第25話 分岐
6階層へとやってきた。
ちなみに、戦闘割合は魔石で言うとレイアートさん8割俺2割と言った感じだ。
レベルという概念がない為、別に経験値などないから後衛でもいいかなぁーという感じで足を進めている。
ゴブリンとウルフが出てくる6階層。
少し気を引き締める。
ホーンウルフは角さえ警戒しておけばそこまで問題なかったが、ゴブリンは武器を持っているし、ホーンウルフは角や爪にも注意していかないと、命に関わってくる。
「この分岐は、どっちでも良い系だね」
「はい。そうですね、早く7階層へ進みましょう」
異世界物の小説では進化するダンジョンという物もあるが、この異世界のこのダンジョンはそういうタイプではない。
そのため、一度マッピングしておけば、次からはすんなりと進める。
6階層は2手に分岐があるが最終的に出口は一緒という構造になっている。
「次はそのまま直進ですね」
後ろから、レイアートさんに指示を出す。
7階層も分岐があるが、全て直線に進めばよい。
ところどころの分岐は全て行き止まりになっている。
「前方、ゴブリン5体です。レイアートさんここは自分にまかせてください」
あらかじめ、準備していた火炎瓶をゴブリンたちに向けて投げる。
「分かった。私、守られる」
火炎瓶は投合されると着地した衝撃で瓶が割れ、燃料が飛散するとともに発火する。
いわゆる、着発式の投擲武器である。
今回は瓶にガソリンを入れ、布で栓をした。
火種(栓にした布に火をつける)をつけてから投擲する
瓶が割れた瞬間、炎はメラメラと煙はモクモクと舞う。
ダンジョンでは、生きているものや固体以外はすぐにダンジョンに吸収されると言われている。
そのため、火炎瓶により発生した火や煙はダンジョンに吸収される。
生き物に付着した火などは例外でダンジョンに吸収されない。
そのため、この火炎瓶作戦は有効である。
この異世界では『油』などが、安く手に入るわけではないため、普通の冒険者はこういう作戦を取らない。
ましてや、利益にならないゴブリンなんかには使わないだろう。
ゴブリンたちが『ぐぎゃぎゃ』『ゴガガァゴェ』と言った具合に、息絶えて行った。
もともと、肥満体系のゴブリン、よく燃える。
残ったのは5つの魔石。
「すごい」
レイアートさんが、しみじみと呟く。
俺も、ここまで威力があるとは思わなかった。
俺の異世界生活の中で一番の広範囲攻撃だと思う。
骨を折るくらいの攻撃なら『護身用特殊警棒』
痺れさせるなら『スタンガン』
が今のところ有力だ。
その要領で、モンスターが大勢現れた場合は、火炎瓶でその都度対処した。
そして、やっと10階層フロアボス戦にまで辿り着いた。
10階層フロアボスのいる部屋には扉がついており、その部屋の前には休憩する場所がある。休息地(安息地)と呼ばれる場所だ。
この、休憩という意味はホントに休憩だ。
ここには、不思議な力でモンスターが現れない・入ってこれない。
その為、寝ていても大丈夫。心配することは自分以外の人間からの殺傷行為や物盗り行為だ。
ミネラルウォーターで、水分補給をする。
「どうする?行く?ここで引き返しても良いよ?サク君魔力ゼロだよね?戻るならここくらいで引き返すのが十分だと思うよ?」
この休憩所では、中央に丸い円がありそこに魔力を注ぎ込むことで1階層へとワープ(転移)することができる。
魔力値0の俺は、多分できないだろうけど笑
「行きます」
決意表明して、10階層のボスのいる扉を開ける。
『ガラガラガラ……ガタンッ』
俺たちが中に入ると扉が勝手に閉まる。
フロアボスの部屋は、一度入るとボスを討伐するか挑んだものが全滅しない限り開かない。
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