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異世界転移 『俺と配下ときゅあーきゅあ』  作者: りんご!みかん!
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第2話 異世界(ソウル)に降り立つ

 強い光と視界のブレによってまた転移を体験した。

 こうやって転移という魔法のない世界に過ごしていた自身にとって、本当に異世界に来たのだと実感させられた。


 最初の転移の反省を活かし倒れないように横になっていたため、異世界への出現時も草原へ寝転がってるという状態で出現することになった。


 肌で感じる暑くも寒くもない適温で、太陽の位置的にお昼頃だろうか?

 木漏れ日から漏れる太陽の光と涼し気な風が頬を撫で、都会では味わえない緑の癒やしを感じる。



 俺が学校にいて最後に腕時計を見たときの時間帯は18時だった。

 そこから、24時間ショッピングモールにいたとすると、今18時くらいになっていないとおかしいと思う。


 もしかすると、ショッピングモールでの1時間は、この異世界での2時間だったり1日だったりした可能性も高い。

 そう考えると、出遅れてしまった感もある。



 とりあえず、立ち上がり、身体についた土や葉っぱなどをはらう。

 周囲を見渡す。辺り一面に沢山の木々が生えていた。俺は森の中にいるようだ。

 護身用特殊警棒を手に持ちながら歩いていると果実っぽいのが実っているのを見つけた。

 果実のなっている木には、鳥が突いたような痕や、動物?魔物が収穫したような痕が残っている。

 ここからは少し慎重に警戒しないと……


 俺の今の身姿は、茶髪(ヘアカラーで染めた)に茶色のカラコン。頭には、ヘルメットをかぶっている。

 シャツの上に防刃ベスト(360度カバーしてくれる)、手には厚手の軍手、ズボンに、つま先に鉄の入っている安全靴。右ポケットには、サバイバルナイフ、左ポケットには催涙スプレーを入れてある。


 森の中で当たり前だといえるが、地面は凸凹で自転車を使うのは難しそうだ。

 ソウルバッグに手を突っ込んで水を取り出す。

 ソウルバッグ本体は、自由に出し入れできる。

 常に持っていなくてもよく、隠そうと考えると、『スゥー』っと、身体の中に消えてくれる。

 ソウルバッグに手を突っ込むと、何が何個入っているのか脳に伝達されるようで、安易に把握することができる。

 取り出した水を一口飲み、残りをソウルバックに戻そうとバッグに入れようとしたのだが、『スルン』っと地面に落ちた。

 手が滑ったのか?と思い、何回か繰り返したが、ソウルバックに入ってくれなかった。

 これは、もしかすると、一度出すと戻せない系?

 少しまずいな。ショッピングモールのなかでは、出した後でも戻せたんだけどなー。

 近くに落ちていた、木の枝をソウルバッグに入れてみようとしたが、入ってくれなかった。

 異世界物の定番マジックバックとしては使えないみたいだ。

 マジックバッグとは、バッグの見た目よりも大きなものを入れれ、重さを感じないファンタジー世界の 優れものだ。

 マジックバッグの中でもランクがあり、低いものでは10kgくらい入れると限界だが、高ランクの物になるとドラゴンなどの巨体生物も平然と入ることが多い。


 

「ひとまず、街を目指すか」


 購入した品で、あまり使ったことない物はある程度練習してある。

 この場でわざわざ再度練習する必要もないだろう。

 出したら元に戻せないしな。


 森の中をぐるぐると回らないように100均で購入しておいたカラースプレーを木にふりかけ目印として自身の目線に入る位置にスプレーを塗布したあと、街に続くであろう人道に向かって歩きだそうと思ったがスプレーという異世界人の痕跡を残していいのか?と思い、やめることにした。


 歩くこと数分、不意に草むらがガサガサと音を立てた。

 少し後ろに下がり、草むらから距離をとる。


 音をたてないように息を潜めてじっと見ていると、オオカミっぽいのが出てきた。

 オオカミっぽいと表現したのは額に角が1本生えていたからだ。

 多分、モンスターだろう。ホーンウルフとかいう名前だろう。そう名付けよう。

 俺とホーンウルフの目があった。


 フルフェイスのヘルメットをしている俺。

 ホーンウルフは目があったとは思っていないだろう

 ホーンウルフは、銀色の毛並みで全長はそれほどと大きくない。

 一般的な猫くらいの大きさだ。


 口元からは鋭い犬歯が見えている。

 獲物を見つけたと思っていそうな顔をしている。



「一匹なら、問題なくやれそうだな」



 これが2メートルくらいの狼だったら潔く逃げるべきだろうが。これくらいの大きさなら大丈夫だと思う。

襲ってくるであろうタイミングに合わせて護身用特殊警棒を振りかざそうと右手に持ちホーンウルフをじっくり見る。


 左手には催涙スプレーを持つ。

 攻撃を外した際のための保険だ。



「グルルルル」



 ホーンウルフが威嚇してきたあと、襲い掛かってきた。

 護身用特殊警棒を振りかざす。



『シューン』



 うん、見事にかわされた。

 練習したとはいっても、動く相手に練習してないからな笑

 左手の催涙スプレーで顔に噴射する。


 ホーンウルフは、目が痛いのだろう、変な動きをし始めた。

 モンスターにスタンガンが効くのか気になったのでソウルバッグから取り出し、ホーンウルフの横に回り込み、毛の薄そうな位置に当てる。


『バチッ』とした音の後、先ほどまで、五月蠅かった声もしなくなりホーンウルフはピクリとも動かなくなった。


 死んだふりではないだろうが、いつ失神から目を覚ますかもわからないので、ホーンウルフの心臓部分をナイフでえぐる。


 心臓付近に魔石が埋め込まれているのは異世界物では定番だよね?



 「きもちわるっ」



 人や動物などを殺すこと等生きていて通常の人はないだろう。

 自分もその、通常の一般的な人間の1人だ。

 魔石をえぐる生々しさに少し吐き気を覚える。




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