表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大学受験に失敗して就職もせず、気づけば五十歳ニートになっていた  作者: マルコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/145

第6部-第70章 新しい役割

日曜日の朝、出勤してロッカーで制服に着替えていると、上司の田村が声をかけてきた。

 「浩一さん、今日の午後からイベント会場の入口担当をやってもらいたい」


 イベント会場――人の出入りを制御し、トラブルを未然に防ぐ重要なポジションだ。

 以前の浩一なら緊張で体が固まっていたかもしれない。

 だが、このところの小さな成功体験が背中を押し、「やってみます」と自然に口にできた。


 午後、会場前には長蛇の列ができていた。

 浩一は列を整理しながら、笑顔で来場者に声をかける。

 時には子どもたちに手を振られ、保護者に礼を言われる場面もあった。


 途中、入場券を持たないまま列に並んでいた男性が、少し語気を強めて食い下がってきた。

 浩一は落ち着いて事情を説明し、別の窓口へ案内した。

 周囲に不安や混乱を広げずに対処できたことに、自分でも驚いた。


 業務終了後、田村が軽く肩を叩いた。

 「安心して任せられたよ。こういう現場の空気を和らげるの、得意なんじゃないか?」

 その言葉に、浩一は久しぶりに胸を張れた。


 ――俺は、まだここで役に立てる。

 そう確信できたのは、何ヶ月ぶりのことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ