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光の三原色



 けたたましい爆音が木霊して、周囲全域は濃い煙に包まれる。徐々に晴れていく様を眺めながら、初老の視界に映るのは──


 複雑に入り乱れた結界の集合体であった。


「なんだこれは……」


 三角錐で作られた結界が、何重も繋ぎ合わさり、縦長に構成されている。輝く宝石を幾重にも繋いだような結界であった。

 しかも、初老の知っている“ドリビア・ダスト”と違う所がある。

 三角錐の要となる点が、「炎」であったことだ。

 炎をあちこちに点在させ、それを点とし、三角錐を幾重にも合体することで、複雑な多重結界を作り上げている。口を真一文字に結び、ルカの君は小さく呟く。


「先ほど発動したはず……」


 “ドリビア・ダスト──結界たる三角教示”も、“魔炎”も、既にシルドは発動している。

 “ドリビア・ダスト”はつい先ほど発動したし、“魔炎”にいたってはシルドたちがクロネアへ行く直前、ユンゲル右大臣がジンに放った密偵四十人との戦いにて発動している。

 古代魔法“ビブリオテカ”は、一度発動した魔法を二度と使えない。

 しかし、シルドは再度これらの魔法を呼んだ。また、呼んだ後に「法魔昇華」と謎の言葉も言っている。さらに現在展開されている魔法名“灯火の多重結界”は、アズール図書館内にある魔法書を全て把握しているルカの君ですら……初見であった。そして──


「黄色……!」


 初老はシルドの持つ“ビブリオテカ”から黄色の光が発せられているのを視認する。

 第一は緑、第二は赤、第三は青、第四は水、そして黄色。

 言うまでもなく、第五の発動条件を満たしたということだ。その発動条件とは──


「一度発動した魔法を複合的に合体させ、この世に別の魔法を生み出した、というわけかね」

「はい。“魔炎”を複数展開させ、それを三角錐の『点』として立体構造上の“ドリビア・ダスト”を生み出しました。凄く綺麗ですよね、生み出せて良かった」


 クハハと笑うシルドと、黙って見つめる初老。ルカの君の胸中は穏やかではなかった。

 今日に至るまで、第四の発動条件を満たすことを身分不相当だと心から嫌がっていた青年が、たった今、すんなりと第五を発動してみせた。

 新しい魔法を生み出すことを臆していた、あの男がだ。

 今日一日で、新たに二つの発動条件を開眼するに至っている。ルカの君は歯ぎしりする。

 ──シルディッド・アシュランの心境に、何があったというのだ……!


「何もありませんよ」


 初老の考えを読んでいたというように、蒼髪の青年は言葉を紡ぐ。


「ルカの君よ。貴方に伝えたいことがあります」

「“ビブリオテカ”についてか」

「はい。古代魔法の書には第一、第二、第三の発動条件まで記されていた。そして残りの習得条件もあることを示唆しており、条件を満たせば『根源星層に辿り着ける』と」

「知っている。何度も言わなくていい」

「僕としては、これだけで充分だったのです」

「……は?」

「光の三原色をご存知ですか」


 光の三原色。

 この世にある、様々な色を作る際の基本となる色のことを指す。

 色は緑、赤、青であり、これらを複雑に混ぜることで、多種多様な色を表現できる。そんなことなど知っている、とする初老に、笑顔で頷くシルド。


「僕からは以上です」

「……」


 目の前の青年の落ち着きぶりは初老からしてみれば異常であり、不気味でもあった。ルカの君は相手を睨みながら思考する。


 ……何があった、やはり第四の発動条件を満たした際、何か起きたのではないか。第五の条件を古代魔法から教えてもらったのではないか。いや、彼は何も起きなかったと言ったか。彼の発言の信憑性など皆無だが……。

 そもそも何故、蒼くんは私に光の三原色を言った? 三原色は緑、赤、青だ。

 第四は水色。

 第五は黄色。

 一体何を意味して……水色、黄色……。


「──ッ!」

「はい、第四の水色。これは緑と青を混ぜた色です。そして第五の黄色。これは緑と赤を混ぜた色です」


 少しずつ、しかし悍ましい気配を感じるルカの君。

 第四は水色。緑と青を混ぜた色。

 緑は第一条件であり、魔法書を読み理解すること。

 青は第三条件であり、只の本を魔法書として認識し、本から魔法書へと格上げさせ、この世に新たな魔法として誕生させること。

 そして水色の第四条件は一つの魔法書を読み、そこから考察・分析を多角的に行い、別の魔法を記された魔法書へと認識・理解し習得すること。


 第一(緑色)と第三(青色)の条件を混ぜた先(水色)に第四はあった。


「魔法にルカは必要不可欠。そしてルカは光を放つ。ならば光に関係するものを考えれば直ぐに答えは出ます」


 第五は黄色。緑と赤を混ぜる必要がある。

 既に緑の第一条件は説明済みだ。

 赤の第二条件は、実際に魔法を見て、その魔法名を確認すること。

 黄色の第五条件は一度発動した魔法を複合的に合体させ、この世に別の魔法を生み出すこと。

 第一は理解特化であり、第二は視認・把握特化である。


 この二つを応用し、理解(緑色)と把握(赤色)の末、高い融合力として生み出された先(黄色)に第五はあった。


「蒼くん。いつ理解したのだ」

「第四の水色を見た時です。光の三原色に気づいて、直ぐに考察に入りました」

「キミの推察が正しいとするなら……残りの色は」

「はい。残りは赤と青を混ぜた色──」


 青年はニッコリと笑う。


「第六の紫色だけですね」

「シルディッド・アシュラン。キミに心からの敬意を払う」

「ありがとうございます。いやぁ、気づけば子供でもわかる」

「──しかし、このまま第六の発動条件を満たさせるわけにはいかない。それを満たすのは、私だ!」


 初老は両手で輪っかを作り、突き出す。

 それをシルドに見せた瞬間、青年を囲むように球体の薄い膜が突如として生まれた。粘着性のある膜の中へ相手を閉じ込める、上級・自然魔法“泥粘り”である。


 魔法名は言わなかった。


 言えば第二条件を満たされ“ビブリオテカ”に習得されてしまう。初老は第六の条件を既に相手は知っていると悟った。

 第四、第五と立て続けに開眼したのだ。第六も知っていると考えるのが妥当である。


 このまま彼の好きなようにさせれば、“ビブリオテカ”を奪う前に古代魔法を全て把握され、最悪、根源星層に至るだろう。それだけは断固として阻止せねばならない。もはや、彼の左手を斬り落とすしかないようだ。

 やむを得ない。

 膜に囚われたシルドの眼下から、シュルリと小さな樹木が生え出る。枝をそっと出し葉の形が瞬時に刃となって、中級・自然魔法“ヒュリカ──葉刃”が……青年の左腕を即座に斬る!


 ……直前に葉は炎蛇に喰われた。



「“紅蛇火(くれないじゃっか)”」



 炎の蛇はシルドを守るように巻き付き、膜ごと燃やしていく。初老は外部の介入かと上を見るも、何も起こっていない。目の前の青年により発動された魔法だ。この魔法を、ルカの君は知らない。


「図書館の魔法書にはないものだぞ!」


 一人の少女がいた。

 その少女は自らを征服少女と言い、天賦の才を遺憾なく発揮し、自然魔法を我がものとした。シルドにとって彼女は眩しい存在であった。自分を疑わず、信じ、ただその力をなすべき時に存分に行使する。

 今では自分のためだけでなく、皆のためにも行使するようになり、シルド以上の友人がいる。将来は三傑アズール代表になるであろうか。


「小賢しい」


 初老は殺すつもりでいってもお釣りが来ると判断、特級・創造魔法“ジャリン・ティローカ──嵐国の狼”を発動。

 遥か昔、クローデリア大陸の北西にある嵐の国と称されるティローカを守護する十四の魔物がいた。かの魔物は国王に恩義があり、その恩を果たすため十年に渡り国を守護したという。

 戦乱の最中、敵国の大群が押し寄せた際、たった十数匹で敵を殲滅した記録が存在する。かの存在を疑似召喚する魔法だ。現れた狼の群れは音もなく疾走する。



「“チェリン・チュリン──連鎖爆妬”」



 どこからともなく女性の叫び声と共に、爆発が起きた。

 叫び声がさらに聞こえ、狼の真横より爆撃が起こる。さらに叫び声が鳴り、今度は前方から。音に敏感な狼からすれば、耐え難い苦痛の絶叫だ。どこから生じるかわからない爆撃が狼らを襲う。

 嫉妬に狂う女の絶叫付きの、悪夢のように続く連鎖無限爆発であり、陣形及び癒呪の特級・複合魔法である。この魔法もまた、ルカの君は知らない。


「どこから、この魔法を得たのだ!」


 二人の姉妹がいた。

 シルドにとってなくてはならない存在だった。喧嘩ばかりしているものの、彼が幼少の頃は颯爽と現れ助けてくれた。

 今もそれは変わらず、シルドがクロネアへ行く前に苦しんでいる時、姉妹はいつものように現れて救ってくれた。今日も変わらず二人は元気にしているだろうかとシルドは苦笑する。


 無限に続く爆撃の最中、ルカの君は大波を召喚する。波は狼らごと飲み込み、意思を持つように青年へ突貫した。

 波の色も明らかにおかしい。灰と茶の色が混ざっており、所々黒もある。触れれば相手の生気を吸い尽くす、上級・癒呪魔法“悲嘆なる汚波”である。



「“斥力炉紋(せきりょくろもん)”」



 特大の特級・創造魔法を召喚する。最高位の防壁魔法である。

 斥力とは引力の反義語であり、二つの物体に働く反発作用のこと。磁石で例えるなら、SとNを近づければ引力が生まれ、同じ極性を近づければ斥力が生まれる。対象に触れさせなければ最も強い防壁ともいえようか。


 シルドの前で轟々と地鳴りのような音を響かせながら出現する、熔岩を練り固めた丸い形状の特大な門。

 波は一滴残らず斥力炉紋の前で止まり、数秒後、爆発的な反動とともに、進行方向とは逆の向きに押し返された。初老は思わず舌打ちして。


「こちらの魔法を的確に返すか……!」


 一人の女性がいた。

 その女性はジン・フォン・ティック・アズールを愛し、死ぬまで一緒にいることを決めている。

 集団至上主義者にしてジンの妻となるその人は、次期王と共にアズールを変革していくだろうか。誰よりも皆を愛し、きっと誰からも好かれる人になるであろう。ルカの君は歪に笑う。


「ならば防げぬ魔法でいく」


 カッ──と地面に灯る陣。

 押し返された波は激しい速度で初老に返ってくるも、ルカの君は右手を突き出し、ギュッと握る。

 狼の残骸と一緒に汚波は一瞬で「棒状の形」となった。

 そのまま槍となり、有無を言わさぬ破壊をもって、即座にシルドへ放たれる。

 陣の上にある魔法物を自由に改造・変造できる特級・陣形魔法“悪童遊戯”に、速度を極限に付与する上級・付属魔法“迅なる速異点”を加えたものだった。まず防げない神速の槍である!



「“ルカ・イェン──魔統”」



 シルドは白銀の衣を纏う。

 青年の周りにある全てのルカを支配下とし、彼は右手をクイッと上げた。

 初老により放たれた槍は敵を直撃することはなく、軌道を上にし、彼方へ飛んでいく。歯ぎしりする初老。


「初代、アズール王の……!」


 一人の男がいた。

 その男は個人至上主義者ゆえ、誰も信じず、己が道のみを爆進していた。

 しかし、一人の田舎貴族と出会い、彼に変化が訪れる。その出会いは銀髪の男にとって大きな意味をもち、価値があった。次第に考えは少しずつ変化してきて、自分以外のために行動することを是とした。

 次期アズールの王になるその男は、この国にどのような未来をもたらすのか。初老の歯ぎしりは力強くなり、叫ぶようにシルドへ吠える。


「さっきからなんだね……! キミの友人らの魔法ばかりではないか!」

「おや、知っているのですか。お恥ずかしいです」

「恥など無用だ、何がしたいのだ!」

「直ぐにわかりますよ」

「……ッ。終わりにしよう」


 パチリと、どこかから聞こえる弾ける音。

 シルドの全身に悪寒が走る。

 死の予感。


「──ッ」


 現在シルドは、アズール図書館の地下にある空洞の最深部にいる。

 その最下層の全ての場所から……一斉に、一瞬で、視界を埋め尽くす弓兵が出現した。

 シルドの視界に広がる全ての場所から、弓を用いた兵士がぞろりと生まれる。皆、パチリと雷を伴っていた。そしてゆらりと弓を構え、照準をシルドへ。


「防ぐ術はないぞ、シルディッド・アシュラン」


 当たり、かすり、触れ、……ありとあらゆる接触をすればその者の完全停止を強制する矢。

 直撃すれば相手を炭と化す万雷の矢。

 接触できなくても雷の速度をもって触れるまで追従する神速の矢。

 “ルカ・イェン──魔統”であっても、全ての矢の操作は不可能であろう。必中・必死・滅殺を約束された魔法である。

 禁術・雷鏖殲滅式、特級・自然魔法──


 “リサン・ベルスク──戦人の雷魔弓(らいまきょう)”が、放たれた。

 


 ※ ※ ※



 ルカの君にとって、目下危険としたのは一つだけだ。シルドのビブリオテカ魔法習得・第六発動条件の開眼である。

 魔法名を言わず、発動したことには理由があったのだ。


 第六……紫色は第二条件の赤と、第三条件の青を混ぜる必要がある。

 先ほど見た第四と第五は混色であり、必要な色(発動条件)を混ぜたものであった。

 ならば、第六も同じであろう。

 つまり、少なくとも第六条件を満たすには、赤色である第二条件を満たしている必要があるのだ。ゆえに、魔法名は言わなかった。言わなければ第二条件を満たすことはないからだ。最適解である。


「何故だ……」


 ルカの君の考察は正しい。その方向で間違いはない。

 赤だけであるのなら、それで正しかった。

 初老は第三条件の青色の重要性を考慮していなかった。青色を含むことで、第三条件で培われた「考察力・分析力の多角的思考性」を追加する。

 ──魔法名など、不要である。

 第六はビブリオテカ魔法習得条件の中で最も難解にして荒行であった。


「何故、紫色の光を発している……」


 第六は、第二と第三の融合型にして、第四と第五の完全上位互換版であった。

 古代魔法“ビブリオテカ”を生み出した魔法師もまた、最高難易度に指定した。

 つまりは、赤要素の魔法を実際に視認・把握し、そこから青要素の考察・分析を多角的に行う。

 ここからさらに、視認した魔法らを複合的に合体させ、この世に別の魔法を生み出すこと。これを第六条件としたのだ。


 “ビブリオテカ”を作った魔法師は、第六条件を考案した際、自分は天才だと自画自賛した。

 ルカの君がその場にいたら、棍棒で殴っていただろう。第六を最高難易度にしたかったので、かの魔法師は第四や第五要素もこっそり入れておいたのだ。

 自由な発想や想像を得意とするアズールの国民性は、魔法と相性抜群だ。かの魔法師は、そんな彼らの祖先である。ノリノリで古代魔法を作り、そして誰よりも……楽しそうに笑っていた。



「“大樹なる魔失”」



 シルドを基点として、薄い膜の色をした立派な大樹が出来上がっていて。

 大樹の規模は凄まじく、思わず空を見上げる大きさだった。

 立派な木だ。

 大樹からは枝が一本いっぽん生え出ていて、そのまま地面へと降下している。

 そしてシルドを中心に周囲全てを、何百という枝でもって、彼を守る盾として展開させていた。完全絶対防御の枝である。


 ルカの君の、シルドへ魔法名を言わずに発動したのは“泥粘り”、“ヒュリカ──葉刃”、“ジャリン・ティローカ──嵐国の狼”、“悲嘆なる汚波”、“悪童遊戯”、“迅なる速異点”、“リサン・ベルスク──戦人の雷魔弓”である。

 

 その中で使えそうな魔法を片っ端から脳内にぶち込み、考察・分析し、練り上げ、複合的に合体させ、この世に新たな魔法として生み出したのだ。実際の所、彼は全部使った。



 ほぼ半ギレのシルドは言う。



「もう絶対に……二度としない……!」



 脳をフル回転したことで疲れ切り、げっそりしているシルドを前に、未だ理解できないルカの君。

 それでも目の前に映る世界が現実なのだ。

 そして、青年の持っている“ビブリオテカ”の放っている光の色は……紛れもなく“紫”であった。ビブリオテカ・魔法習得“第六”発動条件────、開示である。



 さらに。



「やめてくれ」



 初老は一歩、後ろへ引く。



「何だそれは、そんなルカ、私は知らない」



 シルドの周りに、変化が訪れる。

 本来なら虹色や金色であるルカの粒子は──、“白”となっていて。


 何色にも属さない純白のルカは、かの青年を中心に優しく湧き出ていた。

 そしてルカを放出している古代魔法もまた……次第に、紫色から変化を始めていた。

 もはや昏倒しそうなほど悲鳴を上げる初老は、否定するように言い切る。それ以外にもう、初老のすることはなかったのだ。こんな色のルカを──


「私は知らない!」

「当たり前じゃないですか」


 頷きながら、優しく蒼髪の青年は答える。

 左手にある“ビブリオテカ”は第六条件まで満たしたことを喜んでいるのか、ピョンピョンと跳ねている。

 今まで自発的に動くことなんてなかった。シルドはやや驚きながらも、そのままどこかへ跳ねて行きそうなので、むんずと掴み、彼は初老を向く。


「この世界は知らないことばかりです。仮に知ったとしても、明日には新しい何かが生まれている。そうして僕らは未来へ進んでいきます」

「……」

「我々は、知る喜びを得るために次に行きます。だから図書館は、そんな僕らを迎えてくれるのです。知らない苦しみがあるのなら、それを解決する手段はもう出ています、ルカの君」


 緑・赤・青を交えた、水・黄・紫を交えた、かの色を“ビブリオテカ”は発する。

 これまでの苦難の道のりを祝福するかのように。

 新たな始まりを祈願するように。

 苦しみを癒やすように。

 その発する、光の色は──



「一緒に探しましょう、ルカの君。手始めに、二人で根源星層へ行って」


 

 白。

 ビブリオテカ・魔法習得“第七(さいしゅう)”発動条件────、達成。条件は第一から第六に至る全てを満たすこと。


 第七の条件を満たした青年は、根源星層へ辿り着く。

 知識を渇望する初老の手を優しく取って。

 古代の魔法を伴って。

 戸惑う相手に対し、優しく微笑みかけながら。



「お手伝いさせていただきます。アズール図書館の司書として」



 彼はその先もいくのだ。



 青年は、夢を、解き明かす。



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