っていなかったが試したかった催涙ガスのグレネードを使う。
俺の購入したやつは、15分ほど効果がでると説明書きには書いてあった。
目やのどの痛み、皮膚炎などの軽傷を負うらしい。
『良い子は真似したらだめだよっ?』
「めっ、目がー」
目を抑えてのたうち回るラクト
「のどが痛いー!!」
ルラさんが目をこする
「肌が痛いです」
ソフィーさんは回復魔法で治そうと詠唱を開始した。
「早く、回復魔法を使って」
レリィさんは、いつもの強い口調でソフィーさんに命令しています。
どうやら、説明書通りみたいです。
痛くても、手や腕、ハンカチやタオルなどでぬぐおうとはしてはいけないらしい。
噴射された催涙物質がさらに範囲を広げてしまい皮膚の細胞に入り込み、その部分まで同じような状態になるおそれがあるようで唾を飲み込むのもいけないと書かれてあったのを思い出す。
水で洗い流すのが効果的なのだとか。
こするのはNGで、かけ流すのが正しい。
うがいをしたらその水を飲んではいけない
温かい水だと、皮膚が開いて催涙成分が入り込んでしまう為、冷たい水が良い。
何も出来ずにいても、一定時間が過ぎれば効果がなくなり常体に戻るとされている。
だが、時間もかかり、相当辛いので、流水で流し切るのが得策。
微量でも、皮膚に残っていると、入浴時に痛みを感じなどするが、こちらも一時的なものなので心配はない。
衣類についた場合は単独で洗濯をおすすめするようだ。
ラクトの持っていた魔剣は、もらっておくとして、他の3名の持っている杖なんかは手に入れないのが良いだろうな。
わざわざ、催涙の付着しているであろうものを持って帰る必要もない。
もがき苦しむ4人を置いて、俺らのいざこざを遠目に見ていた人に、『あの人たちが痛がっていたら大量の水で洗い流すように伝えてくれませんか?』とお願いした。
最初は、めんどくさそうな顔をされたが、『情報をあのパーティー等に売る形にしたらお金とれますよ?』と教えると喜んで頷いていた。
俺がその場を離れる音や声がしたからだろう、ソフィーさんが『ごめんなさい、助けてください』と涙声で言ってきたが、放置した。
☆☆☆☆☆
ファスの街には、それから1時間もしてから到着した。
途中で、レイアートさんが迎えに来てくれた。
わざわざお願いしていなかったのだが、藍川さんを俺の家に連れて行ってくれた後、引き返してくれたようだ。
気の利く女性である。俺より1つ下なのにしっかりしている。
レイアートさんと合流するまで、たまに現れる低ランクモンスターに実験をしながら歩いた。
手裏剣扱うの難しい。
1人で庭で練習していたのだが、首から上にあたれば即死に近いものではあったが、動く敵、モンスターに当てるのは距離があればあるほど難しかった。
毒を塗りたくれば、殺傷能力はかなり上がりそうだ。
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