第1話 神様の遊戯
誤字脱字、説明不足、言葉の使い間違い、ストーリーの不自然な流れなど多々あると思います。
優しく見守っていただけると幸いです。
よろしくお願いします。
なんとも、まぁ、俺の日常の崩壊は唐突に訪れた。
放課後、青春を謳歌し部活に明け暮れる生徒たちの声や音が、グラウンドや体育館、音楽室などから響いてくる。
普段だったら放課後はすぐに、帰宅するのだが今日は、運悪く日直で教師に用事を頼まれて校舎に残る事になった。
高校生になり1年が経ち、中学の時とは違う平穏な日常は続くと思っていた。
しかし、つまんない平穏な日常は突如として終わりを迎えた。
何故か、日常とは違うことが起きた。
立ち眩みか?と思うようなブレが襲ったかと思うと身体を温かい真っ白な光りに包まれた。
俺は、突然の眩しさに目を瞑った。
急に立ってた台を引き抜かれたような浮遊感を感じ平衡感覚が狂い、そのまま後ろに倒れ込む形になる。
吃驚して目を見開くとそこは、比較的最近、近所にできた巨大ショッピングモールに似た大きなエントランスホールだった
『どういうことだ?何が起きたんだ?』
と辺りを見渡すと俺と同じように、たくさんの者が倒れこんでいた。
皆、きょろきょろと俺と似たような行動をとっており、辺りを見渡している。
とりあえず立ち上がろうとしたがうまく身体に力が入らない(顔から上は動いた)
皆も同じようだ。
おしゃべりはできるようで、ざわざわと五月蠅い声がこだまする。
首を動かし分かったことは、このエントランスホールにいるのは俺の通っている高校にいた者たちということ。
クラスの人たち、1年生、2年生、3年生。教師、用務員さん、たまに見かける野良猫やカラスなんかもいた。
動物たちは『にゃーにゃー』『カァーカァー』と鳴いている。
学年が分かる理由は、制服の襟部分に学年別に色の違ったライン(線)が入っているからである。
部活で着替えてた生徒はその服装のままで 野球服や体操服のままの生徒もいた。
そして、あらかた周囲を確認し、ボーっとしていると大きなエントランスホールの、真ん中の不自然に空いた空間から何やら神々(こうごう)しい感じがする若い赤髪の少年が突如現れ話し始めた。
その少年は空中に浮いて、りんご?を食べている。
「ようこそみなさん。私はみなさまの云うところの神と呼ばれる存在です。あなたたちは異世界に選ばれし者です。剣や魔法、ダンジョンありモンスターが跋扈する世界にあなたたちは行くことになります。魔法のある世界ですが、あなた方にはお渡しできかねます。貴方たちの元いた世界では魔法が存在しない、よって魔法を使える身体ではないため、魔法をお渡しできません。その代替えとして、ソウルバッグのお渡しという形をとらせていただきます。このソウルバックでは、今皆さんのいる大型ショッピングモールで購入した商品を異世界にて取り出すことが可能です。もちろん、ショッピングモールですのでショッピングしなければなりません。あなた方の財布の中にお金を入れておきます。財布を持っていない方はズボンなどのポケットに入れます。そして、ショッピングモールでの所持している金額以上の物も1点であれば購入可能です。ですが、その際はそれだけしか持っていくことはできません。ソウルバッグに購入したい商品を入れると自動的にお金が手元から消えます。ショッピングモールを出るまでは、原型をとどめていればいつでも返品可能です。あなたがたを異世界へと連れて行く理由は、その世界で暮らし豊かにしてほしい。進んだ技術のある日本のノウハウなどを異世界に広めてほしいこの2点です。死んだら元の世界に戻してあげますのでご安心ください。十分に技術が広まったら、広めた人達の貢献度に応じて願いごとを聞きましょう。それでは、仲の良い人とパーティを組んでください。組みたいと思う人と手を組むようお願いします。その後、同系統の技術に偏らないように各々の行動はパーティメンバー以外見えなくなります。パーティのメンバーは最大7人です。そして神様への質問は、内容に応じて金額を示します。神様の像に話しかけてください。返答はYES/NOで答えます。このショッピングモールに滞在できる時間は、今から24時間です。それでは、はじめっ!!!」
『ガヤガヤ』
皆が、パーティーを組むために立ち上がり始めた。
友達のいない俺は、一人で考えを纏めるためにこの場所から離れトイレに籠もり考え込むことにした。
取りあえず、ソロでいくことは確定しているな。
中学時代いじめられた俺は高校でも浮いた存在で、友達などいない。
俺がそう考えた瞬間、今まで耳障りなほど聞こえていた声がなくなって、無人で無音の場所のような静かすぎて逆に、耳に小さくキーンという音が聞こえてくる。
数分経っても自分が発する音以外の音がしない。
俺は今の現状について、思考を続けた。
ある程度思考がまとまり、とりあえず、財布に入っているお金を確認し神様の像の下へと向かった。
10万円がもともとあったお金とは別に入っていた。
日本円である。
因みに、このショッピングモールにくるまでに所持していたBAGや携帯などは、手元にない状態だ。着ていた服に財布があるだけ。
神様がもともといた場所に像はあった。
空中になど、浮いていなく床の上に立っている。
早速、質問してみようと思う。
『神様は、嘘をつきますか?』
ここで嘘をつくようでは、YES/NOの返事が意味の無い元となってしまうからな。
『NO』
そこまで高くない金額だったのでそのまま返答を聞いた。
NOという返事がかえってきて取りあえず安心した。
まぁ、完全には信じないが、信じないと質問が進まないからな。
『異世界に降り立つ場所は、皆同じですか?』
いじめられていた中学生時代にパソコンで見れるネット小説にはまっていた俺は、この質問を選んだ。
俺の読んでいた異世界ファンタジー物の小説では、空からの開始や、海の中でのスタート、砂漠や極寒、酷暑の場所に放り出され、異世界で厳しい環境の中、生きていくものを見ていたからだ。
ちなみに、異世界物を見ていたとはいっても、たいてい30話くらいで読む手が進まずやめてしまうことが多々あった。
最初の始まりが好きなのである。
いろんな、系統を見てきたが、忘れていることもあると思う。
『NO』
『自分が、降り立つ場所は、手ぶらで言って知的生命体が長期間生存できる生活圏内ですか?』
自分が降り立つ場所は生きていける場所ですか?という質問をすれば、1日なら生きられるような場所という判断をされる恐れがある為、言葉を選び聞いた。
YESかNOでしか返事をしてくれないのは、ほんとに困るよな。
『YES』
『自分は、このショッピングモールで所持金を増やす手段を持っていますか?』
何故か、真面目そうには感じない神様の身姿をみて何かグレーゾーンがあるのではないかと思い聞いてみた。
財布の中にキャッシュカードがそのまま残っているのも確認しているからだ。
中学生の時のお小遣いに、毎年のお年玉。中学卒業祝い、高校の入学祝いなどなどひっくるめて、結構な額が俺のキャッシュカードには入っている。
中学時代からひきこもりとなって、親に迷惑をかけている俺は、もらえるほとんどのお金を手付かずでいた。
将来的に、親に何か大きな買い物でもしようかと考えていた。
『YES』
YESという返事が返ってきた。
像が一瞬、『ニヤッ』と笑った気がした。
神様が心を読めるのは、異世界物ではよくある話だ。
『日本円は、異世界に行くとそちらの貨幣に変換されますか?』
『YES』
日本円を残したところで意味があるのか聞いてみた。
街などに入る際に、入門料などをとられるのは異世界物では定番と言えるだろう。
言葉を理解できるかどうかはわざわざ聞かなくてよいかな?
理解できないことが分かったとしたも、今、対応の仕様がない。
言葉が通じないと仮定して考えると買うべきものは、紙とペン。
絵かなんかを書き、頑張るしかないだろう。
そろそろ、お金も3分の1ほど使ったからショッピングに行こう。
ショッピングモールの全体図の描かれているものを探そうかな?と思って歩き出すと、比較的すぐに見つけることができた。
どうやら、このショッピングモールは7階建てのようだ。
今自身のいる、現在地は1階。
「キャッシュコーナーはどこかな?」
タッチパネル式の用で、拡大したり縮小したりして探す。
キャッシュコーナーは、地下のゲームセンターのところにあるみたいだ。
完全に、神様何か企んでいるよな。
異世界を繁栄させてほしいならキャッシュカードについて教えてくれればいいし、この状況でゲームセンターに行く奴なんて頭のおかしい者しかいないだろう。
異世界でゲームがしたいと思うなら、ゲーム機を買うだろうし、ここでしか遊べないゲーセンで24時間という限られた時間を消費するのはもったいない。
まぁ、UFOキャッチャーが得意な奴なら、ぬいぐるみなんかを定価で買うよりはお得になるだろうが。ちなみに、俺は苦手だ。
「カードを入れてください」
地下一階について、キャッシュコーナーの機械の前に立つと機械的な女性の音声が聞こえた。
財布からキャッシュカードを抜き機械に差し込む
「こちら、120万円です。お取り忘れにご注意ください」
暗証番号や、取り出したい金額など入力せずに俺の貯金していたお金が現れた。
万札の束をいざ手に持ってみると驚く。
なんか、金持ちになった気分だ。
ロングファスナーの長財布には、お札が収まりきらなかったので、備え付けてあった封筒にお金を入れて手に持ち歩く。
神様の言っていたソウルバッグは白色で肩にかけて持ち運ぶショルダーバッグだ。
購入したものをこの中にいれると入るのだろう。
異世界物で言うマジックバッグ的な感じだろうな。
時間経過するかどうかも気になる。
とりあえず、1階から7階まで見て行こうと考え歩き出すことに。
異世界にはモンスターがいると神様は言っていた。
力のない俺はおもちゃのように亡き者になる可能性もある。
武器は必ず買う。
自身の中でハマっている『護身用特殊警棒』は忘れずに買うぞ。
格闘経験などがない初心者でもある程度戦いやすいはずなので是非欲しいものだ。
【1階】フードコート/食品コーナー/車関連
ひとまず、ウィンドウショッピングをすることにした。
エスカレーターの近くに展示品の車が置いてある。
ガソリンは満タンの用だ。
高2の俺は無免許だから車は買わない。
異世界だから、正直、資格の有無なんて関係ないだろうけど。
値段などを考えると、買わないのが得策だろう。
ガソリンを使い切った際は、ただの鉄の塊になってしまうからな。
そう思ってきょろきょろとしていると展示品の横に、ご丁寧にもガソリンも容器に入って売ってあった。
これは、誰かとパーティを組んでいないと車を選ぶのは愚策になるな。
俺と同じで、キャッシュコーナーに気づいたものでお金持ちでもない限り、車を買って、予備のガソリンを購入する資金まで残らないだろうからな。
香りに連れられて、パン屋に向かった。少し小腹がすいてきた。
試食できる品もあるみたいなので、食べることにした。
ベーコンエピに、アップルパイを食べた。
一口サイズで食べやすい。
「ベーコンエピに、食パン、フランスパン、ロールパン辺りで良いかな?」
異世界物は、平民が食べられるパンなんかは硬いことが多いからな。
黒パンと呼ばれていることが多い。
ベーコンエピ・フランスパンは純粋に好きなのと、食パンは応用が聞くからだ。
置いてあった、袋にトングでパンを入れソウルバッグに入れた。
「賞味期限のことを考慮するなら、缶詰、ラーメンなどのインスタント食品、レトルトのカレーとかカレー粉辺りだよな。ソウルバッグの構造についてわかっていないからな。常温で大丈夫なのを買うべきだろう。それと、ジャム関連も賞味期限が長いっていうよな。冷蔵保存がおすすめだが、常温でも大丈夫と聞いたことがある。スマホで調べられないのは不便だな。まぁ、乾パンも買って置こう。調味料はお約束だよな。砂糖や塩、胡椒に一味や七味唐辛子。栄養剤も購入だな。栄養ドリンクもいる。あとは飲み物だな。」
自分の好きな、缶詰を入れていく、サバ缶などは苦手なので入れない。
果物の缶詰がほとんどだ。
インスタントラーメン、レトルト食品の味は1種類ずつ入れた。
甘口・中辛・辛口など。
独り言としてつぶやいていたものをあらかた買い終わり2階へと向かった。
【2階】ファッションコーナー/ジュエリーコーナー
「ファッションコーナーか。買うとしたら、パンツや靴下かな?あのブランドなら良い品質でシャツは500円だし、とりあえずユニシロに行くとするかな?」
パンツは2種類、ボクサーパンツ・トランクスタイプを購入した。
冬はボクサータイプ、夏はトランクスタイプと俺は履き分けている。
シャツにズボン、ヒートテック上下を購入。
極寒に行く可能性もある為、ダウンジャケットやマフラー、ネックウォーマー、ニット帽、手袋も忘れずに購入した。
「ジュエリーコーナー。異世界での資金確保に買って置くか。ここで重要なのは、高級品じゃなくて500円くらいの色のついたパワーストーンなんかが高く異世界で買い取ってくれることが多いことだ。ブレスレット・ネックレス・イヤリングも買って置くか。ピアスはやめておこう」
【3階】ライフグッズ/薬系
100均と薬局に向かった。
「手鏡とか売れるよな?ノートも買っておこう。色鉛筆も、はさみもいるな、セッケンに除菌ティッシュ、絆創膏、わかっていたけど100均有用だな。サランラップに……」
手鏡は丸いのが異世界では、売れるんだったかな?
丸く加工する、技術がなかったり乏しかったりする異世界だと。
「解熱剤に風邪薬、胃腸薬、鎮痛剤、目薬、滋養強壮剤、包帯、消毒液、体温計、オムツ、熱さまシートにシップ、歯磨きセット、タオルにハンカチ、シャンプー関連、ティッシュ、カラーリング剤」
【4階】電気コーナー
電池式のケトルを購入。電池も購入。手回し発電機付きの懐中電灯。電子辞書、スマホとソーラーバッテリーを購入、スマホはネットにアクセスし異世界で使えそうな情報をダウンロードした。
ダウンロードする際通信料がかかるみたいだ。
異世界では、ネットは繋がらないだろう。
今、ここに入れる残りの時間でどれだけたくさんの種類をダウンロードしておけるかが鍵になるだろうな。
パソコンも買おうかと思ったが、自身が使ってカスタマイズしているものでもないし、充電その他もろもろを考えるとスマホに軍配が上がった。
【5階】サバイバルグッズ/武器防具コーナー
ヘルメット、スリングショット、サバイバルナイフ、ゴーグル、双眼鏡、分厚い手袋、つま先に鉄の入っている安全靴、マウンテンバイクに予備のタイヤ、空気入れに修理キッド、一応折りたたみ自転車も購入。長期保管水(5年)、簡易浄水器、簡易トイレ、食料調達の道具(釣り針など)、裁縫用の針と糸、コンパス、メタルマッチ(マグネシウム性のロッド部を少量削り、ナイフやストライカーと呼ばれる器具で火花を飛ばして火を起こす道具)、ソーラーLEDランタン、ヒートシートのテント、スタンガン、催涙スプレー、護身用特殊警棒、防弾ベスト、防刃ベスト、グレネード、メリケンサック、手裏剣
【6階】書店コーナー/家具コーナー
本は火種にもなるし、紙媒体の本は有用、現地人が日本語や英語等を理解することができれば数学・科学・建築学なども良いな。
家具コーナーでは、毛布とクイーンベッドを購入した。
ベッドは、無駄遣い感が半端ない笑
【7階】駐車場
駐車場は、車を購入した者が練習するためにあるのだろう
ある程度買い終わり、神様の像の下まで戻ってきた。
お金は使い切っていない。異世界の貨幣に変換されるから。
購入した商品は、ソウルバッグに入っている。
『他人のソウルバッグを奪えますか?』
もし、自身が取られたらという恐怖心が芽生えたので聞くことにした。
『YES』
『その方法の1つに殺戮はありますか?』
豊かにしてほしいといっているがあの神様、裏がありそうだ。
『YES』
『他人のソウルバッグを集めると、その商品らを出せること以外に良い事はありますか?』
『YES』
この質問には2つの意味が含まれている。
他人のソウルバッグを自身も使えるのか?という質問と、それ以外の利益についてだ。
ソウルバッグのソウルは魂という意味のはずだ。何か怪しい。
『黒髪黒目は珍しいですか?』
『YES』
目立っちゃいけない 早速購入したカラーリング剤を使おう
『種族同士、あるいは、他種族間での大きな死者を出す争いは現在起きていますか?』
『NO』
小さないざこざはまぁ、あるだろうな。
『死んだら元の世界に戻してあげるとは、死んで元の世界に戻ったときに先に亡くなった人と視界に入れて会うことはできますか?』
『NO』
また、神様の像が笑った気がした。完全に何か裏があるな。
ソウルを魂とすると、魂だけ日本に戻しますよ?的な可能性もある。
他人の、ソウルバッグが奪えるということはこれは、もしかしたらデスゲームになる可能性がある。
☆☆☆☆☆
異世界での街に入る際の入門料(通行料)くらいを残して、質問や追加での購入、スマホへのデータのダウンロードをして、24時間きっかり、このショッピングモールに滞在した。
お読みいただきありがとうございます。
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