第30話 一緒に住む?
藍川さんの飛ばされた先は、先ほどの部屋だったらしい。
スモールバットたちは、藍川さんの持っていたハーブの香りが苦手で近寄って来なかったと聞いた。
ちなみに10階層フロアボスの討伐は中華鍋で倒したとか。
魔石のクールタイム短縮により、食べ物にも困らなかったみたいだ。
トイレは、多分ダンジョン内でしたんだろうね。
さすがに、聞けないよ。
トイレはどうしてたんですかー?とか笑
ダンジョンでトイレをしてもすぐに、吸収してくれるはずだ。
無事にダンジョンを抜けた。
今回は、11階層まででやめておくことにした。
まともな、場所に藍川さんも行きたいだろうなぁーと思ったから。
馬に3人乗るのは憚れるため、先にレイアートさんと藍川さんの2人で街に行ってもらうことにした。
俺は、ゆっくりと歩いて帰っている。
「それで、何の用でしょうか?」
ダンジョンから出てきた俺らをこそこそと見ている気配を俺は感じていた。
レイアートさんも感じていたようだ。
気づいていなかったのは、久々に外に出たのと異世界の外ということに感動していた藍川さんくらいだろう。
気配とはいっても、バレバレの姿が視界に入っていた。
気配と呼ぶのも言葉違いな気がする。
、暗殺者のような身のこなしではなかった。
もっと、息を潜め、影を薄くして、近寄ってほしいものだ。
「おい、ごみ。あんた、ダンジョンで手に入れた魔石を置いていきなさい」
俺をゴミ呼ばわりするのは、この異世界では、ショートカット金髪の雷魔法使いのレリィさんくらいだろう。
引きこもる前の中学生の頃は、よく『ゴミ』と言われていた。
高校は、中学の人が誰も行かないような高校を選んだから、俺のことを知っている者はいないはずだ。
なるほど、俺が1人になるのを待っていたのだろうと推測した。
俺の周りには、レリィさんのパーティーメンバーのラクト、赤髪の火魔法使いのルラさん、そして回復魔法使いのソフィーさん。
俺を囲むように、立っている。
俺らの様子を、遠目から見ている者たち。
助けてはくれないようだ。
基本、冒険者は他人のことに首を突っ込んだりしない。
ここで、お金を払うので助けてくださいと言えば、助けてくれる冒険者や野次馬たちもいるだろう。
囲まれているが、こいつらに負ける気がしない。
根拠のない自信だ。
「どうせ、あの女性騎士に守ってもらって、ダンジョン進んでたんでしょ?ごみ」
まぁ、俺は後ろでレイアートさんの倒しこぼしのモンスターを討伐していたし、うん、間違ってはいない。
複数モンスターが現れた場合に火炎瓶で活躍したくらいだ。
「まぁまぁ、魔石さえ渡してくれれば君には危害を加えない、約束する」
そう言いながら、剣を抜くラクト。
信用ならない、こいつらは、あの一件により、ファスの街の冒険者ギルドには居づらくなっている。
冒険者は、商人ほどではないが情報が広がりやすい。
周りのセカドの街やサドンの街くらいまでなら、悪行が広がっている可能性もある。
まぁ、Eランクパーティーごときではそこまでないかもしれないけど。
Eランクパーティーごときと言っているが俺の冒険者ランクはFランク笑
「あの、ケガをさせたくないのでお願いします」
ソフィーさんは俺のことを心配してくれるような偽善者の発言をする。
他人への物盗りを許容している時点で頭の可笑しな人であると俺の中で再認識した。
ルラさんは、あくびをしながら魔法の呪文の詠唱を開始した。
この人はこの人で良くわからない人だ
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