表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大学受験に失敗して就職もせず、気づけば五十歳ニートになっていた  作者: マルコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/145

第5部-第66章 揺れる決意

配置転換の打診を受けてから、勤務中の景色が変わって見えるようになった。

 エントランスで人波を見守っていると、「この場所を離れるかもしれない」という思いが、胸の奥で静かに重く沈んでいく。


 常連の客が笑顔で会釈をしてくれるたび、「もうここには立っていない自分」の姿を想像してしまう。

 そのたびに、言いようのない喪失感がじわりと広がった。


 同僚の間では、最近の浩一の動きが以前より柔らかくなったと囁かれていた。

 それは表面上の落ち着きに見えたが、内側では迷いが膨らみ、足取りを鈍らせていた。


 休憩室で缶コーヒーを飲んでいると、若い後輩がぽつりと言った。

 「浩一さん、ずっとこの現場にいてほしいです」

 その一言が、胸の奥に鋭く刺さった。

 だが同時に、自分の限界もはっきりと意識してしまう。


 夜、布団の中で目を閉じると、二つの未来が頭に浮かんだ。

 一つは、この場所に踏みとどまり続ける未来。

 もう一つは、裏方で人目を避けながらも、体力を温存して続ける未来。


 どちらを選んでも、後悔は残るかもしれない。

 ただ、選ばずにいる時間だけが、確実に自分をすり減らしていく――それだけは分かっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ