第100話 苺谷さんと旅館の準備。軽自動車と王様
今回『2000字ほどです』
「温泉は、源泉湧き流しだね」
苺谷さんを連れて、山のふもとの温泉まで来た。
苺谷さんに、敬語を使わなくて良いですよと伝えてある。
特に理由はない。
「はい。足元から、ぷくっぷくっと言った具合に源泉が湧き出てきます」
「ちょっと、入ってみてもいい??」
「はい、大丈夫ですよ」
俺の返事を聞く前に脱ぎ始める苺谷さん。
なんなの?痴女なの?
俺は、後ろを向いて、苺谷さんが視界に入らないようにした。
「朝比愛くん。もう浸かったから、こっち向いていいよ」
その言葉を聞いて振り返る。
「旅館は、木造建築にするとして、水風呂やサウナも作りたいよね。各部屋もこだわりたいかな。食べ物には温泉たまご、温泉饅頭。遊び場には、卓球、エアホッケー。娯楽にはマッサージ。何か動物の等身大の剥製も欲しいな。旅館の名前入りのバスタオルや浴衣。下駄、掛け軸、どこまでをアメニティーにしようかな。観光利用としての旅館なら、別に旅館にこだわらずに、温水プールとかもありかも。露天風呂付の客室も作りたいな」
それから、ぺらぺらと話し始めた苺谷さん。
木造建築にするなら、魔法が使えないな。
地道に大工さんにお願いすることになる。
時間は、かかるがしょうがないか。
他のことをしていこう。
~アサヒ村に到着~
温泉までの道順は舗装してあるので、ファスの街で手に入れた、ソウルバッグから自動車を出して乗っている。
夜な夜な、1人で1カ月ほど練習したので運転には問題ない。
4人乗りの軽自動車
バックは苦手です。
バックモニター付きじゃなかった。ショック。
キュアートさんとドラーシァさんに予備も含め3台渡して、改良をお願いしてある。
この二人のペアなら大丈夫だと思う。
魔法船初めて造ったのも、この2人のようだから。
風の魔工石を埋め込めば、ガソリンが無くても、進み、エアコンとして涼しい風も出せるだろう。
暖房は、火魔法と風魔法、水魔法の兼ね合いかな?
神様、見てる?
俺、頑張っていると思うんだけど。
まぁ、適材適所の人に指示(お願い)しているだけで、俺は全然働いていないんだけどね。
今も、俺の領民たちは、せっせと畑を耕したり、海で魚を取ってきたり、山に入って果実をもぎ取ったり、モンスターを討伐してお肉を取ってきて、毛皮で服を作ったり、他の街に藍川さんの作った調味料を売りにいったりと働いてくれている。
この藍川さんの作成した調味料『オーディ』は、オークキングの脂身に様々な物を合わせてから作った深い味わいの調味料。圧倒的な香ばしさが癖になる。
チャーハンに使う時が俺の中で、一番良いと思う。
その他、この異世界にある調味料やショッピングモールで購入した品を使って新調味料を作成しているようだ。
という具合にみんな頑張って働いてくれている。
俺は、苺谷さんと話しているだけ。
なんか、申し訳ない。
セカドの街に置いてある会社、セカディアチェリーもミーティングくらいしか参加していない。
簡易転移魔法の描かれた俺の会社の社長室の自室で、絶対服従の配下が、毎日問題点を紙に書いて、アサヒ村の俺の屋敷の自室に転送してくれるため、会社に顔も出していない。
ミーティングに参加するだけで、お金が入ってきている状況だ。
「サクヤさま。王様がお見えです」
執事のおじいさんが門の前で待っていた。
車の窓を開けて、話を聞いた。
「分かりました。王様たちは、屋敷で待っているんですか?」
「はい。そうです。お急ぎください」
急げと言われたが、俺は村の中を徐行して進む。
人を轢いたら大変だからね。
車が直ちに停止することができるような速度で進行している。
具体的な速度は法律には書かれていないが、国会で徐行は、『時速4・5kmほど』と発言したようだ。
ネットニュースで見た。
どのような人が言ったのかまでは覚えていない。
「お久しぶりです、2か月半ぶりくらいですかね?」
苺谷さんを、領主の屋敷P2に降ろした後、王様たちの待つ屋敷p1に向かった。
車を庭に駐車し、屋敷の玄関を開け『王様たちはリビングにいます』ということをシャボンさんに教えてもらい、リビングへと向かった。
「はい。会いたかったです」
3時のティータイムの時間のようで、藍川さんお手製のストロベリーティーの香りが部屋に広がっている。
シャルルさんは、部屋に入ってきた俺に気づくと、ソファーに座る俺の隣へと座る位置を変えてきた。
少なくとも、嫌われていないとは思う。嬉しい限りだ。
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