第102話 戻ってきた者たちとお風呂屋とムント国Sランク商人のガーリベルト
今回『4900字ほどです』
「お目通りしたいという者が来ております」
国王様たちが帰ってから、俺が子爵位を授与されてから1週間後。
夕方、いつも通り、屋敷P2で事務作業をしていた。
執事として雇用した、アイムスさんが領主の部屋をノックして、『お目通りしたいものがいる』と教えてくれた。
「はいっ、今から行きます。応接室で待たせておいてください」
なんだ、なんだ?冒険者ギルド・商業ギルド関連か?
別にこの街には必要ないと思っているんだけど。
まぁ、商業ギルドはあってもいいなとは思うよ。
冒険者ギルドがいらない理由は、騎士の数。
現在、騎士の数は500名。
領民の3分の1は騎士。
多すぎる?笑笑
見習い騎士に、街の清掃活動やポーションなどに使う魔草採取をお願いしてあるから、冒険者ギルドの必要性がなく問題ない。
ドラーファの街までは、基本、騎士が安値で護衛するから、冒険者必要ない。
強いモンスターも現れない為、至って平和だ。
騎士の人数が多い場合、冒険者ギルドは街になる為の絶対要件ではないと王様から聞いている。
困り事があれば、騎士所に趣き依頼をする。
領民であれば割り引きになる。
『子供が迷子になっているんです』などの捜索願いは無料で引き受ける。
そこら辺は、フィーリングだ。
その場の雰囲気に任せている。
俺が選んだ魔力の鮮やかな者たちのそこら辺は、気にしていない。
○○のモンスターの毛皮が欲しいなどの依頼も騎士が引き受ける。
領地を守る騎士の実力アップにもつながる。
「お久しぶりです。ニゲルンです」
俺が、準男爵として、来てから次の日に家具を持ち逃げした者たちが来ていた。
わざわざ、名前を憶えていなかったため、ニゲルンって名前にびっくりした。
「それで、どうしたんですか?忙しいので、簡潔におねがいします」
めんどうくさいので適当にあしらう。
「子爵家になったと聞きまして、ゲスゲス子爵家時代に働いていた私たちが戻ってきたほうがより良いものになると思い、馳せ参じました」
汚い魔力の者たち。
「はぁぁぁー」
大きなため息をつく俺。
俺のため息に動揺している様子だ。
「すみませんが、お帰りください。ここまで到達する間に、この街を見たと思います。あなたたちの必要性を感じられません。それに、あなたたちは家具を俺の断りなく持っていきましたよね?窃盗罪で、騎士所に連行しても良いのですが……」
『バタバタ』
音を立て、逃げ出していく者たち。
「アイムスさん。今の人たちが、この街を出るまで騎士にお願いして監視をつけてください」
「はい。かしこまりました」
部屋を出て行くアイムスさん。
「きゅあきゅあきゅあきゅあ」
俺が1人になると、こうもりΔ(でるた)が窓から入ってきて俺の肩に乗った
「分かった。ありがとう」
~お風呂屋~
アサヒ街には公衆浴場を設置してある。
店長はもちろん、苺谷さん。
木造建築の旅館が完成するまでの2、3か月ほど、苺谷さんに任せる予定だ。
現在、超特急で大工たちが旅館の建築をしている。
大工の人数たくさん連れてきた。200人ほど
旅館完成後、仕事がなくらないように、娯楽施設を作ってもらおうかな。
それと、大工の学校でも作って、勉強してもらう予定だ。
将来的には、高層マンションとか作ってもらえると嬉しいかな。
「この石鹸をたくさん購入させろと言っているんだ」
商人風の男が大声をあげて苺谷さんに怒鳴っている。
いるよねー。怒鳴れば、無理難題が通ると思っている自己中人間。
「数に限りがありますので、1人1個までとなっています」
苺谷さんがショッピングモールで購入した品、セッケンをたくさん欲しいみたいだ。
「意味が分かんねぇ。買わせろと言っているんだ。俺を誰だと思っている」
誰ですかー?と思った。
高ランクの商人は、俺の領主の屋敷に手土産持参で来て、挨拶していく。
魔力の鮮やかさに応じて、免税カードを渡している。
この男は、俺の屋敷に来ていない。
「誰ですか?」
俺は男に向かって話しかけた。
「ムント国Sランク商人のガーリベルトだ」
誰だー!!!!誰なんだ。
執事のアイムスさんに最低限覚えておいたほうが良い商人について教えてもらったが、他国までは知らない。
「この店は、この街の領主、アサヒア子爵、管轄のお店なのですが、それを知っての対応ですか?」
ガーリベルトは驚いた顔をする。
「おう。キャプテン。どうした?」
船(アクアマリン号)の船長を任せているゾーラが、風呂から上がってきたようで、タオルで髪を乾かしながら歩いてきた。
「このガリガリなベルトさん?が従業員に文句を言っていたので助けに来ました」
「ガーリベルトだ。ガリガリなベルトではない」
「はい。ガーリベルトさんですね。それで、無理難題はもう言いませんかね?」
「ふんっ。領主管轄の店で文句を言うほど、バカじゃねぇよ。俺はSランク商人だからな」
ガーリベルトは風呂屋から出て行った。
「ゾーラさん。明日、ムント国に行きますよね?よろしくお願いしますね。気を付けて行ってきてください」
「おう。任せておけ」
「くれぐれも天使の実を探しに行ったりしないようにしてくださいね」
ゾーラさんお風呂が気にいったようだ。
火魔法使いを船に乗組員としてほしいと俺にお願いしてきたので受領した。
基本、水の中に火魔法のファイアーボールをいれればお風呂になる。
そして、セカンドピースという海賊の話をゾーラさんにしたところ、『俺は天使の実を探しに行く』と言い始めた。
天使の実、無いと思うんだけど。
いや、魔法のあるファンタジーな世界だ。
存在していててもおかしくないのか??
天使が存在することは、キュアートさんから聞いているから、存在するかもしれないな。
☆☆☆☆☆
お風呂屋は、入り口をくぐると、目の前に靴置き場。
靴置き場から右に向かうと、料金を支払う受付と売店がある。
営業時間は、朝5時から20時までである。
時計はないため、そこら辺は雰囲気だ。
早起きの暇なご老人が朝風呂に来るため、お食事所兼休憩場所では、老人会かのように毎日賑わっている。
受付で、お風呂の選択をする。
海水のお風呂 500円 (領民 300円)
真水のお風呂 600円 (領民 400円)
りんご風呂 800円 (領民 600円)
みかん風呂 800円 (領民 600円)
れもん風呂 800円 (領民 600円)
真水のお風呂には、追加料金で入浴剤を入れることが可能。
色々と入浴剤を準備しているようだが、薬用ホットタブ重炭酸入浴剤(ビタミンCやクエン酸が配合されて体温上昇効果が大きい)が、1番人気だと苺谷さんから聞いている。
あの『シュワシュワ』が気持ちが良いのであろう。
『りんご風呂』
りんごをよく洗いそのまま入れても良い。
薄くスライスしてから入れても大丈夫。
切ったあとの皮でも大丈夫。
りんごに含まれているりんご酸にはお肌の保湿効果があり、血流も促進する。
さらに、りんごの甘い香りは幸福感をもたらし、リラックス効果も期待できる。
疲労回復、気持ちの安定、リラックス効果で心身ともに温まることができそう。
『みかん風呂』
よく洗い丸ごと入れても良い。
皮だけ乾燥させ、みかんを買った際などにみかんを包んでいる赤いネットに入れてから風呂に入れるのも良いと言われている。
みかんの皮に含まれる『リモネン』という成分がお風呂に入れることで浸み出し、身体を温めてくれる効果に加えて、酸化防止効果によって美肌美白作用もあるそうだ。
肌をなめらかにしたり、かゆみを防いでくれる。
『れもん風呂』
れもんを、そのまま入れても良い。
れもんを潰してレモン汁だけ入れるのも効果が、あるようだ。
輪切りにして入れるのも彩りよくてGOOD
れもんの皮から溶け出る成分が肌荒れ改善や美白効果をもたらすそう。
れもんのさわやかな香りは、心地良さを醸し出す。
レモンサワー美味しいよな。
アルカリ性になった肌を、れもんの汁が酸性に戻し、潤いのあるしっとり肌に。
基本的に果実まるまる入れるのではなく、皮を入れることにしている。
もったいないからだ。
食べ物は、食べないと。
りんご風呂・みかん風呂・れもん風呂については、風呂上がりにレモン水を無料で提供することにしている。
領民は領民カードを見せることで割引となる。
お風呂屋以外にも、他に競争しないようなお店(領主管轄のお店)は領民カードで割引となる。
受付を通ると、右側にお食事所兼休憩場所、左側に脱衣所とお風呂が設置されている。
脱衣所内のスペースに、マッサージ部屋を完備している。
脱衣所で着替えると、お待ちかねの、お風呂が一定の距離を置いて、並んである。
風呂に浸かる前に、『かけ湯』と身体を洗う場所を用意している。
かけ湯は、体の汚れを落としてから入浴する日本のマナーと思っている方が多いと思う。
風呂の温度に身体を慣らすための大切な意味があるようだ。
これで、入浴中の脳卒中、心臓発作が防げるとのこと、急にあたたまるのを防止するのであろう。
手・足など心臓の遠くから肩に向かって、湯を、かける。
入浴後に喉が渇き、冷たい飲み物を飲んでいる光景が、普通だと思う。
単純に喉が渇くから飲んでいる人が多いと思う。
これは、入浴による発汗で血液の粘度が上がり血がドロドロになるのを防ぐ意味もあるようだ。
入浴後の水分補給も大切だが、血がドロドロになるのを防止するために入浴前にも水分を摂るのが良いようだ。
確かに、俺も脱水症状を防止するために、お風呂に入る前に飲み物を飲んでから入るように心がけている。
お風呂に入る時間、入浴可能時間は、30分以内を目安にしている。
循環率を上げるためと、脱水症状防止だ。
この世界の獣人は、全身毛むくじゃらというわけではなく、尻尾があり獣耳がある以外は、人間と変わらないため、風呂に、入っても、そんなに抜け毛はでない。
安くても、1回の入浴500円と月収10万円の平民からしたら毎日入ると給料の15%を占める。
独り身なら良いが、家族だと、この出費は辛いであろうと考え、領民割の他にも家族割というものを作った。
家族で来た場合は1人100円で、真水のお風呂を提供している。
お風呂屋はキレイになれるのと、受付で1回分のセッケン類を無料で提供しているなどで、女性受けが良い。
良い香りがすると評判が大きかった。
男性も、お風呂に入るようになってから、娘や妻から『臭いから近寄らないで』と言われなくなったと言って泣いて喜ぶものもいた。
いろいろと大変だったのであろうともらい泣きしてしまった。
最近、涙もろい。困ったもんだ。
昔、シャワーよりもお風呂に入った方が体臭が軽減すると聞いたことがある。
お風呂に浸かることにより、毛穴が開き、隅々まで汚れが取れるとのこと。
シャワーは時間がないときに、楽だけど、臭いと思われるのは辛い。
お風呂に入るべきだなと、その情報を聞いてから、シャワーで済まさないようにしている。
まぁ、この公衆浴場は俺の好きな小説【異世界召喚『勇者を☆☆☆者』に真似て作った。




