第17話 自己紹介
安く、奴隷を購入することができた。
もともと、そこまでお金の持ち合わせがなかったから助かった。
カラーストーンを売ればお金に困らないだろうが、何度も売っていると怪しまれる。
俺自体は強くないから、襲われたりしたら、対応できかねる。
「ただいまです」
「あら、お帰り。早かったわね」
奴隷商をでて、まっすぐ宿屋に帰ってきた。
お昼を食べるためでもある。
この宿屋、昼食と夕食は店に泊まっていない者も食べに来ることができるからだ。
宿屋に泊まっていると、昼食代が割引になる。
「この子たちも、今日から泊まらせたいのですが、部屋は空いてますか?」
「それは、大丈夫さ。どうする?今の部屋取っ払って、3人部屋にするかい?それとも、1部屋ずつ取るかい?3人部屋にしたほうがお得だよ?」
「うーん。どっちが良いですか?」
俺の後ろに立っている2人に聞く。
「お任せします」
と二人から返事が来た。
奴隷は意見を言わないのが、普通だからだろう。
「じゃぁ、3人部屋でお願いします」
大丈夫だとは思うが、夜泣きとかするかもしれないし。
夜、俺が寝ている間の行動を確認したいという気持ちもある。
奴隷とはいえ、奴隷の首輪などで縛っているわけではない。
強制力がないから、寝静まった夜に俺を殺してから、逃げ出す可能性もある。
まぁ、今日寝るまでに、どこまで打ち解けれるかがカギになるな。
俺は、誰も心から信用はしないけどね。
誰かに依頼することはあっても信用はしない。
最悪のケースを考える。
その性格もあって、ジャイアントオークからも逃げることができたし。
「はいよー。じゃぁ、204号室を使いな。これ鍵さね」
カギを受け取り、自室であった部屋から置いていた荷物をマジックバッグに移してから階段を登り、204号室に来た。
俺がいた部屋よりも2倍の広さがあり、シングルタイプのベッドが3つあった。
扉を開けて、今回もファプリーズを部屋中の至る箇所に振りかける。
良い香りでうれしい気持ちになったのだろうか、2人の顔が和らいだ気がした。
人間にとって、香りは重要だったりするらしい。
心が落ち着いたりするなどの効果があると言われている。
恋愛面においても、香りというのは異性に対して武器になりえるらしい。
女性にどのようなフェチかアンケートした結果、匂いと答えた人が50%を超えたデータもある。
好きな香りにもいろいろなパターンがあり、『せっけん』や『柔軟剤』の香りなんかは、普段の日常で嗅いでいる香りの為、相手に安心感を与えることもあるようだ。
そしてローズの香りは身につけることで女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を促進することから、男性を惹きつける力があるようだ。
そして、今回俺が選んだファプリーズはグレープフルーツの香り。
柑橘系の香りは石鹸と同じく、老若男女問わず多くの人から愛されるらしく、そんな柑橘系の香りにはリラックス効果・人の気持ちを明るくする効果があると言われているらしい。
「じゃぁ、まずは俺から自己紹介をしますね」
本来奴隷に敬語を使うということはない。
だが、俺は引きこもってからは、基本的に誰に対しても敬語を使うようにしている。
あまり、深くかかわらないように徹している。
今回、奴隷を購入したのは、日本と違い命の危険もあるこの異世界であるからだ。
1人でいることは、複数でいることよりも危ないと判断した。
一般人よりも奴隷のほうが信用に値すると思ったからこの選択をした。
「サクです。一応冒険者をしています」
簡潔に済ませた。
「じゃぁ、次はドワーフの子からお願いします」
「クルミラです。20歳です。奴隷になる前は、鍛冶をしていました」
茶色のボブヘアーのクルミラさん。
ドワーフの為、身長が140cmと小さい
成人していて140cmなのだ。
「クルミラさんですね。よろしくお願いいたします。質問してもいいですか?」
「はい、大丈夫です。よろしくお願いします」
「鍛冶では、武器と防具を作っていたのですか?それとも、農具とかですか??」
「私は、主に武器を作っていましたが、防具や農具も依頼があれば作っていました。それ以外では、父親と一緒に義手も作っていました。自身のために」
「分かりました。ありがとうございます。義手とは、鉄で出来たものですか?」
「はい。その通りです」
この異世界に義手の作成技術があったのは良かった。
義手については、スマホに技術をダウンロードしてあるからアルミニウムについて追及していけば大丈夫だろう。
「ありがとうございます。では、次の方、お願いします」
もう1人は、ボサボサの薄い緑色のショートカットの女の子。
お読みいただきありがとうございます




