第23話 アルミニウムゥと魑魅魍魎
掃除を一通り終え、宿屋に向かった。
クルミラさんとファリアさんとの集合場所は宿屋にしてあった。
女の子の買い物は長いというのが俺の中での常識であったため、夕方まで部屋の掃除をしていたのだが、この2人洋服は夏は涼しければ良い、冬は暖かければ良い格好という感じらしく、1時間もせずに戻ってきていたようだ。
オシャレよりも鍛冶・オシャレよりも読書と言った感じ。
まぁ、俺もオシャレについてはよくわからないから気にしない。
臭くなければ別に良い。清潔感があれば。
宿屋を出て、2人を連れ、自宅へと来た。
鍛冶場をみせるとクルミラさんは喜んでくれた。
完全に信用はしていないが今後のために2人に俺のことについて説明することにした。
「俺は、いわゆる黒髪黒目の人間だ」
「「えっ?」」
2人がきょとんとした顔をする。
この反応は当たり前だろう。
俺は黒髪黒目ではない。
「ファリアさん、黒髪黒目についてはどこまで知っていますか?」
「黒髪黒目ですか?髪の色が黒色、目の色が黒色で、不思議な技術を持った人間であり、マジックアイテムとは違った不思議な道具を持っている者でしょうか?すみません。私が知っているのはこの程度です。そういえば、奴隷商の店主が使っていた『メガネ』と言われるものは黒髪黒目経由で手に入れたと聞いております」
「はい。ファリアさん、さすがですね。大方あっています。それで、俺が黒髪黒目ではないということであれば、不思議に感じますよね?」
「はい。そうです」
「ちょっと待ってくださいね」
俺は、カラーコンタクト(カラコン)を片目だけ外してみせる。
「わっ、びっくりです」
「どうですか?変わったでしょう?黒目に。カラーコンタクトと呼ばれるものです」
「そして、これが、メガネです」
フレームが赤色のメガネを取り出す。
「ファリアさん、これを使ってみてください」
メガネを手渡す。
「わぁー、見えます。ぼやけていた視界がはっきりと見えます。すごいです。すごいです。サク様」
「良かったです。次は、クルミラさんの話についてです」
年甲斐もなくはしゃいでいるファリアさんを放置して、クルミラさんに話しかける。
「はい、何でしょうか?」
「これが何かわかりますか?」
スマホを取り出し、義手の完成図を見せる。
「これは、魔導具でしょうか?そして、映っているのは、もしかして、義手ですか?」
「はい。その通りです。俺のいた世界の技術によって作られた義手です。鉄をあまり使っていません」
「鉄をあまり使っていないのですか?そんなことがあり得るのですか?」
「はい。鉄ではなく、アルミニウム通称アルミを使っています。鉄よりも3分の1の軽さです。これで義手を作れば日常でも疲れる量は減ると思います。クルミラさんに作成は頑張ってもらうとして、問題なのは、アルミを作成することです」
アルミは、軽くて強い金属である。
そのほかにも、低温に強い、錆や腐食を自然に防止、電気をよく通す、光や熱を反射する、無害無臭・鋳造しやすい(低い温度で溶けるため、複雑な形状の鋳物が作れる・鉄や銅に比べて融点が低い)
消費量は地球でも全世界で、飛躍的に伸びており大活躍。
非鉄金属の中では2位の銅に大差をつけて消費されている。
溶解⇒溶湯処理・鋳造⇒面削⇒熱間圧延⇒焼き入れ・切断・仕上げ⇒加工
溶解では、不純物を取り除く。結構重要
アルミニウムは1807年に発見。
銅や鉄は紀元前までさかのぼることから、アルミニウムは比較的最近と言える。
アルミニウムは様々な化合物として鉱物や土壌などに隠れており天然の金属としては産出されないため、なかなか発見できなかった。
アルミニウムは原子番号13・元素記号はAl
1円玉(1円硬貨)など生活に身近と言える。
アルミニウムは電気分解以外の手法でも製造が可能である。例えばアルミナを2000℃以下で炭素と反応させ、炭化アルミニウムを生成させる。これを2200℃以上の高温部へ移動させ、今度はアルミナと反応させて金属アルミニウムと一酸化炭素に分離させる。
まぁ、詳しいことはわからないため、クルミラさんに丸投げ。
スマホにダウンロードしてあるものは、文字や絵だけじゃなく動画付もある。
言葉がつうじるので、俺が言わなくてもわかる。
わからない言葉が出た時なんかは説明している。
高熱に耐えきれる炉から、作っていかないといけないが。
☆☆☆☆☆
この家に来てから10日が経った。
毎日、クルミラさんやファリアさんは、各々(おのおの)好きなことをしてくれている。
ファリアさんは7日(1週間)ほどで、小学六年までの漢字ドリルをマスターした。
クルミラさんが寝ているときにファリアさんは、スマホでダウンロード済みの漫画を読めるほどに漢字は理解している。
早いよねー。『これは何ですか?』と聞かれて、よし教えようと意気込んでみたものの読めなかった⇒魑魅魍魎
狸獣人や狐獣人が使うのは、魑魅魍魎な技ですねー。と話を振られた。
化ける技を持っているらしい。
2人とも、料理ができないことから、ほとんどが外食だ。
そのため、毎回毎回違うお店や違うメニューを食べることにしているため、この街での異世界食事には詳しくなったとは思う。
ヘビ系統のモンスターやカエル系統のモンスターの料理は忌避感があったが、食べてみれば意外といける口だった。
朝食は、俺が日本の物を出している。
気づいたのだが、ソウルバッグは、賞味期限が進むということ。
どういうことかというと、5日間しか持たないパンがあるとする、5日間取り出さずにソウルバッグに入った状態のままだと、賞味期限が切れる。
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