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大学受験に失敗して就職もせず、気づけば五十歳ニートになっていた  作者: マルコ


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第6部-第75章 覚悟の芽生え

体調不良で早退した翌日、浩一はまだ少しだるさを感じながらも、決まった時間に起きて制服に袖を通した。

 玄関で靴を履いていると、母が湯気の立つ味噌汁を差し出してきた。

 「ちゃんと食べて行きなさい。昨日みたいなこと、もうないように」

 その声には、心配と同時に、息子を信じる温かさが混じっていた。


 出勤すると、山崎が真っ先に駆け寄ってきた。

 「もう大丈夫ですか? 昨日、みんな心配してましたよ」

 同僚たちも軽口を交えながら気遣いの言葉をくれる。

 それは、以前の自分にはなかった職場の光景だった。


 午後の巡回中、ふと館内のガラス越しに自分の姿が映った。

 制服の肩は少し落ち着き、歩く姿も以前よりゆったりしている。

 ――これが、今の俺なんだな。


 その瞬間、胸の奥で静かに言葉が芽生えた。

 この場所を守りたい。ここで生きていきたい。


 不安は消えたわけじゃない。

 だが、それ以上に、自分を必要としてくれる人たちがいるという事実が、足元を固めてくれていた。


 勤務を終えて帰路につく足取りは、不思議なほど軽かった。

 春の夜風が頬を撫で、どこか新しい季節の匂いがした。

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