第18話 2人目の自己紹介と食事
女の子が話し始める。
「ファリアです。18歳です。元図書館勤務をしていましたよろしくお願いします」
ファリアさんが俺のほうを見ているのだが、目が悪いからだろう、睨んでいるかのように感じる。
身長は150cmくらいでクルミラさんよりも大きい。
「はい。よろしくお願いします。ファリアさんは元図書館勤務(公務員という解釈でOK)のようですが、本がお好きなのですか?
「はい。大好きです。暗い所でも読んでいたため、目が悪くなってしまいました……」
☆☆☆☆☆
『ぐぅー』
と可愛らしい音を女の子2人が奏でたため、会話をそこそこにして、1階に降りて昼食をとろうと思ったが、2人が床に座るだろうと思ったので、食事は部屋でとることにした。
正直、奴隷を格下と思って優越感に浸るような悪趣味はない。
食べ物も、俺と同じ物を食べてもらう。
奴隷の食事は、主人が食べるものと同等などというのは聞いたことがないと二人に言われたが、そんなことはどうでもよい。
2人に奴隷になった経緯を詳しく聞いたところ、クルミラさんは、父親と2人で武器屋を営んでいたらしいのだが、父親が病気になり、その薬代を購入していた。
しかし、貯金もつき、自身用に作った義手を売りそれでも足りなくなり、奴隷落ちしたようだ。
ファリアさんは、図書館勤務という実質上の公務員をしていたらしいのだが、本が減っていると上司から指摘を受け、何者かによって嵌められ、罰金を支払わなくてはならなくなった。
しかし、支払うことができず奴隷落ちしたらしい。
何回か奴隷として購入されたらしいのだが、視力の悪いファリアさんは、もともと得意でなかった家事もうまく出来ず、そして、貴族のお気に入りの花瓶を割ってしまい、奴隷として売られてしまったようだ。
まともな、食事をとれ2人は泣いて喜んでいた。
どうも、犯罪奴隷や無価値奴隷は、他の奴隷に比べ食事の量も回数も少ないらしい。
良くて、1日1回。ひどいときは、3日なしというのも普通のようだ。
焦って、口にポンポンと運んでいたので、ときおりむせていた。
欠損のあるクルミラさんの分のステーキは、ファリアさんが切ってあげていた。
昼食は奮発して、この宿屋で一番高いものをメニューから選んだ。
ちなみに、朝食と夕食は固定メニューだ。
夕食は、追加料金を払えばグレードアップできる。
☆☆☆☆☆
食事をとり、部屋に戻ってきた。
デザートに出てきた、イチゴみたいな果実は、みずみずしく程よい甘さでおいしかった。
「では、2人に今後の役割をお伝えします」
「はい」
「お願いします」
食事を終え、おなかいっぱいで眠いのだろう、あまり目の開いていない顔の2人。
「クルミラさんは、鍛冶をしてもらいます。その為に、義手の作成を第一に進めます」
「ファリアさんは、クルミラさんのひらがな・カタカナを書けるように教育。クルミラさんの鍛冶の手伝い。こんなところでしょうか?」
「わっ、わかりました。ありがとうございます」
「かしこまりました」
「はいっ。了承していただきありがとうございます。それでは、眠たいでしょうが、再度水浴びを宿屋の庭でしてきてください。これがセッケンとタオルです」
「いっ、いいのですか?セッケンは、高級品ですよ?」
「大丈夫です。同じ空間にいるわけですから、良い香りをしてもらう為であり、自分の為でもありますから」
目を見開き前のめりになる2人にそう告げる。
「それと、これが、替えの洋服です」
2人に必要なものを手渡して、部屋から出す。
2人が、戻ってくる間に、明日の行動を考えた。
お金がいる。中級層の宿屋は決して安くはない。
この異世界の平民の月給は10万円から20万円だ。
3人で1日14000円。
ひと月で42万円も使う。
このままでは、赤字だ。
明日にでも、商業ギルドに行こう。
鍛冶のできる家でも売りに出ていればそれを賃貸するのも得策かもしれない。
不動産屋にも行こう。
旅のために、荷馬車も購入したいな。
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