表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大学受験に失敗して就職もせず、気づけば五十歳ニートになっていた  作者: マルコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/145

第6部-第88章 嵐の日

その日は朝から空が鉛色に沈み、天気予報は午後からの暴風警報を告げていた。

 よりによって、大型イベントの初日。

 来場者数は通常の倍以上が見込まれ、キャンセルはほとんど出ていない。


 午前10時、最初の団体客が到着するころには、すでに風が建物を鳴らし始めていた。

 外のテント会場では展示準備が進められていたが、強風でパネルが倒れそうになるたびにスタッフが走って支える。


 「浩一さん、このまま続行でいいんですか?」

 若手スタッフの声には、明らかな不安がにじんでいた。

 だが、経営側からは「中止は避けたい」との指示が下りている。


 館内に戻ると、来場者の列が入口からあふれかけていた。

 外に並ばせれば危険だ。かといって、中に入れすぎれば通路が塞がる。


 浩一は深く息を吸い、館内アナウンス用のマイクを手に取った。

 「皆さま、安全のため順番にご案内いたします。スタッフの指示に従ってお並びください」


 その声は落ち着いていたが、胸の内では嵐と同じくらい激しい緊張が渦巻いていた。

 ――ここでの判断ひとつで、今日のすべてが決まる。


 窓の外で、雨が横殴りに叩きつけ始めた。

 嵐の日は、まだ始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ