御用達
砂賀町で昔ながらの城下町では、砂賀家御用達という標識が掛かっている家がある。
その中で最大なのは、刃物師の鉄砂家だ。
鉄一族の長にして、砂賀家当主専門の金属加工を取り扱う。
生まれた時の守り刀や、日々使う刃物類も、全てこの鉄砂家の当主が一つずつ手作りする。
元々は、今でいうところの奈良県にいたそうだが、砂賀当主が刀の鍛造のために連れてきたという。
それがどこまで正しいのかは、今となっては古文書だけしかわからない。
それでも今あるということは、きっと本当なのだろう。
このように、ある種の特権を持って、砂賀藩藩主だった砂賀家に認められた者らが、今も代々家業を継いで、それが残っているのだ。
多くは観光客向けであるが、今も砂賀家から呼ばれ、御用達品を納めるということも、よくあることらしい。




